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第1,088話 「ブレヴァル家の平穏⑧」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』


『第5巻』は無事、1月25日に発売されました。

こうして続刊出来たのは、読者の皆様の多大なる応援のお陰です!

本当に、本当にありがとうございます!


ご購入された方は、

または事前にご予約済みでお手にされた方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへ

ご一報頂ければ、東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!

『コミカライズ』連載開始しております。

株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、

1月18日発売2月号(既に発売中)より連載が始まっています。


第1話は何と!

カラー1Pを含め、60ページを超える特大ボリューム!

「Gファンタジー」様公式HPで試し読みが出来ますので、ぜひご覧になってください。

そして素敵な誌上企画もご用意しております。

書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。


既刊第1巻~4巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に5巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

皆様の応援が、次の『第6巻』以降の『続刊』につながります。

ぜひ「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。

 ルイ・サレオンの72柱の1柱……

 そう名乗った謎めいた男……アミーは鋭い視線で、マティアスを睨み付ける。


「そうだ、創世神に仕える司教のお前なら……我を知っているだろう?」


 アミーが、改めて念を押すまでもなかった。

 マティアスは『ルイ・サレオン』と聞いただけで、アミーの所属と名を嫌というほど、叩き込まれている。

 

 人が……

 否!

 人だけではない。

 

 アールヴも、ドヴェルグも……

 全世界のあらゆる種族が、忌むべき存在としての名なのだと。


「あわわ! ルイ・サレオンの72柱って! お、お、お前はっ! あ、悪魔じゃないかっ!」


「その通り! 我は悪魔アミーだ」


 「ようやく分かったか!」という口調で、改めて自分の名を言い放ち、アミーは堂々と胸を張った。


 悪魔アミー……

 遥かいにしえの魔法王ルイ・サレオンが使役した72柱といわれる悪魔のひとりである……

 古文書によれば、『冥界の総裁』を名乗り、36の悪霊軍団を率いるという。


 『欺瞞』『裏切り』『悪意』『誹謗』を司る。

 不幸と災いをもたらすとされ、人々に怖れられた上級悪魔だ。


 マティアスの心に、再び恐怖が湧き上がる。

 こんな悪魔と対峙した自分は、一体、どうなってしまうのかと。


 親友で護衛役のエクトル・ブルダリアスは居ない。

 やはりアミ―の言う通り、ここには来れない!

 自分の身は己で守るしかない!


 さすがに現実を認識したマティアスは、精一杯の虚勢を張り、アミーを威嚇する。


「さ、去れっ! あ、悪魔ぁ! 我が前からぁ! 聖職にある、ブ、ブレヴァル家の私が、汚らわしい人外などと……話せるわけがないっ!」


 マティアスは叫びながら、ブレヴァル家に伝わる、破邪の魔法式を唱えようとした。

 しかし、またもアミーは店中に響き渡る声で高笑いをする。


「ははははははははっ! これはおかしい!」


「な、何がだ! 何がおかしいっ!」


「ブレヴァル家が? 我のような悪魔と話すのが汚らわしいだと? ははははははっ! 悪魔でさえ笑わせるぞ、寝言は寝てから言え」


 悪魔にさえ笑われる?

 誇り高き神聖騎士ローランの子孫たる家柄が?

 思い切り笑われる理由が、全くといって良いほど分からない。


 マティアスはつい恐怖を忘れた。

 アミーへ、問い質す。


「ど、ど、どういう事だ? 理由を言え、悪魔よ!」


 対して、アミーはにやりと笑い、大きく頷いた。


「良いだろう、お前の問いに答えてやる! ブレヴァル家当主、お前の父アンドレは、我ら悪魔に憧れているからだ」


「は? 父上が悪魔に憧れる?」 


 アミーの奇想天外な答えを聞き、マティアスはポカンとしてしまった。

 そして、すぐに首を振る。


「こ、こ、この! 汚らわしい悪魔めっ! う、う、嘘をつくなっ! そんな事あるわけないっ!」


 しかしアミーも、マティアス同様、首を振る。

 それも、嫌らしい笑みを浮かべて。


「ふふふ、嘘ではない。お前達、創世神教会の言い方なら、奴は異端者なのだ」


「え? ち、父上が!? い、い、異端者ぁ?」


 異端者とは……ズバリ正統から外れた者。

 アミーの言い方であれば、創世神教会の教えに反する、許されざる者という意味だ。

 

