第1,073話 「息抜き⑲」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日は来月1月25日発売予定となりました。
既に予約が開始されております。
ぜひ皆様、予約をお願い致します。
◎そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
宜しければ、11月12日付けの活動報告をご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の第6巻以降の『続刊』につながります。
ぜひ後押しして下さい。
何卒宜しくお願い致します。
すっかりフェルナンと打ち解けたジョルジュは……
続いて、ジェロームとも気安く話す事が出来た。
幸いジョルジュとジェロームには共通の『話題』があった。
ルウの事を話すのは勿論だが……
意外にも、ジェロームの妹ジゼルがふたりの話題となったのである。
何故ならルウの妻達の中において……
実姉フラン以外で、特にジョルジュを可愛がってくれているのはジゼルであったのだ。
たまに会えば、何かにつけて気にかけてくれる。
的確なアドバイスも多い。
そして服装の乱れや言葉遣いには、特に厳しい注意が飛ぶ。
だが……言い方こそ「びしびし」と辛らつだが、ジゼルの言葉には温かい思い遣りがこもっていた。
つまり叱咤激励だ。
それ故、注意されても、ジョルジュは「はい!」と素直に受け入れられる。
ジゼルから見たジョルジュは、少し頼りない『弟』として、凄く可愛く思えるらしい。
「はは、ジゼル姉には、いつも鍛えられていますよ」
少し苦笑して、答えたジョルジュであったが……
彼も、ひとつ上の『姉』が好きである。
言ったら、絶対に「殺される」から言わないが……
男勝りなジゼルは、姉というより『姉御』と呼ぶのがぴったりなのだ。
それに年が極めて近いせいか、フランに言えない事も、ジゼルには相談しやすい部分もある。
そんな本音を「ちら」と話したら、ジェロームはとても嬉しかったらしく相好を崩した。
「そうか! あいつがジョルジュ君からは、姉と呼ばれるのかぁ……俺にとっては……いつまでも可愛い妹なんだけど……」
少し遠い目をしながら、ジェロームは子供の頃のジゼルとの思い出を話してくれた。
父レオナールから反対された剣の教授を……
幼いジゼルへ行ったのは、今は亡き祖父とジェロームのふたりだったという。
ジョルジュは思わず、幼いジゼルを思い浮かべた。
魔法女子学園で、ジゼルの渾名は『麗人』……だと他の妻数人から聞いた……
そんな面影は、幼い頃からあったのだとも考える……
と、その時。
「お~~い、諸君! 聞いてくれ!」
大きな声でジョルジュ達が呼ばれた。
呼んだのは、ケヴィン・ドゥメールである。
ジョルジュが見やれば、ルウとケヴィンが並び立っていた……
ケヴィンは大きく手を挙げ、満面の笑みを浮かべている。
どうやら、ルウとの考古学談義を充分満喫したらしく、「お腹いっぱい!」という雰囲気を醸し出していた。
「ルウ君が、これから用意した秘密のイベントを披露してくれるそうだ、注目! 注目ぅ!」
ジョルジュがふと見やれば……会場にはいつの間にか……
店主のダレンやニーナ達も揃っていた。
全員で……これから始まるシークレットイベントを見ようという趣旨らしい。
「皆さん! ケヴィン兄の言う通り、これから俺が用意したイベントを行います」
ルウの物言いを聞き、ジョルジュはつい「くすっ」と笑った。
先ほどまでルウは、ケヴィンを尊称でと呼んでいた筈なのに。
多分、徹底して兄と呼ぶよう、ケヴィンから『修正』を強要されたのだろうと。
「但し、本当に内緒の、この場だけのシークレットイベントです。ズバリ言いますと、俺がこの部屋へピクシーを呼びます」
ルウの話を聞き、ルウ以外の全員から、ため息が漏れた。
ピクシーとは……人型をした妖精の一族で、体躯は極めて小柄だ。
妖精の中でも最も小さい部類に入り、身長は15㎝から20㎝あまりしかない。
姿は普段透明で、人間には見えず、魔法使いでもなかなか存在を認識出来ない。
性格は悪戯好きで、基本は人懐っこい。
だが、一旦敵意を持つと容赦なく相手を懲らしめるらしい。
また、召喚魔法に長けた者でも、そう簡単に呼べる存在ではない。
そんなピクシーを、ルウはこれからここへ呼ぶというのだ。
「ピクシーが現れても、皆さん静粛に……絶対に大声を出さないようにお願いします。但しイベントが終わったら……ピクシー達へ盛大な拍手をしてやって下さいね」
ルウは、イベント開始を告げた上、とんでもない事も言う。
柔らかな口調のまま、さりげなく。
「良いですか? 家族といえど、口外したら、皆さんの記憶がその部分だけ即座に失くなりますから、そのつもりでお願いします」
ルウはそう言うと、パチンと指を鳴らした。
すると!
驚いた事に、部屋の中央にあるテーブルの上に載せられていた料理が全て消え失せる。
それだけでも……
同じ魔法使いのジョルジュは戦慄する。
無詠唱で神速で発動。
相変わらず『兄』の魔法は桁違いだと。
特別な気配が生じている……
また何かが起こる!
全員が固唾をのんで見守る中、ルウがまた指を鳴らした。
今度は、何と!
長さ3mほどのテーブルいっぱいに、小さなミニチュアの舞台が出現した。
使い込まれた感のある木目が美しい……
周囲に木々を配した、森の中を模したらしい木製の舞台である。
舞台が出現すると同時に、少しずつ魔導灯が暗くなって行く……
やがて、部屋の中はほの暗いといえる照度となる。
突如!
今迄どこからともなく流れていた、『魔法の楽隊』の調べが変わった。
これまでは心身がリラックスするような落ち着いたものが、リズミカルで心が躍るような曲調へと変わったのだ。
そして、またルウがパチンと指を鳴らすと……
舞台の上に、何者かが現れた。
それもひとりではない、結構な数が。
暗くて、正体がはっきりしないが……
その薄暗い部屋へパッと光が射しこんだ。
まるで、朝の太陽のように。
光は木製の舞台だけを照らしている……
舞台が明るくなると……現れた者の正体が判明した。
それは、薄絹らしき衣裳をまとった極めて小柄な人型であった。
ルウの告げた通り、ピクシーである。
人数は10人。
伝承通り、ピクシーは人間をそのまま小さくしたような容姿であり、身長は皆、20㎝前後しかない。
やがて……
朝の光を浴びた趣きのピクシーは美しい透き通るような声で、曲調に合わせて歌い出したのであった。
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