第1,106話 「新生徒会長は誰だ!?②」
愛読者の皆様!
『魔法女子学園の助っ人教師』
(小説書籍版:HJノベルス様刊)
特報!
1月25日に発売された第5巻に続き……
早くも! 『第6巻』の発売が決定しました!
本当にありがとうございます。応援してくださる皆様へ特大感謝です!!!
発売日等、詳細は未定です。
小説書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。
店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に5巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
既刊をご購入された方は、
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東導は感謝感激状態となります。
何卒宜しくお願い致します。
そして!
『コミカライズ』連載開始しております。
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月刊「Gファンタジー」にて、
1月18日発売2月号より連載が始まっています。
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ケースバイケースだが……
引っ越しの整理整頓はひとりでやるよりも、3人でやる方が断然早い。
うず高く積まれていたステファニーの荷物は、あっという間に片付いた。
だが3人の作業はそれで終わらなかった。
話が盛り上がり、家具を含めたディスプレイが始まったのだ。
今迄ステファニーはブレヴァル家の使用人へ指示を出し、自室の整理整頓をしていた。
大まかな指示を出し、後は任せてしまう。
数時間後、部屋の中は片付いている……
貴族の、それも公爵家の令嬢なら、この国では至極当然の事であった。
しかし、やってみて分かった。
自分で細かく思い通りに部屋に物を置く事は楽しいのだ。
見栄え、使い勝手を考えながら、自分の好みジャストに配置する事が。
それも親しい友と一緒に「ああだ、こうだ」とやりながら行うと数倍楽しい。
1時間経って、片付けとディスプレイは完全に終了した。
もしひとりだったら、今日一杯時間を要していただろう。
そう思うと、ステファニーには感謝しかない。
エステルとルイーズへ、どう御礼をしようかと思う。
「食事を……」と思ったが、学生寮の地下にある食堂は、食べ放題、お茶やジュースも飲み放題のシステムだ。
つまり毎月払う寮費に一切が含まれているのだ。
ちなみに本校舎の学生食堂で食事を摂る場合は、寮生証というカードを見せれば無料となる。
というわけで、残念ながら「食事をご馳走する」事は出来ない。
「どうしようか」とステファニーは考えたが……
エステルとルイーズはいきなり尋ねて来た。
「ステファニーさん、明日の都合は」
「そうそう、午後は空いてる?」
「午後? 私の都合?」
ステファニーは聞き直し、すぐ納得した。
明日は完全休日の日曜日。
魔法女子学園の寮生達は、寮長のバザンから外出許可を得て、王都の街中へ繰り出す者が多い……
「そう! 午後よ! スケジュールは?」
「うふ! お昼ごはんを軽めにして、3人一緒にでかけるのよ」
「さ、3人で?」
「うん! ちゃんと外出許可を貰ってね」
「そうそう、怒られないように」
エステル達ふたりのお陰で、自分の部屋はおおよそ片付き、綺麗にまとまった。
出掛ける時間は充分作れた。
問題は行き先だ……
ステファニーは、気になって尋ねる。
「それで、どこへ行くの?」
「うふ! ルイーズ、言って!」
「了解、エステル! 何と、じゃ~ん! あの金糸雀のカフェへよ」
「え? 金糸雀のカフェ? でも……」
超が付く有名店の名を聞き、思わずステファニーは口籠った。
はっきりした理由がある。
王都ナンバーワンの焼き菓子!
それは、金糸雀の焼き菓子。
甘党女子達の噂を、ステファニーも当然耳にしていた。
しかし、まだ店に行った事はない。
何故なら、店内は常に混雑しているという。
併設されたカフェもいつも満員で、入り口には入店待ちの大行列が出来ている……
その上、予約も常にいっぱいで、極めて取れ難いと聞いていたのだ。
しかし!
そんなステファニーの心配を吹き飛ばすよう、エステル達は言う。
「ステファニーさん、大丈夫! 予約したから!」
「そう、ツテがあるのよ」
「ツテ? 何それ?」
金糸雀のツテ?
