第1,081話 「ブレヴァル家の平穏③」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は今月1月25日発売予定となりました。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
※予約したよ! というお声を頂いております。
凄く凄く! 嬉しいです、ありがとうございます。
これから予約される方々も宜しくお願い致します。
※12月29日の活動報告で第5巻のカバーイラストも公開致しました。
※1月6日の活動報告で、メインヒロインのリーリャ王女、
王女の護衛役マリアナのキャラデザインイラストを公開致しました。
※本日1月11日午後も、担当編集様よりOKを頂いたイラスト等を、活動報告にて公開致しますので、乞うご期待!
そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
※遂にあと1週間と迫りました。
今月1月18日発売2月号より連載が開始されます。
12月18日付けの、小説家になろう様、活動報告に記載しました。
作画ご担当の藤本桜先生が描かれた特別イラストもアップしています。
ぜひご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
ヴァレンタイン王国王都セントヘレナ、貴族街区の一画にあるブレヴァル公爵家。
王国開祖バートクリード・ヴァレンタインに付き従った円卓騎士のひとり、ローラン・ブレヴァルの流れを組む名門で、創世神教会の重鎮、枢機卿アンドレ・ブレヴァルが現当主を務める。
屋敷は、貴族街区の中でも有数の広大な邸宅だ。
また、ここには当主アンドレのみでなく、彼のひとり息子マティアス夫婦とその娘ふたりも同居していた。
ここでいうマティアスの娘ふたりというのは……
言わずと知れた、魔法女子学園2年B組生徒ステファニーと、来年の入学希望者妹アニエスである。
ルウが、モーラルから報告を受けた翌日の夜……
夕食後、マティアスは父アンドレへ、とても大事な相談があると申し入れていた。
ふたりは今、アンドレの書斎で、ソファに座り対峙している。
表情は対照的で、アンドレはにこやかに、片やマティアスは苦悩に満ち、眉間にしわを寄せていた。
大きなため息をつき、最初に口を開いたのは……
やはり相談を持ち掛けたマティアスである。
「父上、ステファニーとアニエスには困ったものです」
「困った? あのふたりに、何かあったのか?」
訝し気に尋ねる父に対し、マティアスは「呆れた!」というように吐き捨てる。
「最近、好きだの何だの言って、……変に色気づきまして」
「ほう、ステファニー達も、遂に恋する乙女になった……と、いうわけだな」
「いやいや父上、何をのんきに仰います! 恋など、まだ幼いあの子達には全然早い!」
「ふむ、まだ幼い? 果たしてそうかな?」
「はい! あの子達は、まだまだ子供です!」
「ふふふ……」
「笑い事ではありません、父上! それもよりによって! ふたりとも、得体の知れない平民の教師が素敵などと抜かしました」
「得体の知れない平民の教師? おお、やはりルウ・ブランデルの事か?」
アンドレは息子から「色気づいた」と聞き、ピンと来て、
「平民の教師」と続けて聞き、確信した。
一方、父のリアクションを見て聞いて、「凄く意外だ!」という表情のマティアス。
「そ、そ、そうですが! やはりとは! も、もしや父上は、ルウとやらをご存知でしたか?」
「ああ、一回会ってじっくり話した。彼は……良い青年だよ」
良い青年?
父は何を言い出すのか?
マティアスは憤りを込め、一気に捲し立てる。
「良い青年? 父上はどういう根拠で、そのような事を仰っているのです。人間族なのは間違いなさそうですが、出身地はどこなのか不明、これまでの経歴もはっきりしない……噂ではアールヴに10年ほど育てられたなど」
「うむ、らしいな」
アンドレは相変わらず、平静である。
孫娘が、平民などに恋をしているのに、全く問題視しようとしない。
そんな態度が、マティアスの燃え盛る怒りの炎に、まるで油を注ぐような事となった。
「何をっ! らしいな、などとっ! 父上は! まさか!」
「まさか? 何だ?」
「もしやルウの事を、詳しく知っておられるのですか?」
アンドレに食い下がるマティアスに対し、衝撃的な事実が明かされた。
「ああ、ルウの事は良く知っておる」
「ルウを良く知っている? 父上が! な!? 何故!」
「うむ! 儂は彼の才能を見込み、一時は創世神教会に入れようとしたからな」
「な! ルウを教会へ? ば、馬鹿な!」
マティアスはもう絶句するしかない。
どこの馬の骨とも知らない男を、枢機卿が推挙して教会へ入れる……
目の前の父は、おかしくなったとも思ってしまう。
しかしアンドレは極めて冷静である。
「何を言う、マティアス。馬鹿ではない。実際に話したし、会う前には儂なりにいろいろと裏からルウを調査した」
「ちょ、調査?」
「そうだ! 念入りに調べたぞ。結果、彼の類まれな才能と、とてつもない人脈を見込んだのだ。我が教会にはぜひ必要な人材だと」
「…………」
「マティアス、聞け。儂はその件でフィリップ様、ドゥメール伯爵とも会って、条件を提示した。魔法女子学園から、臨時教師であるルウの引き抜きを頼んだのだ。事前の根回しとしてな」
「ひ、引き抜き!? 根回し? 条件提示? そ、そんな! 父上がルウをそこまで見込む!? あ、ありえないっ!」
「お前が何と言おうと、信じまいと、事実だ……まあ、ふたりからは、あっさり断られたが」
「あ、あの! フィ、フィリップ様までがルウを見込んで! あ、ぐぐ……な、何故! そんな奴が……」
「ふむ……その様子だと……お前もルウの事を調べたな? どうせエクトルへ頼んだのだろう?」
「…………」
アンドレの質問に対し、マティアスは沈黙した。
確かにマティアスは、幼馴染で仲の良いテンプル騎士団団長エクトル・ブルダリアスへルウの調査を命じた。
沈黙が『肯定の証』だと、アンドレにはすぐ分かるが……
「マティアス! お前も調べたならば、ルウが様々な貴族家の娘を妻にしているくらいは知っておろう……例えば、ドゥメール伯爵の令嬢フランシスカ殿は、ルウに助けられた事がきっかけだと聞いた……」
「は、はい! ぞ、ぞ、存じております」
「ふふふ、ウチのステファニーだって例外ではない。ルウを好きになるのも分かる」
「は? はい~っ???」
愛娘ステファニーがルウを好きになる事を、この父が理解出来る?
吃驚しっ放しのマティアスは、完全に呆れ、口をあんぐりと開けてしまったのである。
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