第1,079話 「ブレヴァル家の平穏①」
今話から、新パートです。
宜しくお願い致します。
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は今月1月25日発売予定となりました。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
※予約したよ! というお声を頂いております。
凄く凄く! 嬉しいです、ありがとうございます。
これから予約される方々も宜しくお願い致します。
※12月29日の活動報告で第5巻のカバーイラストも公開致しました。
そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
今月1月18日発売2月号より連載が開始されます。
12月18日付けの、小説家になろう様、活動報告に記載しました。
作画ご担当の藤本桜先生が描かれた特別イラストもアップしています。
ぜひご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
ルウの従えた悪魔は王都にて数多働いている……
有事の際、全員がいざとなれば、ルウと家族を守護する存在となるのは勿論だが……
普段は人間として暮らしている者達である……
モーラルと共同で魔道具店『記憶』を経営するバルバトスに、店の手伝いをするヴィネとフォラス。
鋼商会の相談役として大活躍するシメイスとアスモデウス。
変幻自在の名役者として、その地位を確立しつつあるオセ。
そして、冒険者ギルドに所属するふたり。
ふたりの魔狼・アーモンことアモンと、マルガリータことマルコシアス。
当然ながら、人間の戦士に擬態したふたりは……
今日も、冒険者ギルドからの依頼を完遂し、居酒屋英雄亭で祝杯をあげていた。
最近ふたりは、この英雄亭が大のお気に入りだ。
何故ならば……
とても騒がしいながら、何となく落ち着くから。
英雄亭の客は元々、金剛鬼と称えられた豪傑、店主のダレンを慕う冒険者が多い。
あっという間に名が知れ渡り、今や上位ランカーのアモン達にも次々と声がかかる。
それでいて、絡まれたりせず、必要以上に干渉はされないのも良かった。
居酒屋であるから、肝心の飲食はというと、これもバッチリ。
豪快な味わいの冒険者料理に舌鼓を打ち、気持ち良く酔えるコスパの良い酒がズラリと揃っていた。
また、アモンとマルコシアスは、冒険者の気ままな暮らしも好きになって来ている。
ルウに仕える歓びは勿論、冒険者ギルドの依頼を受け、人々に喜ばれる事が楽しみとなっているから。
ちなみに、ふたりが主にこなす依頼は、様々な魔物討伐である。
但し、この世界でアモン達に匹敵する実力を持つ相手は滅多に居ない。
アモンとマルコシアスにとって、巷に居るゴブリン、オークなど雑魚。
指先ひとつで、1,000匹の群れなど瞬殺だ。
凶暴なオーガや火を吐く竜でさえも、悪魔の中で屈指の実力を持つふたりには、倒す事など造作もない。
人間に擬態したままで、本気を出さずとも、全く問題はなかった。
ふたりに対抗出来るといえば、ルウだが、逆に別格過ぎる。
また同じ悪魔なら本当に限られ、魔王に近いレベルでないと、まともには戦えない。
そして……
不思議な事に、『天敵』ともいえる創世神の使徒達が、ルウの悪魔従士に限っては何も干渉して来ない。
それだけは、大変不思議ではあった。
だが……
悪魔の思考は人間とは大きく異なっており、思い悩んだりはしない。
明日も……
アモンとマルコシアスは魔物討伐の依頼を受けていた。
現場はマルコシアスの受注案件で、ロドニア方面の街道……
つまり楓村付近の魔物討伐だ。
マルコシアスはこの地域の魔物討伐を定期的に行っていた。
先日の魔法武道部の一件で、マルコシアスは、ルウの先輩教師シンディ・ライアンと引き合わせて貰った。
そんなルウの判断は「ばっちり」だった。
相手が人間なのに、マルコシアスとシンディは意気投合した。
最早、親友に近い間柄。
だから、楓村付近の魔物討伐依頼をマルコシアスが受けるのは、友情の証と言って過言ではないのだ。
しかし……
アモンとマルコシアスのふたりにとって、今日の英雄亭での食事は落ち着いて摂れるものではなかった。
ちらちらと視線を感じるのだ。
放つ魔力波で相手の正体を見破ったが……
幸い、相手に殺意はない。
単に見られているだけなので、すぐ害になる事はなさそうだ。
アモンとマルコシアスは、明日も依頼を受けており朝が早い。
なので、食事をそこそこにして、ふたりは英雄亭を出た。
そのまま、異界へ戻っても良かったが……
あまりにも月明かりが素敵なので、ふたりは連れ立って歩く事にした。
一見、逞しい戦士のカップルという趣き。
だが、ふたりには恋愛感情などない。
さてさて!
元・月の女神グレモリーの従者であるマルコシアスは、このようにロマンチックな夜が好きだ。
だから全く違和感はない。
だが見るからにして偉丈夫ともいえるアモンが……
月夜が好きなどと、違和感があるかもしれない。
実をいえば、アモンは卓越したセンスを誇る詩人だ。
かつて古の王に素晴らしい詩を披露したくらい、稀有な才能を持っている。
そんなアモンであったが、不機嫌そうに顔をしかめた。
念話で、マルコシアスへ話し掛ける。
お互いの素性を知ってはいるが、何故か念話でも偽名にちなんだ愛称なのが可笑しい。
『おい、マルガ……気付いているか?』
対して、マルコシアスも「打てば響け!」と同意する。
『ええ、アーモン。私達……ずっとつけられている』
『ふん! 本当に無粋な奴らだ。あの美しい月を見て、折角良い詩が浮かんだものを』
鼻を鳴らしたアモンは、吐き捨てるように残念がった。
つけて来るのは……
先ほど、英雄亭に居た連中らしい。
あちらは壮年の男ふたり連れ……
アモンほどではないが、身体が異様に逞しい。
一見、一般市民のような服装だ。
片や、マルコシアスは再び月を眺め、珍しくアモンを持ち上げる。
『うふふ、あの綺麗な月を詠うの? ……貴方の詩なら……私はぜひ聞きたかった』
褒めたマルコシアスに対し、やはりアモンは素っ気ない。
礼さえも言わない。
『マルガ、それより……つけて来る奴らへの対応だ』
『ん!』
『ふむ……ルウ様は、正当な理由や相手からの害意があった場合を除き、俺達の一般人への干渉を禁じている。面倒だ、さっさと退散しよう』
『了解! ほんと残念……こんなに月明かりが綺麗な夜なのに……ね』
『よし! この場ですぐ消えるわけにはいかぬから、次の角を曲がったところで転移魔法を使う……また明日の朝ギルドで落ち合おう』
『ええ明日またね……このような場合は、確かモーラル奥様へ報告する事になっているから、念話で私から報告しておく』
本職の教師だけでなく、相変わらずルウはとんでもなく多忙だ。
そんなルウを見かね、モーラルは悪魔従士からの報告を受ける役を買って出たのだ。
『ああ、頼む』
アモンとマルコシアスは、足を速めた。
鋭く、角を曲がった。
同時にふたつの影も足を速め、ふたりの悪魔を急ぎ足で追った。
しかし!
ふたりの尾行者が追い付き、先の路地を見通すと、そこにはもう誰も見当たらなかったのである。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
別作品も宜しくお願い致します。
☆『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』
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※次回第17話は1月6日更新予定です。
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※次回第174話は1月6日更新予定です。
東導 号の各作品を、ぜひぜひお楽しみ下さい。
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