分からないとステファニーは思った。
店のオーナーとふたりのどちらかが、繋がりがあるのかと……考える。
そんなステファニーを見て、
「うふふ、ある人のね」
「そう、可愛いお菓子とは、全然イメージが合わないけど」
エステルとルイーズが顔を見合わせ、悪戯っぽく笑った瞬間。
どんどんどん!
大きな音をたて、扉が叩かれた。
そして凄みのある声も響く。
「おい! エステル、ルイーズ、ふたりとも居るか!」
この声は、寮生なら、誰もが分かる。
エステルとルイーズは、思わず飛び上がった。
「わう!」
「は、はい! い、居ますっ!」
エステル達の在室を確かめた相手は……
今度は扉越しに、ステファニーへと尋ねて来る。
「ふむ、ステファニー、扉を開けても良いか?」
断るなんて……出来るわけがない。
ステファニーは頷き、ごくりと唾を呑み込んだ。
「は、はい……ど、どうぞ、せ、先輩……」
「うむ、失礼するぞ!」
勢い良く扉を開け、姿を見せたのは……
もう『名物学生寮長』となった、通称鬼女子、シモーヌ・カンテである。
あくまで非公式だが、魔法女子学園の学生寮は正式な寮長以外に入寮した生徒の中から学生寮長を選出する。
何と!
シモーヌは新2年生になった時、当時の3年の先輩から指名を受け、就任。
以降学生寮をまとめている。
「エステル、ルイーズ」
「は、はい!」
「先輩、何でしょう?」
「もしや今、私の事を話していたか? それも結構な悪口のように聞こえたが……」
「い、いえ! 何も」
「そうです」
「ふむ……まあ良い。それよりこれから打合せだぞ」
シモーヌから「打合せ」と言われ、すぐ思い出したのか、エステル達は頷いた。
「あ、でしたね」
「すぐ行きます」
一体、何だろう?
気になったステファニーは、シモーヌへ尋ねる。
「あ、あの打合せって?」
「うむ! 新たな生徒会長を選ぶ、選挙管理委員会の委員間の前打合せだ」
「選挙管理委員会……委員間の前打合せ?」
シモーヌの言う選挙管理委員会とは……
この場合、ヴァレンタイン魔法女子学園生徒会長選出の選挙を運営管理する組織である。
立候補者の受付けを始めとし、投票、開票、発表等、選挙事務を行う。
「うむ、正式な打合せは休み明けに改めて行うが、本番を効率的且つ円滑に行う為、今からすり合わせをする。幸い、今回の選挙管理委員は全員寮生だからな」
「そ、そうなんですか?」
「ああ、だから選挙管理委員長の私から前振りしようと思ってな」
そういえば……と、ステファニーは思い出す……
いろいろバタバタしていて忘れていた。
親友マノン・カルリエと、ポレット・ビュケから……
「3人で一緒に、生徒会長へ立候補しよう」と誘われていた。
ジゼルの任期終了に伴う、魔法女子学園の新生徒会長に……
ここでシモーヌは「ぽん」と手を叩く。
何かを、思い出したらしい。
「おお、そういえば……ステファニー」
「は、はい。な、何でしょうか? せ、先輩……」
「何でしょうか、じゃない。各クラスから最低ひとりは、選挙管理委員を選ぶのだが、2年B組からはまだ連絡が来ていない。確か、君は……B組の学級委員長だったな」
「は、はい……そうです。まだ決まっていなくて……も、申し訳ありません」
そう、2年B組の選挙管理委員はまだ決まっていなかった。
希望者を募ったのだが、名乗り出る者が居なかったのだ。
事情を話すと、シモーヌは苦笑した。
「そうか……じゃあ仕方ないな」
「仕方ない?」
「ああ、後日、本来の委員へ引継ぎをするとして……とりあえずステファニー、君が出席してくれないか?」
「わ、私が出席?」
「そうだ、頼むよ」
「わ、分かりました……」
選挙管理委員の打合せに出席?
この『鬼女子』から頼まれて「嫌!」と言える筈がない。
ステファニーは、渋々承知した。
こうして……
魔法女子学園の学生寮へ入ったステファニーの初日は……
とんでもなく変化に富んだものとなったのである。
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