第1,089話 「ブレヴァル家の平穏⑨」
愛読者の皆様!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』は無事、1月25日に発売されました。
こうして続刊出来たのは、読者の皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
ご購入された方は、
または事前にご予約済みでお手にされた方は、
小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへ
ご一報頂ければ、東導は感謝感激状態となります。
何卒宜しくお願い致します。
そして!
『コミカライズ』連載開始しております。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
1月18日発売2月号(既に発売中)より連載が始まっています。
第1話は何と!
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書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。
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店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に5巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『第6巻』以降の『続刊』につながります。
ぜひ「ぐいっ!」と後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
マティアスを見つめながら、悪魔アミーはにやりと笑い、「びっ!」と人差し指を立てた。
瞬間!
アミーの立てた指先に、「ぽっ」と小さな炎が灯った。
いかにも邪悪な……嫌らしい笑いを浮かべたまま……
口調だけは厳かに、アミーはマティアスを呼ぶ。
「マティアス・ブレヴァル!」
「う、ううう……」
「この炎を……しかと見よ!」
「うあう……」
マティアスはとても嫌な予感がする。
もう二度と戻れない……底なしの深みへ足を踏み込んでしまうような……
だから必死に抵抗しようとした。
アミーの指先から、何とか目をそらそうとした。
しかし意思に反し、顔が全く動かない。
瞼も何故か閉じない。
身体が強張り、身動きのとれないマティアスの瞳の中には、アミーの指先に灯る小さな炎がはっきりと映っていた。
最初は小さかった炎は、徐々に明るくなり、どんどん勢いを増し……
妖しいオレンジ色の輝きを放ち始める。
炎の不可思議な美しさに魅了され、マティアスの心は『虜』となって行く……
「ふふふ、美しいだろう? この炎こそ、我が力の根幹……」
マティアスにはアミーの声が遠くにも近くにも聞こえる。
それもただ聞こえるだけではない。
直に心を、気味悪く触られるような不快感も伴っていた。
「あ、ううう……」
「マティアス……お前の心のゆらぎが、この炎に大きな力を与えるのだ」
「うあう……」
呻き続けるマティアスへ、アミーはきっぱりと言い放つ。
「ふふふ、抵抗しても無駄だぞ。お前が持つ『欺瞞』『裏切り』『悪意』『誹謗』の感情がこの炎を勢いづかせる」
「うう……」
「そして! 負の最大の力とは嫉妬なのだぁ!」
アミーがそう言うと、指先の炎は、突如倍以上の大きさとなった。
比例して、マティアスにかかる重圧感も一気に強くなる。
「あ……う……」
「マティアス! お前の心には、おりのように醜く澱む嫉妬がたくさんたくさん溜まっておる」
「う……」
「ほんの僅かな火でも、簡単に、そして激しく燃え上がる油のようにな、ふふふ」
「…………」
もう、マティアスには呻く気力さえない。
遂に無言となってしまった。
しかしアミーは容赦せず、びしびしと鋭利な言葉で攻め立てる。
「あまりにも大きすぎる存在、傑物と称される父への嫉妬! そして新たに生まれた嫉妬!」
「…………」
「新たな嫉妬とは! つまりルウ・ブランデルへの嫉妬だ!」
「…………」
「ふふふ、分かるぞ、我には! 今、お前の心の中にはルウへの嫉妬が激しく燃え盛っておる!」
「…………」
「けしてお前を認めなかった父が惚れ込みぃ、そしてお前の愛する娘ふたりも惚れ込みぃ、娘から話を聞いたお前の妻さえもルウに惚れ込もうとしておる!」
「…………」
「ちやほやもてはやされるルウに比べ、蔑まれたお前はたったひとりきり! ……孤立無援だ」
「…………」
「お前の唯一の味方だった幼馴染の騎士団長もぉ、もう見切りをつけようとしているぞぉ。ふふふ、まもなくお前など、ぽいっとゴミのように捨てるだろう」
「…………」
「さあさあ、お前には分かる筈だぁ!」
「…………」
「孤独なお前の! 唯一の味方はぁ……我! この悪魔アミーだけなのだぁ!!!」
「…………」
「ほうれ、このままでいいのか、マティア~ス! 泥足で散々踏みにじまれて悔しくないのかぁ、馬鹿にした奴らを見返したくないのかぁ、マティア~ス!」
「…………」
「さあ、マティアス! そろそろ決めよ! 我が炎に、お前の魂と肉体をゆだねよ! その時こそ、我とお前の契約が成立する!」
「ああ、うわああああ~~っ」
マティアスの孤独な魂が深い闇に堕ちかけ、断末魔の叫びをあげようとした瞬間!
びしっ!
部屋の中に異音が響き、凄まじい冷気の風が吹き荒ぶ。
勢いよく燃え盛っていた炎があっという間に小さくなる。
そして、どこからともなく……
「うふふふふ……」
少女の笑い声が聞こえて来たのだ。
「な、な、何者だぁ!!!」
さすがのアミーも、盛大に噛むくらい動揺していた。
自らが創り出した異界に、この店をまるごと移したのだ。
外部からの干渉が、可能なわけがない。
しかし、幻聴ではなかった。
謎めいた少女の声は、なおも部屋に響いたのだ。
「あんたったら、人の弱みにつけこんで、さいってぇ!」
さすがにアミーも態勢を立て直した。
歯をぎりぎり合わせ、虚空へ叫ぶ。
「どこだぁ! 出て来い! 女ぁ!」
「了解!」
意外というか、素直というか、
アミーの罵声に応えるように、椅子に座ったマティアスの傍らに、少女は姿を現した。
まるで空間から湧き出るという形容がぴったりな登場の仕方である。
体躯は小柄、シルバープラチナの髪を持つ、端麗な顔立ちをした美少女だ。
だがよく見れば、全く血の気の無い肌、鮮やかなルビー色の瞳。
人間離れした容姿を見て、アミーが叫ぶ。
「き、貴様ぁ! む、夢魔かぁ!」
少女は、怖ろしい悪魔に全く動じていない。
にっこりと笑う。
「正解! 私は夢魔モーラル! この人を、あんたみたいな外道と契約させるわけにはいかないわぁ」
モーラルはそう言うと、指をピンと鳴らした。
と、同時に。
びしっ!
再び大気が鋭く鳴り、またも急激な冷気が部屋を覆った。
アミーの炎は更に小さくなる。
「く、くそ! 夢魔如きがぁ!!! 馬鹿にしおってぇ! よ、よくも我が炎をぉ!!!」
「はぁ? 夢魔如きって、失礼ね。その言葉そっくり返してあげる!」
「な、何ぃ!」
「私の旦那様がね!」
「は?」
アミーが戸惑った瞬間!
先ほどモーラルが現れたのと同じく空間が割れ、彼女の傍らに法衣姿をした、黒髪且つ長身痩躯の男が現れる。
そして男は開口一番。
「モーラルの言う通りだ。この人を、お前のような腐れ悪魔の好きにはさせん」
「な!? 貴様ぁ!」
「ははっ、腐れ悪魔。お前には、俺が誰だか分かるだろう?」
「ル、ルウだ! 貴様は! ルウ・ブランデルだなぁ!!!」
「その通りだ!」
アミーの発した金切り声を思い切り撥ね返すように、ルウは鋭い眼差しで、目の前の悪魔を見据えたのである。
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