第1,075話 「息抜き㉑」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は来月1月25日発売予定となりました。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌月刊「Gファンタジー」にて連載が開始されます。
詳細は12月18日付けの活動報告に記載しました。
作画ご担当の藤本桜先生が描かれた特別イラストもアップしています。
ぜひご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
やがて部屋が完全に明るくなり……
ジョルジュは改めてピクシー達の顔を良く見る事が出来た。
男も女も……
10人全員が満ち足りた表情をしている。
多分、「納得の行く演技が出来た!」そんな気持ちなのだろう。
晴れやかな表情をしたまま……
やがてピクシー達は、テーブル上から忽然と消えた。
しかしジョルジュには……
「俺達も満足の行く人生を送ろう!」という、
兄ルウからのメッセージが送られて来たように感じた……
「その通りだ!」
と、ジョルジュもすかさず心の中で同意する。
何故ならば、たった一度しかない人生だから。
創世神から与えられた限られた時間を過ごす中で、様々な者との出会いと別れを繰り返し……
信頼と愛の固い絆を結べた者達と、未知の扉をいくつも開き、自分の道を歩いて行く。
そして世を去る時には、望んだ全てをやり遂げる事が不可能なのは間違いないが……
せめて笑顔で旅立てる人生を、と思う……
その場の皆も同じ気持ちだったのだろう。
英雄亭の部屋に鳴り響く拍手は、ピクシー達が消えてからも、暫く止む事はなかった。
だが、きりがないと見たのか、ルウが手を挙げた。
「皆さん、デザート&ティータイムにしましょう。ダレンさん特選の紅茶と、特別にお願いして作って貰った、金糸雀の焼き菓子をたっぷり用意してあります」
「おう! ルウ! たっぷり食うぞ!」
いきなり、大きな声を出したのはジェローム・カルパンティエである。
満面の笑みを浮かべるジェロームを見て……
ジョルジュは思わず笑いそうになり、慌てて口を手で押さえる。
ルウから聞いた事は本当だった。
武家の名門カルパンティエ公爵家の御曹司ジェローム。
豪放磊落な騎士である彼は……無類の甘党だと。
特に金糸雀の焼き菓子には目がないとも。
ルウは次に、ダレンとニーナへ笑顔を向ける。
「ダレンさんも、ニーナ達も良かったら一緒に食べないか?」
「わぁお! ニーナ感激! 良いよね? ダレン爺!」
「「「「お願いしますっ!」」」」
ニーナ達、給仕担当美少女軍団の訴えるような大声。
苦笑し、ダレンは黙って頷いた。
OKという事である。
「やったぁ! じゃあ、早速支度しますね」
ご相伴に預かれると知り、喜んだニーナがガッツポーズをした瞬間。
またも!
「俺も手伝うぞ!」
何と!
ジェロームが「がばっ!」と腕まくりして、給仕の手伝いを申し出たのである。
男子会の参加者の中で、ケヴィンの次に年上、更に家格も上のジェロームが手伝うとあって、全員が自分もと動きかけたが……
しかし、ジェロームは手を左右にひらひら振り、協力は無用だと示す。
「いや! ここは俺だけに任せてくれ」
そう言うとジェロームは、ダレンやニーナ達と共に、さっさと厨房へと入っていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ジェロームは意外にも手際良く、ダレンやニーナ達を手伝い、用意はすぐ終わった。
最低限のマナーさえあれば、様式や儀礼など一切なしというルールが、事前にルウからは告げられていた。
それ故、全員がゆったりリラックスして……笑顔で……
思い思いに香りの良い紅茶と、奥深い味わいの焼き菓子を楽しんでいた。
けして派手ではないが、心が落ち着き、安らぐ……ティータイムである。
ジョルジュは再び、男子会参加者達と話して行く。
この数時間の間に、ジョナサンと同じくらい、全員が近しくなった気がする。
今迄は兄ルウと親友ジョナサンだけが信じられると思っていたのに……
今や、この場の全員と強い絆を結んだ……
そう思えるのだ。
会が始まる前に、あんなに緊張し、懸念していた事が嘘のようだ。
そして、ジョルジュの脳裏にはリベルトの言葉が何回もリフレインする。
「こう言うのは凄く畏れ多いですが……ジョルジュ様、ジョナサン様、俺達はもう同志でさぁ!」
「何かあったら、お互いに助け合って行きましょう! 色々な出会いをして来た俺には分かります。おふたりとは俺と同じ気持ちを、強い絆を感じます。これからずっと長きに亘る人生の大事な仲間になるってね」
リベルトの強面ながら、人懐こい笑顔と共に何度も何度も……
と、その時。
「やっぱり言う! 決めたぞ! 申し訳ない! 皆さん、少し時間を頂きたいっ!」
いきなり大声を出したのは……
先ほどまで厨房で、立ち働いたジェロームである。
まるで陶酔したように……
黙って紅茶を飲みながら、金糸雀の焼き菓子を味わっていたのに。
「は、話したい事があるっ! この場の皆さんに……」
この場に居る全員の視線が、一斉にジェロームへと注がれた。
「個人的な事で申し訳ないが……俺の決意を聞いて欲しい。将来の事なんだ」
決意?
将来?
一体、何だろう?
ジェロームは嫡男。
ヴァレンタイン王国軍を統括する、名門カルパンティエ公爵家の跡を継ぐ。
そう……決まっている筈だ。
「何を言うつもりだ?」と、
ジェロームを凝視するジョルジュであったが……
ふと兄ルウを見やれば……
何と!
ルウは穏やかに笑っていた。
小さく頷いてもいる。
ジョルジュが改めて見渡しても、他の者は吃驚した顔をしているのに。
大きく息を吐いたジョルジュは、これから話し始めようとするジェロームに、改めて注目したのであった。
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