第1,066話 「息抜き⑫」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日等、詳細は未定です。
◎そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
宜しければ、11月12日付けの活動報告をご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『続刊』につながります。
何卒宜しくお願い致します。
ルウとジョルジュ、そしてジョナサンは、待ち受けるケヴィンと合流した。
4人がひとつの輪になるような形で……
全員揃うと、ケヴィンは軽く咳ばらいをし、
「じゃあ、早速だが……俺ケヴィンから、一番大事な話をしよう」
と、話を切り出した。
ジョルジュとジョナサンは吃驚した。
通常、大事な話……
つまり深い悩みや親身なアドバイスなど、さすがにいきなりは話せないものだ。
初対面の相手は勿論、ケヴィンのようにあまり親しくない相手には……
とりとめのない世間話から始まって、徐々にコミュニケーションが取れてから、お互いの気心が知れたてから……そう、ふたりは思っていた。
しかしケヴィンは段階を踏まず、本題から話そうという……
「え? 一番大事な話?」
「早速ですか?」
思わずジョルジュとジョナサンが聞けば、ケヴィンは当たり前という顔付きで断言する。
「そうさ! この男子会の時間は限られているだろう。だから話す内容の、優先順位を付ける」
「優先順位?」
「どういう事でしょう? どうか、僕達に教えて下さい」
「うん! ルウ君から君達の事を聞いて、俺がいくつか協力出来る事を考えた」
「…………」
「…………」
「こういった場合は、最も大事な本題を先に告げて議論し、最も得たい結論を出してから、一旦完結させる。次には二番目に大事な話へ進み、完結。それを繰り返す。そうして最後にとりとめのない話をするのが良い。目的は必ず達成されるし、無駄がなく、とても効率的だ」
「…………」
「…………」
ケヴィンの物言いは、いかにも学者らしい、理路整然としたものだ。
ジョルジュとジョナサンは呆気に取られ、ポカンと口を開けていた。
ルウは……苦笑しながら、3人のやりとりを眺めている。
ケヴィンは最初に、ジョルジュを見据える。
「さて、まずはジョルジュ」
「は、はい!」
「ルウ君から聞いたよ、お前は将来、魔法鑑定士を目指しているそうじゃないか」
「は、はい! そうです」
ジョルジュはブシェ商会を継ぐつもりだが……
だが、学んで来た上級魔法鑑定士の資格取得は諦めていないし、逆にもっと上を目指そうと決めた。
主たる自分自身が上級の目利きになれば、運営する商会の為になると考えているからだ。
ケヴィンは、ルウから聞き、ジョルジュの考えを知っている。
ジョルジュは改めて思う。
事前に自分の事を伝えておくと、確かに話が早い。
でも……ケヴィンは一体、何を告げようとするのだろう?
「ならば、時間を作って、俺の家に来るが良いさ」
「え? ケヴィン様の家へ?」
ジョルジュは、またも驚いた。
血縁とはいえ、何故、馴染のない自分をいきなり自宅へ呼ぼうとするのか?
ここで、ケヴィンは首を振った。
先ほども、指摘されたが、どうやらジョルジュの物言いが気に入らないらしい。
「ほら! 俺に様はなし! ん~、そうだな、気軽に兄で良いよ」
「で、でも……兄上では」
「ああ、ルウ君と一緒で紛らわしいか……じゃあ、ケヴィン兄だな」
「…………」
ケヴィン兄?
……いきなりそんな呼び方は微妙だ。
フレンドリー過ぎる。
さして親しくもないのに……
そう、ジョルジュは思った。
困って、思わずルウを見れば……
そのルウは、笑顔で頷いている。
これは、ケヴィンに一切気兼ねせず、「言われた通り呼べ!」そういう事だろう。
「ほら、ジョルジュ、呼んで! さっさと! 時間がない」
ケヴィンから急かされて、強引な押しに屈した形で、ジョルジュは仕方なく呼ぶ。
「は、はい! ケヴィン兄」
満足した様子のケヴィンは、何度も頷いた。
そして、「しれっ」と言い放つ。
「ジョルジュ、お前は本当に運が良いぞ。俺はランクAの魔法鑑定士だ」
「ええっ!? ケヴィン兄がランクAの魔法鑑定士!? す、凄いカミングアウトですね?」
ジョルジュが吃驚すると……
ケヴィンは明らかに落胆している。
「はぁ? カミングアウト? 俺がランクAの魔法鑑定士で、そんなに驚くか、もう」
「いやぁ……何か、凄く意外ですから」
「凄く意外って、何だよ! ……まあ、いいや、でね、我が家には古代魔道具が1,000点以上ある! バートランドにあるコレクションの一部だけど、俺が誰にでも自慢したいくらい文句なく上質、全てが一級品だ」
「な! 1,000点!?」
1,000点!?
1,000点の古代魔道具!?
それもコレクションの一部?
王立博物館クラスじゃないか!!!
吃驚を遥かに超え、さすがにジョルジュは驚愕した。
個人のコレクションとしては、とんでもなく、けた外れであるから。
だが、ようやく話が見えて来た。
ケヴィンは、ルウ同様、自分もジョルジュの魔法の師匠になろうというのだ。
「うん! 俺の家ならお金もかからず、気兼ねせず、美味いお茶でも飲みながら、じっくり鑑定訓練が出来る。聞けば、ルウ君も忙しいそうだし、俺の都合を聞いた上で、たまに来れば良い。いろいろと教えてやるよ」
「は、はい!」
ケヴィンは、ジョルジュがキングスレー商会へ通ったのも、ルウから聞き、知っているのかもしれない。
であれば、この提案は全て辻褄が合う。
……ジョルジュにとっては願ったり叶ったり。
とても、ありがたい提案だ。
魔法鑑定士の訓練は、知識が大切。
だが、現物を見て触る実践がより大切だと、ジョルジュは実感していたから。
「助かります! ありがとうございます!」
ジョルジュはとても嬉しくなり、大声で礼を告げたのであった。
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