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第1,101話 「ブレヴァル家の平穏㉑」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』

(HJノベルス様刊)

特報!

1月25日に発売された第5巻に続き……

早くも! 『第6巻』の発売が決定しました!

本当にありがとうございます。応援してくださる皆様へ特大感謝です!!!

発売日等、詳細は未定です。


書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に5巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。


既刊をご購入された方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへご一報をください!

東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!

『コミカライズ』連載開始しております。

株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、

月刊「Gファンタジー」にて、

1月18日発売2月号(既に発売中)より連載が始まっています。

※2月18日発売の3月号にて『第2話』が掲載されております!

藤本桜先生の筆致で描かれる華麗な魔法世界を体感してください。

書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。

※特報! あと3日! 来週月曜日3月18日発売4月号掲載の第3話は、

またも『センターカラー掲載』の予定です。お楽しみに!

 創世神教会が運営する孤児院は、王都の中心から少し離れた場所にある。

 貴族街区にあるブレヴァル邸からは、馬車を使えば約20分というところだ。


 屋敷を5分ほど前に出発したマティアスは、馬車の車内で座席に腰を深く下ろし、目を閉じて到着を待っていた。

 その対面には……

 妻のパトリシアを真ん中にして、右側にはステファニー、左側にはアニエスの姉妹が座っていた。

 どうして姉妹が居るかと言えば、両親へ強く同行を求めたのである。

 母と共に、慰問を手伝うと言い張って……


 何故、ステファニー達が?

 マティアスは不思議に思ったが、自分と妻が仲睦まじい様子を見て、

 「何か思うところがあったのか?」とでも想像するしかない。

 

 馬車に乗り込んでから、妻と愛娘達はずっと話していた。

 元気にそして、楽しそうに語り合う様子を聞いていて、マティアスの口元はずっと緩んでいる。

 これで父アンドレが居れば、この場に家族全員揃うが、それだけが残念だとも思う……

 まあ父の言う通り、いきなり枢機卿が行けば、先方は驚くだろうと考え納得もする。

 

 母娘3人で盛り上がる、会話の内容は他愛がないものだった。

 話の中心はやはりというか、『料理』である。

 マティアスの作った卵料理をきっかけに、3人でもっと様々な料理に挑戦しようと、気持ちは一致したようだ。


 この後の展開を想像し、マティアスはつい微笑む。


 ……ウチの料理長と料理人達の仕事は、今迄みたいに料理を作るだけではなくなる。

 妻と愛娘達へ、レシピの教授と実習を含め、確実に今迄の倍以上働かされるだろう。

 うん!

 ……やる気を出して貰う為、彼等彼女達へは俸給を目一杯弾み、休みも充分に取らせてやらなければ…… 

 

 と、マティアスが決めたその時。


「貴方」


 いきなりパトリシアが話しかけて来た。


「何だ?」


 と、マティアスが返せば、パトリシアは優しく微笑む。


「エクトル殿とは、本当に仲がよろしいのですね」


「ああ、そうだな」


 何か、あるとは思ったが、たまに同じ事を妻からは言われる。

 話がどう進むか、分からなかったので、マティアスは曖昧に返した。


 すると、パトリシアは、


「昨日、ご帰宅の途中で孤児院の慰問を申し入れた際、ふたりで一緒に行こうとお約束されるなんて」


「ははは、そうか」


 枢機卿たる父ではなくとも、いきなり連絡なしで『ブレヴァル家の自分』が慰問へ行けば、孤児院も驚き……表だっては絶対に言わないが、多分迷惑する。

 マティアスは思わず苦笑した。相変わらずルウの段取りは凄い。

 この慰問も、しっかり辻褄を合わせていたと。


 つらつら考えるマティアスに対し、妻の話は続いている。


「うふふ、ご親友といえど、あまりにも仲がよろしくて、私、焼き餅を焼きますわ。多分、シルヴィ殿も同じ事を仰っていますよ」


 ……パトリシアが告げたシルヴィとは、エクトルの妻の名である。

 最近まで冷え切っていたマティアス夫妻と比べ、こちらはずっと夫婦仲が良かった。

 しかし妻が焼き餅を焼くとは……それもエクトルの妻までが?

 マティアスは到底信じられない。


「ははは、まさか」


「いえ、男の友情って海の底みたいに深いって、この前お茶をしながら、彼女とは盛り上がったのです」


「おお、それはいけない。親友とはいえ、友情もほどほどにしておこう」


 少し大袈裟に、おどけた調子で返すマティアス。

 そう、パトリシアの言葉通りに……

 孤児院を目指す馬車の傍らには、話題の主、テンプル騎士団長エクトルが部下5名と共に、騎馬で並走していた。

 テンプル騎士達も、マティアス一家と共に慰問へ行くのだ。

 当然、マティアス一家の護衛も兼ねている。


「今日は都合が悪くて行けませんが……次回こそは同行を希望した妻も、慰問へ連れて行きたいです!」と、出発前エクトルからは強い口調で告げられていた。

 その事をパトリシアも知っている。


「うふふ、ごめんなさい、貴方。ほんの冗談ですよ。でも最近、シルヴィ殿とは私も良くお話しますの、貴方同様に、彼女とは親しいお友達になれるかもと思います」


「ははは、それは素晴らしいな」


 嬉しそうに微笑む妻へ、マティアスも釣られて笑ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 やがて……ブレヴァル家の馬車は孤児院の正門前に着いた。

 

 馬車は、孤児院の敷地内に入り、本館脇の駐停車場へ入った。

 車窓から外を見たステファニーが驚きの声をあげる。


「え? あの馬車?」


「お、お姉様、もしかして!」


「その、もしかしてよっ!」


 姉妹の驚きは尋常ではない。


「どうしたの? ふたりとも」


 驚いたパトリシアが尋ねると、姉妹は傍らに駐車してある黒塗りの馬車を指さした。

 特注の馬車らしく、大型で頑丈そうな馬車だ。


「お母様! あ、あれは、ルウ先生の馬車よ」


「ええ、お姉様の仰る通り、絶対間違いありません」


 姉ステファニーは魔法女子学園で頻繁に、妹アニエスも先日ブランデル邸へ赴いた際に目にしており、見覚えがあった。


「早くっ! お父様、お母様、本館へ行きましょうっ!」


「そうです、大至急!」


 馬車が停まるや、いなや……

 ステファニーとアニエスは扉を勢いよく開け、外へ飛び出して行った。

 ……残されたマティアスとパトリシアは、そしてエクトル以下護衛の騎士達も……

 脱兎の如く、孤児院の本館へ疾走するステファニー達を見て、呆然としている。


 確かに普段から話は聞いていた。

 ステファニーとアニエスのルウに対する深い想いを……

 しかし、これほどまでに強烈とは思っていなかった……

 ちなみに内密で調査をかけたマティアスは勿論、パトリシアも、まだルウに直接会った事はない。


 マティアスは、慌てて姉妹を追い掛けようとしたエクトル達テンプル騎士を止めた。

 と、そこへパトリシアが尋ねて来る。


「貴方……ルウ先生って、一体どんな方かしらね?」


「うん、丁度良い。……会って話してみるか」


 苦笑するパトリシアに対して、やはりというかマティアスも苦笑するしかなかったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます!


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東導 号の各作品を、ぜひぜひお楽しみ下さい。

応援宜しくお願い致します!

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