「ふむ……ズバリ言おう。お前の父アンドレ・ブレヴァルは、かつての我らがあるじへ熱い思いを寄せておる」


「え? わ、我らが主?」


「そうだ! 元天使長、明けの明星にな」 


「も、も、元天使長!? あ、明けの明星って! ま、まさかぁ!」


 アミーの言う、『明けの明星』または『光を掲げる者』とは……

 堕天使ルシフェルの事だ。

 元天使長とはいえ、地に堕ちたルシフェルは……

 怖ろしい悪魔王達の中でも、最も強大な王として知られている。


 悪魔王ルシフェルはかつて創世神へ仕える忠実な使徒であった。

 しかしルシフェルは、とある理由で主である創世神へ上申したが、それは一切受け入れられなかった。


 創世神は使徒の分際で意見したルシフェルに対して『傲慢』のレッテルを張り、処罰しようとした。


 しかしルシフェルは己の考えを信じ、抵抗。

 理不尽な処罰を受け入れられぬとし、自分と意見を共にする他の使徒達と組み、創世神に天界を二分する戦いを挑む。


 だが激戦の末、敗れ……

 冥界の底深い、ジュデッカへ封じられてしまうのだ。


 創世神教会では、ルシフェルを『傲慢』『逆らう者』として、その名を口にするのさえ禁じていた……


 教会が最も忌み嫌うルシフェルを……父アンドレが憧れている!?

 そんな……馬鹿な!!!


 実のところアンドレは……ルシフェルが堕ちた真の意図を知りたい……

 そう思い、密かに研究を続けていた。

 

 ……以前、ルウが見抜いた『隠された事実』を、この悪魔アミーは掴んでいるらしい。


「な、何を! ざ、戯言を! この悪魔めぇ!」


 マティアスの抗議に対し、アミーは動じずに、きっぱりと言い放つ。


「ふふ、戯言ではない、真実だ! お前の父はルシフェル様に憧れている!」


「う、嘘だ!」


「嘘ではない! 我と契約すれば、真実は明らかになるぞ」


「う、うう……」


 父を信じたい!

 しかし創世神に仕える聖職者として……父の行いを確かめなければならない!


 マティアスの心が、大きく揺れ動いている。

 そんな揺らぎに、「すっ」と入り込むよう、アミーは甘く囁く。


「よりによって……異端者が枢機卿とはな……創世神におそれ多いぞ、ふふふ」


「う、ううう……」


「ルシフェル様に憧れる癖に、創世神の真理を騙る偽善者……汚らわしい父を……清廉に生きて来たお前は許せるのか? けして許せないだろう?」


「ううう……」


「真面目に生きて来たお前の方が、絶対に正しい……異端者である父よりもな!」


「う、ううう……」


「枢機卿に相応しいのはマティアス、お前の方だ? 違うか?」


「う、うう……」


「しかしお前には力が、ほんの少しだけ足りない……」


「う、あう……」


「だから、我が力を与えてやろう」


「あ、あう、……」


「我と! 魂の契約を交わせ!」


「うう……」


「さすれば! お前は……我の偉大なる力を得て……憧れる始祖ローランなど、遥かに超える魔法使いとなれる……」


「…………」


「そうなれば、穢れた父を追い落とし、枢機卿になるなど、楽勝なのだぞ、ふふふふふ……」


 アミーの囁く、悪魔の甘い誘惑は……

 必死に抵抗しようとするマティアスの魂へ……

 「じわりじわり」と……入り込んで来たのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます!


東導 号作品、愛読者の皆様へ!

別作品も宜しくお願い致します。


☆『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』


https://ncode.syosetu.com/n4411ea/


謎の死を遂げた青年ケンは、異世界の辺境村へ少年として転生。数奇な運命に翻弄され、苦難の末に幸せをつかんだケンは、愛する家族を守ろうと奮闘する。

『亡国の王女編』連載中です。

※本日1月28日、パート最終話更新しております。

今回のパートも、ご愛読ありがとうございました。


☆『隠れ勇者と押しかけエルフ』


https://ncode.syosetu.com/n2876dv/


怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。

※1月27日更新分で、無事完結致しました。

長らくのご愛読、ありがとうございました。


東導 号の各作品を、ぜひぜひお楽しみ下さい。

応援宜しくお願い致します!

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