第1,077話 「息抜き㉓」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は来月1月25日発売予定となりました。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
※予約したよ! というお声を頂いております。
凄く凄く! 嬉しいです、ありがとうございます。
これから予約される方々も宜しくお願い致します。
※12月29日の活動報告で第5巻のカバーイラストも公開致しました。
そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて、
来月1月18日発売2月号より連載が開始されます。
12月18日付けの、小説家になろう様、活動報告に記載しました。
作画ご担当の藤本桜先生が描かれた特別イラストもアップしています。
ぜひご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
誰が見ても……
逞しく勇猛果敢な騎士の典型ともいえる男、ジェローム・カルパンティエは……
本当は騎士になりたくなかった……
実は……
幼い頃からの夢である菓子職人への道を諦めきれず……
騎士の職務に差し障らないよう、休日を使い、王都の菓子店で6年も修業をしていた。
衝撃的なカミングアウトを聞き、誰もが彼へ言葉を掛けられず黙っていた。
そんなジェロームへ……
ジョルジュは、自分の経歴に重ね合わせ、大いに共感すると同時に不思議でもあった。
何故、今日このタイミングで『この話』をするのかと。
そんなジョルジュの疑問を見透かすように、ジェロームは告白する理由を話し始める。
「ルウから……今回行われる男子会の趣旨を聞き……俺は参加を楽しみにするのと同時に、自分の人生の行く末をどうしようかと、ずっと考えていた……」
「…………」
「皆さんは、何故俺が今、この場でこんな話をするのか、わけが分からないだろう……まあ無理もない」
「…………」
「だが……理由は簡単だ。今回の男子会に参加する皆さんの生き様、決意、そして今後の人生への目標をルウから聞いたからだ」
「…………」
「皆さんが自分の人生に対し、前向きに真剣に取り組む様を聞き、俺だって! と握った拳に力が入った。絶対に負けたくないと思った! とても刺激に、そして大きな励みにもなったから」
「…………」
「俺は……有言実行が好きだ。だから今回の男子会で、皆さんに俺の決意を聞いて貰い、絶対に果たす誓いを立てると決めた」
「…………」
「たった一度しかない人生だ……やはり……菓子職人への道を諦められないと思った。やりたい事をやらずに死ねるかよ! とね」
「…………」
「でも俺の悩みを解消し……上手くやれる良い考えが、手立てが……思案しても浮かばない。困った俺はルウと相談した……夢を伝えたのはルウで3人目だ……」
「…………」
「いい年をして、ひとりで道を決められない、情けない俺に対し、ルウは親身に相談に乗ってくれた」
「…………」
「ルウは言った。隠さず本音を吐き出せと」
「…………」
「だから俺は言った。菓子職人になる事は、子供の頃からずっと持っていた夢だ。しかし! 夢に向かって踏み出せなかったのは……悩んだのは……罪悪感があったからだと」
「…………」
「何故なら、俺は騎士になれる強気な性格と頑健な身体、まずまずの運動能力を親から与えて貰った。カルパンティエ家という凄く恵まれた環境も……」
「…………」
「世の中には、いろいろな理由から騎士になりたくともなれない者だって居るだろうに……」
「…………」
「天から与えられたやもしれぬ騎士の職務を……難儀する人々を助け、王国に大きな貢献が出来る役割を……無責任にぽいっと放り出して良いのか? ずっと悩んでいた俺に対し、ルウは良いアドバイスをしてくれた」
「…………」
「そのアドバイスとは……良き後進を育てよというものだった」
「…………」
「俺が引退するまでに、胸を張って推せる素晴らしい後輩を育てよ、とな」
「…………」
「今迄俺は……自分の事だけに精一杯で、後輩の教育係となる事はあまり考えていなかった」
「…………」
「だが、ルウの話を聞き……良き師となる事で、俺などを遥かに超える立派な騎士を育てる事が、とても素晴らしいと思えて来たんだ」
「…………」
「実は俺、もう少ししたら、結婚する……こんな俺には勿体ないくらいの素敵な女の子さ……」
「…………」
「婚約者の彼女にも、ルウの前に話をし、既に賛同して貰っている……夢を伝えたのは彼女がふたりめ……大の菓子好きで、俺の作った菓子も大好物だ」
「…………」
「結婚して、俺と彼女の間に子供が生まれ、その子がもし騎士になりたいと言えば、しっかり指導するつもりだ。しかし我が子が騎士を望まぬ場合、けして強制はしない」
「…………」
「結果、カルパンティエ家が騎士たる家ではなくなっても……仕方がない」
「…………」
「無理やり騎士にさせるのは、俺までで充分だからな」
そう言うと、ジェロームは軽く息を吐き、少し遠い目をした。
「…………」
「自分の子、だけではなく……もし騎士隊の若手に意欲のある者が居れば、俺の持つ技術を全て伝え、後を託したいとも考えている」
「…………」
「そう決めたらすっきりした! 円卓の騎士の子孫、カルパンティエ家に生まれた責務を俺なりに果たせると納得した」
「…………」
「騎士を引退した後の時間を……俺は夢を実現させる為に使う。そして自分の人生を全うする。俺が生きた証を……世界最高の菓子という形で残したい」
「…………」
「更にルウは、もうひとつ提案をしてくれた」
「…………」
「そしてある試みをしようという事となった」
「…………」
「その試みは大きな賭けだったが……見事に成功した! 俺は今、無上の喜びと菓子の持つ偉大さ、無限の可能性を実感している」
「…………」
「遠回しな言い方をして申し訳ない! つい嬉しくてな!」
「…………」
「実は……先ほどピクシー達が食べた焼き菓子は……俺が作ったんだ。小さく作るのは結構大変ではあったがね」
ピクシー達が美味しそうに食べていた菓子を?
作ったのが、ジェローム? と……
ジェロームの話を聞き、この場の『ほぼ全員』が驚いた。
ルウだけは、ただ「にこにこ」していた。
そんな反応が楽しいのも加わっているのか……
告白したジェロームは満面の笑みだ。
「ルウから指示された。俺の心の声で呼びかけ、ピクシー達へ菓子の評価を聞いてみろって」
「…………」
「彼等は俺の心へ、即座に大きな声と喜びで答えてくれた! お前の作った菓子はとても美味い! ぜひまた食べたいって!」
「…………」
「今迄、俺の菓子を食べてくれた者は皆、美味いと言ってくれた。だけど俺が……カルパンティエ家の跡取り息子だから、つまらない世辞じゃないかとも疑っていたんだ」
「…………」
「でも! ルウから言われた。ピクシーは、絶対に嘘をつけない種族だと」
「…………」
「改めて礼を言おう! ありがとう、ルウ! この男子会を企画し、俺の相談に乗ってくれて!」
ジェロームはルウを見据え、きっぱりと言い切った。
ついジョルジュもルウを見ると……
いつも自分に見せるのと同じく、ルウは穏やかに優しく微笑んでいた。
ジェロームは感極まったのか、握った拳を思い切り突き上げる。
「俺は妖精をも感嘆させる菓子を作り、大きな自信を持った! 一人前の菓子職人としてやっていけると確信出来た! これで絶対に夢を諦めないと、はっきりと父へ言える! ルウだけじゃなく皆さんのお陰でもある! これからも共に助け合い頑張ろう!」
ジェロームの言葉を聞いたジョルジュは、心と身体がとても熱くなった。
何故ならばジェロームは、決意と実行を述べ、自身に厳しく課すと同時に……
未知の世界へ歩き出すジョルジュ達へも、力強いエールを送ってくれたからである。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
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