第1,082話 「ブレヴァル家の平穏④」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は今月1月25日発売予定。
あと、10日あまりです。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
※予約したよ! というお声を頂いております。
凄く凄く! 嬉しいです、ありがとうございます。
もっともっと予約済みのお声を頂きたいです!
宜しくお願い致します。
※12月29日の活動報告で第5巻のカバーイラストも公開致しました。
※1月6日の活動報告で、メインヒロインのリーリャ王女、
王女の護衛役マリアナのキャラデザインイラストを公開致しました。
※1月11日の活動報告で、第5巻の書影とイラスト2点を公開致しました。
そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
毎月連載の予定です。
12月18日付けの、小説家になろう様、活動報告に記載しました。
作画ご担当の藤本桜先生が描かれた特別イラストもアップしています。
ぜひご覧下さいませ。
※コミカライズ開始が、遂に今週となりました。
1月18日金曜日発売の「Gファンタジー」2月号より連載が開始されます。
連載開始の第1話、カラーを含めた信じられない大ボリューム頁、
そして素敵な企画も用意しております。
発売日には、ぜひお手に取ってください。
既刊第1巻~4巻も発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
父には……
ステファニーが、ルウへ恋した理由が分かるだと?
そういえば、ステファニーだけではない!
アニエスまでが、ルウを素敵だと言っていた。
いったい何だ?
あの子達の恋の理由とは?
皆目見当がつかん!
そもそも偉大な円卓騎士ローランの血を引く、伝統あるブレヴァル公爵家の娘達が?
何故、卑しい平民如きを好きになるのか?
それも、出自さえ分からないような怪しい男に、どうしたら恋をする状況になるのか?
マティアスは、必死に考えようとした。
父アンドレに告げた通り……
マティアスは騎士団長以下テンプル騎士団を動かし、ルウの身辺調査をして、いくつかの情報を得た。
改めて、これまで調べ上げた事を整理する。
ルウ・ブランデル……
人間族の男、推定20歳前後。
上級レベルの力を持つ魔法使い。
天涯孤独の孤児で、つい最近までアールヴの国イエーラで暮らしていた……
今年の春……
危機に陥ったドゥメール伯爵家令嬢フランシスカを助け、王都へ無事連れ帰った。
フランシスカの母親である、、ヴァレンタイン魔法女子学園理事長アデライドのたつての希望により、臨時教師に就任。
助けた際の行いが義に厚かった事もあり、王都の騎士達には人気がある。
また魔法使いながら、武術にも優れる事が判明。
王国軍の長レオナール・カルパンティエ公爵が直々に王都騎士隊へスカウトしたが、断ったという噂が立っている。
学園では生徒に絶対的な人気がある。
命を助けた事が縁で、フランシスカとは婚約。
更に、きっかけかは不明だが、学園の生徒と数人とも婚約したらしい。
婚約した中には、上級貴族家の令嬢が何人も居るようだ。
先日、ドゥメール伯爵邸の隣に新居を構え、婚約者達と暮らし始める。
正門には、とんでもない犬が番犬として睨みをきかせている。
そして、何と!
事実確認中だが、留学中の隣国ロドニアの王女リーリャとも婚約した!?
ありえない!
王族が平民と婚約!?
しかも外国の!?
このルウという男……
王都に来て日が浅い。
ほんのわずかな間で、どうしてこうなったのか?
最近得た情報で、王都内に、正体不明の逞しい従士を何人も召し抱えている……というものがあった。
冒険者ギルドの上位ランカー、アーモンとマルガリータがルウの従士だと、判明。
接触して情報を得ようとしたが……テンプル騎士が尾行中、煙のように消えてしまった。
そして父アンドレも……
既にルウへ接触していた。
結果、自分以上にルウの情報を持っているらしい。
それどころか、相当惚れ込んでいる?
そして父は、ステファニーとアニエスがルウに恋する理由を知っている?
全くわけが分からない!
考えても考えても、思考が全然働かない!
偉大過ぎる父から語られた衝撃の事実の数々。
ここでマティアスの気持ちは負のスパイラルへ入って行く……
ルウが褒められたから、尚更である。
最近、父からは一方的な叱責を受ける事が多くなった。
「至らない奴だ」と言われ、限りなく膨れ上がる劣等感。
たまたまひとり息子に生まれたからという、形だけの跡継ぎ……
愛娘達のあからさまな反抗。
妻や使用人……周囲の冷たく醒めた目。
父に比べ器が小さいと実感する自分の不甲斐なさ……
マティアスは心が完全に動揺し、混乱状態から抜ける事が出来ない。
そんな息子に、アンドレはまた一喝する。
「マティアス! 愚か者! お前はステファニーの変化に気付かぬのか?」
「わ、私が! ステファニーの変化に? き、き、気付かない? な、な、何が変わったのですか!」
「馬鹿め、マティアス! お前の目は節穴か?」
「ぐ、くう……」
「ステファニーがルウを好きになった理由は、あの子の体調不良が治った事がきっかけだぞ」
「え? ……ス、ステファニーの具合が? ま、まあ……急に良くなったとは思っていましたが……」
「お前は、あの子から……何も事情を聞いていないのか? 父親として」
「は、はい……聞いておりません」
「仕方がない奴だ。良く思い出せ、マティアス」
「う、うう……」
「ステファニーの酷かった体調不良を。儂とお前が何とかしようと、持てる魔法の奥義を尽くし、手当てをしたが……全てが無駄であっただろう?」
父からそこまで言われ、マティアスは、ようやく話が見えて来た。
ずっと体調不良で、身体が重く、不機嫌そうにしていた愛娘が……
ある日を境に、晴れやかな、とびきりの笑顔を見せるようになったのだと。
「そ、そ、そうでしたっ! げ、原因が分からず、とても難儀しておりました! 防御、治癒魔法の名門ブレヴァル家の名がすたるほどに!」
「それが今やどうだ? ステファニーの体調不良は?」
父に問い質され、息子は必死に記憶を手繰った。
「お、仰る通り! ち、父上! 今のステファニーは! か、か、完全に快復しております……ですが、一体どうしてなのか、あの子に聞いても絶対に教えてくれず、不可思議でした……」
「むう! ここまで言っても、まだピンと来ぬか、マティアス」
「は?」
「儂とお前が難儀した、ステファニーの体調不良を、ルウは魔法であっさりと治したのだ」
「まさか! ル、ルウが!? あ、あ、あっさりと治したぁ!? ま、魔法で? ば、馬鹿なぁ! し、信じられ~~んっ!!!」
防御魔法と治癒魔法を得手とするブレヴァル家の力を持ってしても、治す事が出来なかった愛娘の病状……
それをルウがあっさり魔法で治したと聞き、思わずマティアスは大声で叫んでしまったのである。
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