第1,083話 「ブレヴァル家の平穏⑤」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は今月1月25日発売予定。
あと、ちょうど1週間です!
既に予約が開始されております。
ぜひぜひ皆様、ご予約をお願い致します。
※予約したよ! というお声を頂いております。
凄く凄く! 嬉しいです、ありがとうございます。
もっともっと予約済みのお声を頂きたいです!
宜しくお願い致します。
※12月29日の活動報告で第5巻のカバーイラストも公開致しました。
※1月6日の活動報告で、メインヒロインのリーリャ王女、
王女の護衛役マリアナのキャラデザインイラストを公開致しました。
※1月11日の活動報告で、第5巻の書影とイラスト2点を公開致しました。
※本日1月18日の活動報告でもイラストを公開する予定です。
そして遂に!
本日1月18日『コミカライズ』がスタート致します。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
毎月連載される予定ですので、皆様!
毎月18日にはぜひ月刊「Gファンタジー」にご注目ください。
本日1月18日発売の月刊「Gファンタジー」2月号にて掲載される連載開始の第1話は、
センターカラーを含めた、信じられない60頁超という大ボリューム!
そして素敵な誌上企画もご用意。
詳細は誌面にて!
書店様等で、ぜひ月刊「Gファンタジー」をお手に取ってくださいませ。
既刊第1巻~4巻も発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
ルウが愛娘ステファニーの体調不良を魔法で、あっさり治した?
自分や父が、ブレヴァル家の奥義を尽くしても治癒出来なかったのに?
そんな馬鹿な!
ありえない!
戸惑い、動揺するマティアスへ、アンドレはきっぱりと言い放つ。
「では、マティアス。現にステファニーを見よ、論より、証拠だ」
「う、ぐ…………」
「そもそもお前自身が、快癒したと申したではないか」
「た、確かに…………」
「今のステファニーは体調不良どころか、以前より一層元気に、はつらつとしておる。魔法を学ぶ気持ちも前向きだ。父親のお前なら良く分かるだろう」
「…………」
「ルウはな、ステファニーの体調不良を快癒させただけではない。真の魔法使いとして生きる道も示してくれたのだ」
「…………」
「不調の身体を治してくれた上、自分の生き甲斐まで教えてくれた男を、多感な年頃の娘が気にしないわけはなかろう……」
「…………」
「元々、儂の調査では、ルウが無欲な男という情報を得ていた」
「…………」
「儂はな、まずステファニーと話し、更にルウと話してみた。それ故改めて分かった」
「…………」
「ルウには、私利私欲など全くないとな」
「父上! な、何故! そんな事が分かるのですか!」
「浅いぞ、マティアス、もっと良く考えろ」
「は?」
「並みの男ならブレヴァル公爵家の地位と金に目がくらみ、ステファニーをたぶらかしている。あの子の気持ちに付け込んだ上で、儂達へ、何らかのアプローチをする筈だ」
「う!」
確かに……父の言う通りだ。
こてまでステファニーの『見合い』をしようとした際、相手はまず『条件』を持ち出して来たからだ。
愛娘と結婚した後の、地位、名誉、金……という露骨過ぎる条件である。
もしルウが邪な気持ちを持っていたら……全く同じ行いをし、言質を取りに来るだろう……
つらつら考えるマティアスへ、アンドレは言う。
「しかし、ルウはステファニーに対し、他の一般生徒と同じく接している」
「…………」
「ステファニーは嘆いていたぞ。ルウがあの子を口説いた事は一切無いそうだ」
「う……」
「底知れぬ治癒魔法を使う天才……そして人間的にも誠実なルウ・ブランデルを、我が創世神教会へ、ぜひ欲しい人材だと儂は思った。当然だろう?」
「むむむう……父上」
ずっと押されっ放しのマティアスは、何とか父へ「反撃したい!」
そう考えたようだ。
どうやら、違う話題へ切り替えるらしい。
「何だ? マティアス」
「そ、そのステファニーが、この家を出て、魔法女子学園の学生寮へ入るなどと言い出しました」
「知っておる」
「…………」
マティアスは……唇を噛み締めた。
やはり……いつもの通りだと。
ステファニーは自分より先に、祖父へ相談していた。
先ほどの体調不良回復の件同様、父である自分は、全く頼りにされていない……
「先日……ステファニーから相談され、儂がOKした」
