第1,067話 「息抜き⑬」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日等、詳細は未定です。
◎そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
宜しければ、11月12日付けの活動報告をご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『続刊』につながります。
何卒宜しくお願い致します。
アドバイスを貰った礼を告げたジョルジュ。
だが、ケヴィンは更に言う。
「それにジョルジュ」
「は、はい!」
「お前は魔法男子学園を卒業したら、すぐ働く事を考えているそうだな?」
「ええ、早く一人前になりたいですから。いろいろな意味で」
「そうか! その考えは素晴らしい。だが、大学進学も視野に入れる事を考えてみてくれ」
「え? 大学って、魔法大学ですか?」
「ああ、そうだ! 良いか? 大学とは単に新たな知識を学んだり、既存の知識を深化させたりするだけの場所じゃない」
「というと? どういう事ですか?」
「我がヴァレンタイン魔法大学には、国内外から様々な人間が集まって来る。他種族だって居る。今回の男子会のようにお前の交友関係を開拓し、視野を大きく広げる良いチャンスさ」
「な、成る程!」
「論より証拠! 俺も大学に進んでから、たくさんの友を得た。自分でも予想もつかないようなね。それに働きながら大学へ通う事だって出来る」
確かに!
ケヴィンの言う事は納得出来る。
今回、ダレンを始め、普通なら知り合えない者と、交流を深める事が出来た。
大学へ行ったら、同じ事が起こるかもしれない……
「はい! 貴重なアドバイス、ありがとうございます。進学を考えながら、ぜひ、お宅にも伺います」
ジョルジュの期待に満ちた気持ちを読んだのか、ケヴィンは悪戯っぽく笑う。
「ふふ、ほら、お礼はそこそこで良いから、もう一回、俺をあの呼び名で呼んで!」
「はい! ケヴィン兄!」
大きく頷いたケヴィンは、話を「すぱっ!」と切り替える。
今度は、ジョナサンへ向き直った。
「よっし、OK! 次はジョナサン君だ」
「は、はい! ケヴィン様」
「堅い! 堅いなぁ、君も……そうだな、さん付けで呼んで良いよ、ケヴィンさんで!」
「は? でも……ジョルジュと違い、僕は血縁でもないし、とても失礼では」
ジョナサンンも、ジョルジュと同じ反応だ。
しかし、ケヴィンは「同じ事は御免!」だと、きっぱりと言う。
「構わないの! はい!」
ここは、素直にした方が良い。
ジョナサンは、即座に大きな声で返事をする。
「ケヴィンさん!」
「よっし! 良いねぇ、騎士らしく、はっきりとした良い返事だ。で、君についてだが……」
「は、はい……」
「君がいずれ行く、楓村は実は俺も何回か行っている。村長の家に泊まったよ」
「え? 何故?」
ジョルジュ同様、ジョナサンも驚いた。
父の転勤に伴い、ジョナサンが楓村へ行く話は、ルウから聞いたのだろうから、それは分かるとして……
どうしてケヴィンと楓村に接点があるのだろうと。
しかしケヴィンはすぐ『種明かし』をしてくれた。
「簡単な話さ! 我が父エドモンと、この英雄亭の主ダレンとの繋がりだ。昔、冒険者仲間だったからね。アンセルム村長はダレンの弟だろう?」
「は、はい! そうです!」
言われてみれば確かにそうだ。
エミリーの祖父、村長アンセルムはダレンの弟だ。
世間は狭い……と、ジョナサンは思った。
一方、ケヴィンは、いきなり言い放つ。
「ジョナサン! 君が移住する気持ちは良く分かる! 楓村は素晴らしい!」
「はい! 素晴らしいですっ!」
ジョナサンは大きな声で返した。
素直に納得である。
村民を怖ろしい外敵から守る、
真の王国騎士になる!
という、崇高な志は確かにある。
しかし、ジョナサンは楓村自体が大好きなのだ。
愛するエミリーと、こんな素敵な土地に一緒に住みたい!
心から、そう思ったのだ。
まるで同好の士……
ジョナサンはケヴィンにとても親近感を感じる。
そのケヴィンは、何か、提案があるようだ。
「うんうん、それでね……余計なお世話にならない程度で、俺も村の施策に協力したいと思ってね」
「施策?」
「うん! 君は再来年、可愛い婚約者は勿論、管理官になる父上と副監理官になる母上、そしてお祖父様も……家族一緒に楓村へ行く。だが単なる守り手になるだけじゃいけない。村の発展と繁栄も考えるべき立場だ」
「は、はい! 実は最近良く考えています。楓村をより豊かにしたいって!」
「だろう? でも俺はね、あまり人が行き過ぎて、楓村が俗っぽくなるのは嫌なんだ……」
「はい! 僕もそう思います」
やはり……ケヴィンが楓村に見出している魅力は自分と同じ……
ジョナサンは益々嬉しくなった。
気持ちが入ったらしく、ケヴィンの話はますますヒートアップして来る。
「ジョナサン君、俺はあの、のんびりした、楓村の独特の雰囲気が好きなんだよ、安心するっていうか、心の洗濯っていうか」
「え? ケヴィンさんもですか、僕もそうなんです! 何かホッとするというか」
「だろう? で、話を戻そう! 俺からひとつ提案だ。村には良い温泉がある!」
「はい! あります!」
ジョナサンは、楓村の温泉に特別の思い入れがある……
アンセルムの家の温泉で、想い人エミリーと心の交歓をした。
一生……忘れる事はないだろう。
つらつらと考えたジョナサンは、ケヴィンの『提案』を聞こうと、気合を入れた。
「ジョナサン君! あの温泉を上手く使うんだ。今は村民しか使っていないだろう?」
「です!」
「そうだなぁ……例えば、こじんまりした渋い温泉宿を作るんだ。楓村は飯もワインも美味い! 素敵な温泉と美味い飯! 王都にもほどよい近さだし、きっと客が押し寄せる」
「で、ですね!」
「だが……さっき言った通り、村が俗っぽくなるのは嫌だから、知る人ぞ知る名所にする。敢えて宿泊客の数を限定するとかね」
「ああ! それ凄く良いです!」
「でも、あまりに客が来なくて、採算の問題が出たらまずい。だから……さじ加減が相当難しいけどね」
「ですよね!」
ケヴィンとジョナサンの話は白熱して続いている……
ジョルジュが苦笑して、ルウを見た。
ルウは穏やかな笑顔で返した。
ジョルジュもジョナサンも気付いたのだ。
見知らぬ者同士でも……
ちょっとしたきっかけだけで、同じ価値観を持つだけで、人は親しい友になれるのだと。
これから……男子会はもっと盛り上がる!
ジョルジュは、とても大きな期待に胸を膨らませていたのである。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
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