第1,065話 「息抜き⑪」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日等、詳細は未定です。
◎そして!
この度『コミカライズ』が決定致しました。
宜しければ、11月12日付けの活動報告をご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『続刊』につながります。
何卒宜しくお願い致します。
やがて……
午前11時となり、王都の居酒屋英雄亭における、『男子会』が始まった。
開始瞬間に、ルウを除いた全員からどよめきが起こった。
どこからともなく、洒落た、軽快なテンポの音楽が、耳にほどよい音量で流れて来たのだ。
英雄亭へ、特別に楽隊を呼んだわけではない。
声の良い、演奏の上手い、異世界一流の吟遊詩人も居ない。
吃驚した参加者達であったが、主催者を考え、すぐ全員が納得した。
そう、ルウの手筈であろう。
誰も知らぬ特別な魔法を使い、男子会の為、粋な計らいをしたに違いない。
司会進行担当であるそのルウの、時間予定、そして料理追加自由などの概要と、短く簡潔な挨拶が為された後……
続いて、乾杯の音頭が、幹事役ジョルジュとジョナサンの掛け声によって唱和。
エールの入ったマグが軽くぶつかる音が、部屋に満ちた。
思い切り乾杯と言ったジョルジュとジョナサンへ、参加者全員が大きな声で返してくれた。
マグのエールをひと口含んだ後、ふたりは顔を見合わせ、満足そうに笑ったのである。
開始したら、幹事として下働きに徹しようとした、ジョルジュとジョナサンであったが……
いきなりルウから「ストップ!」が入った。
何と!
暫くは何もせず、ふたりで料理と飲み物を自由に存分に堪能して良いというのだ。
ジョルジュとジョナサンは聞かずにはいられない。
「兄上、本当に良いのですか?」
「ルウさん、大丈夫ですか?」
対して、ルウは問題ないと返した。
「ああ、給仕等は、ニーナ達が上手くやってくれるさ」
ジョナサンとジョルジュは、周囲を見渡した。
ニーナ達は、まるで綺麗な蝶のように部屋の中を飛び回り、仕事に励んでいた。
妖艶な夜の蝶とは全く違い、可憐で健康的な魅力に満ちている。
ふたりは、思わず頷き合う。
「まあ、むさい俺達よりは、ニーナさん達に対応して貰った方がずっと良いかも」
「あはは! ジョルジュの言う通りだな」
「うん、とりあえず、任せてしまえ! それとな、人間は腹が減っていると、正確な判断が鈍る。いらいらして余裕がないから、気の利いた事も言えなくなる。だから飯を食ってから、皆でゆっくり話した方が良い」
「まあ、確かに……」
「ですね」
「ふたりで、好きなものを好きなだけ食べて来いよ。ほら、ジェロームさん達みたいにな」
ルウに言われて、ジョルジュ達が見やれば……
ジェロームは後輩のフェルナンを連れ、料理を片端からぱくついていた。
それも……凄い勢いである。
ルウは穏やかに微笑み、言う。
「彼等を含めて、今日は紹介も、後で俺がフォローしてやるから。お前達ふたりは今回幹事として、いろいろ頑張ってくれたからさ。気楽に、思う存分食べて来い」
「じゃ、じゃあ、兄上のお言葉に甘えて」
「ぼ、僕も! この前の婚約披露パーティでは挨拶とかで、あまりこの店の料理を食べる事が出来なかったから……冒険者料理、ぜひ食べたいっ!」
「ああ、料理が無くなったら、ニーナ達へ追加注文を入れれば、ダレンさんがすぐ作ってくれるぞ。飲み物も同じですぐ運んでくれる」
ルウの言葉を聞き、ジョルジュとジョナサンは歓喜し、拳を突き上げる。
「うお! 事前に聞いていましたけど、本当に食べ放題飲み放題って事ですね?」
「嬉しいです!」
「おお、ジョルジュ、ジョナサン、ふたり共、がっつり食べて飲んで来い」
「はい! 行って来ます!」
「はい! 実は手伝って運んでいる時に、食べたいと思う料理をチェックしていましたっ!」
「ははは、料理は逃げないから、走るなよ。それと飲み過ぎてあまり酔っぱらうな」
「兄上、了解!」
「ルウさん、了解です!」
店のテーブルがくっつけて並べられ、その上に純白のクロスがびしっと敷かれている。
そしてクロスの上には、美味そうな料理が盛られた大皿が、たくさん並んでいるのだ。
ジョルジュとジョナサンは、ルウの教えを守り走らない。
だが、気持ちが前面に出るような雰囲気で、料理に向かって、勢いよく大股で歩いて行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ジョルジュとジョナサンも、ジェローム達の食べっぷりを凄いとはいえない。
食べる量こそ、逞しい騎士ふたりには敵わないが、若さは食欲に比例する。
気持ち良いくらいに、いっぱい食べ飲んだのである。
満腹になったジョルジュとジョナサンを、そろそろ頃合いと見たのか……
ルウはふたりを、ある人物の下へ連れて行った。
ルウが参加者を紹介してくれる……
ジョルジュもジョナサンも心構えは出来ていたが、予想は見事に外れた。
ジョルジュが面識のあるマルコか、またはジョナサンの面識があるジェローム&フェルナンの下へ連れて行くものだと思っていたのだ。
しかし、ルウがジョルジュ達を連れて行ったのは、エドモン・ドゥメールの三男ケヴィンの下であった。
「おお、ルウ君、ジョルジュも! 君はジョナサン君だったな!」
先ほどのノリで良く分かったが……
ケヴィンは、意外にも砕けたタイプであった。
大学に勤務する考古学者と聞いて、くそが付く真面目で、全く融通がきかない人間を想像していたから意外だ。
事前の話通り、ルウからはジョルジュとジョナサンのプロフィールと経歴が伝えられているらしい。
ケヴィンは柔らかな笑顔で、「早く来い!」と、大きく手を打ち振っていたのである。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
別作品も宜しくお願い致します。
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怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。
本日11月16日、更新しております。
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