「…………」
またもマティアスは黙った。
今度は「不愉快!」という意思表示だ。
愛娘の父である自分を差し置き、相談もなく将来を決めるアンドレに対して。
しかし、アンドレはマティアスの態度を無視した。
「お前も……ステファニーから寮へ入る理由を聞いただろう?」
アンドレから言われ、マティアスは唇を更に強く噛み締めた。
彼は改めて思い出す、ステファニーが入寮する理由を……
確か、時間の有効活用、人脈の広がり、自立心を養う等……だった。
「確かに……ステファニーから寮へ入る理由は聞きましたが………それらは全て、ルウとやらのアドバイスではないですか!」
「そうだ! だが、全てに正当性がある。どこに反対する理由があるのだ」
「うう、う……な、ない……です」
アンドレから言われ、マティアスは反論出来ない。
ステファニーが挙げた理由は、確かに筋が通っていた。
更に加えれば、魔法女子学園の学生寮なら、安全面でも問題はない。
対して、マティアスが反対する理由は……
父親としての寂しさのみ……
ただ、それだけなのだから。
「儂が賛成した理由も、お前には分かる筈だ」
「…………」
「ステファニーは、儂にとっては可愛い孫、お前には可愛い娘。手元に置きたい気持ちは良く分かる。だが、魔法使いとして、あの子の成長と将来を考えたら、お前はそろそろ子離れするのが肝要だ」
「うぐ……」
「アニエスの事もそうだ。つい先日までステファニーとアニエスの仲はとても険悪だった。手の施しようがないくらいな」
「…………」
「儂やお前達夫婦がいくら諭しても、アニエスは言う事を聞かなかった」
「…………」
「それが最近はどうだ。アニエスは素直に姉を認め、物言いがとても柔らかくなった」
「…………」
「そのようなアニエスの変貌も、ルウのお陰だ」
「は!? ル、ルウの!?」
「そうだ! 先日……儂がアニエスの付き添いとして、魔法女子学園のオープンキャンパスに出向いた。覚えておろう?」
「は、はい!」
「その際、アニエスは姉に対する態度を含め、ルウに諭され、深く反省したのだ」
再び、マティアスは唇を噛み締めた。
今度は、強い否定の気持ちが湧き上がったのだ。
アニエスは……けして物言いが柔らかくなっていないと。
現に、召喚魔法の件で先日、父である自分と激しい口論をしたばかり……
しかし、アンドレはどんどん一方的に言い放つ。
「アニエスは更に、ブレヴァル家の娘として、立派な自覚が出て、いろいろな事に対して前向きに取り組むようになった」
「…………では、父上! この際はっきりと言わせて頂きます」
「何をだ?」
「父上は最近どうかしております。ルウの事は勿論、ブレヴァル家の大切な家訓を廃止したのもそうです」
「大切な家訓? ああ、我が家は防御魔法のみ徹底して習得せよというくだらない戯言か?」
「た、戯言! ブレヴァル家3代目のオーブリー様がお決めになった伝統ある家訓ですよ」
そう!
ブレヴァル家の家訓とは、偉大なる始祖ローランの才能と功績を称え、
「他の魔法を一切顧みず、『防御魔法』のみ、極めよ!」
と、いうものであった。
「ふ! 儂も漸く決心がついた」
「決心?」
「ああ、多分オーブリー様は曲解されていたのだ」
「は? きょ、曲解!?」
「そうだ! いくら防御と治癒の魔法に天才的な冴えを見せた、初代ローラン様の血を引くブレヴァルの家に生まれようとも、魔法使いの能力は千差万別。それぞれ個性は、すなわち適性は全く違う」
「な、何を仰るのですか! よ、世迷い事を!」
「聞け、マティアス。様々な可能性の扉を自ら閉ざすのは、大変愚かな行為だと言っておる」
「な、父上! ご先祖様に対して、先ほどからそのような暴言を!」
「暴言ではない、厳然たる事実を見据えてそう言っているのだ」
「く、くう!」
「儂もお前も、もしかしたら攻撃魔法に秀でた魔法使いだったやもしれぬ。それがもう閉ざされ、発揮される事はない。とても残念だとは思わぬか?」
「お、思いません!」
「もう良い! 今のお前と話しても時間が無駄のようだ」
「う、ううう……」
「少し頭を冷やせ、下がりなさい」
アンドレは、これ以上話しても、平行線で益なしと判断したのだろう。
片や、マティアスも同じ……
考えや価値観の全く違う父とは、もう話したくなかった。
「し、失礼しますっ」
マティアスは、勢いよく立ち上がると、荒々しく扉を開け、アンドレの書斎から出て行ってしまったのだ。
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