第1,064話 「息抜き⑩」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日等、詳細は未定です。
◎そして!
本日11月12日午後に、『発表』する事があります。
⇒発表させて頂きました。
この度『コミカライズ』が決定致しました。
宜しければ、11月12日付けの活動報告をご覧下さいませ。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひ、お手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『続刊』につながります。
何卒宜しくお願い致します。
とても厳重に梱包されていたので、ルウが購入したという商品の中身は分からなかったが……
何とか納品が終わり、アルマン・ブシェが名残惜しそうにして、英雄亭を去ると……
ルウは改めて、ジョルジュとジョナサンを呼び、男子会に向けて最後の打合せを行った。
ひと休憩した後、男子会の開始30分前……
午前10時30分過ぎに、厨房からは、大皿に載った料理が続々と運ばれて来た。
給仕担当であるニーナ達、超美少女軍団が運ぶのに加え……
幹事役であるジョルジュとジョナサンは勿論、先に会場入りしていたルウ、マルコ、リベルトも率先して手伝い、作業はあっという間に済んだ。
ジョルジュは不思議に思う。
半年前の自分は、このような事をやるのを想像さえ出来なかった。
実家でも、寮でも、殆ど使用人が行っていたからだ。
しかし、もはや苦にならない。
全然嫌ではない。
却って、身体がどんどん動き、気持ちも軽やかになる。
ルウは勿論、顔見知りのマルコとは話も弾み、リベルトとも「にこやか」に話す事が出来た。
さりげない会話から、相手の素顔の一端が垣間見える。
料理を運んだから、当然相手の食べ物に関する嗜好である。
その上、ニーナ達ともいろいろと話す事が出来た。
不思議なものである。
昔、ナンパばかりしていた頃、または居酒屋の給仕役、つまりニーナみたいな女子を口説いていた時は、全く恥ずかしくなかったのに……
アンナと付き合い始めてから、まともに他の女子と話せなくなってしまった。
先日、久しぶりに会った幼馴染みとも、最初は会話が出来なかった。
そういえばと、ジョルジュは思う。
今だからこそ、はっきり分かったのだ。
所詮はナンパだから、自分も相手も、真剣ではなかった。
つまり、遊びだった。
お互いに、そんな軽い気持ちが透けて見えるから、気兼ねしていなかったのだと。
但し、話の内容だって軽い。
自分も相手も、名前は偽り、嘘だって、平気でつく。
だがアンナとは、真剣に向き合った。
お互いに共感するものが、最初からあった。
本音で話した。
そして付き合ううちに分かった。
アンナこそ、これからの人生を共にする相手だと。
そして「意外だ」と言ったら、絶対に殴られそうだが……
ニーナ達も、自分やジョナサンと全く同じだった。
話し込むうちに……
ジョルジュは魔法鑑定士の上級資格を取り、将来は婚約した彼女と商いをやってみたいと夢を語った。
すると、ニーナ達も同じく話してくれたのである。
皆、夢を持っていたのだ。
ジョルジュやジョナサンのように……
ゆくゆくは、この英雄亭みたいな店を切り盛りしたいとか……
全く違う職業をやるつもりとか……
違う街へ移住してみたいとか……
いろいろと話をしてくれた。
アンナ同様、ニーナ達と対等に向き合って話したら、何の事はなかった。
いつの間にか、いろいろなタイプの女子と普通に、余裕をもって話せるようになっていたのだ。
ふと見れば、親友ジョナサンも、同じく楽しそうに女子達と話していて、ジョルジュは思わず笑いそうになってしまった。
ジョルジュは再び思う。
男子会が終わって、アンナに聞かれたら、堂々と言おうと。
ニーナ達の事を、絶対内緒にするつもりだったが……
もう、胸を張って話す事が出来るから。
以前、ジョナサンの婚約披露パーティで給仕をしてくれた子達と話した。
「大事な伴侶アンナと共に将来を共にし、夢を追う!」って、話す事が出来たと。
そうこうしているうちに、あっという間に30分は経ち……
男子会参加の残りのメンバー3人が次々に現れた。
まずは、騎士のふたりが現れる。
ひとりはジョルジュも良く知るとはいってもやはり顔見知り程度で深く話した事はないが、ジェローム・カルパンティエだ。
ジェロームと連れ立って来たのは、ジョルジュが知らない顔である。
否、以前王宮の晩さん会で、挨拶したか、見かけたかもしれない。
「おお、ジョルジュにジョナサン、幹事役ご苦労様」
「今日はありがとう、お招き頂き感謝するよ」
ジェロームともうひとりの騎士は意外にも? フレンドリーにジョルジュ達を労わってくれた。
続いて、ジェロームはすぐに気付き、連れていた男の名を告げる。
「おお、そうだ。後で改めて紹介するが、彼はフェルナン・カントルーヴ、元はダロンド辺境伯の次男だが、最近カントルーヴ子爵家の婿養子となった」
「ああ、済まない。以前君達と会っているとは思うが……フェルナン・カントルーヴだ。改めて宜しく!」
「いらっしゃいませ! ジェローム様! フェルナン様!」
すかさず大きな声で挨拶を返したのは、ジョナサンであった。
ジョナサンにとって、ジェロームは父の上司の息子である。
たまに遊んで貰った事もあり、頻繁に会う事はないが、旧知の関係だ。
フェルナンとも、初対面ではない。
以前騎士学校にて、訓練時の臨時講師であった。
「よ、ようこそ、い、いらっしゃいました!」
ジョナサンの勢いに励まされ、ジョルジュも噛みながらも、何とか大きな声で挨拶する事が出来た。
すると「おう!」と元気よく屈託のない笑顔で返してくれた。
ジェロームも、フェルナンも。
騎士は傲慢で威圧的……
そんなジョルジュの『イメージ』があっさりと崩れて行く。
と、その時。
「いやぁ、もしかして俺が最後かい? これはやばいなぁ!」
大きな声を発して、入って来たのは、ジョルジュとは血縁のケヴィン・ドゥメールである。
ケヴィンとは、幼い頃に数回会ったきりだ。
相手がどんな人物なのか、記憶もあまりない。
大学の教授であるとだけ、認識している。
母アデライドからは、最近王都へ引っ越して来たとは聞いたが……
敢えて会おうとも思わなかった。
ルウから、ケヴィンが来ると聞かされ……
何となく……
あの怖い大伯父エドモンのイメージで想像していた。
しかし目の前のケヴィンは飄々としていて、どこか兄のルウを思わせる雰囲気がある。
「お~! ジョルジュ、久しぶり!」
と、ケヴィンは気さくに話しかけて来たが……
相手はドゥメール宗家の息子。
つい、ジョルジュが、
「は、はい! ケヴィン様」
と、言えば、ケヴィンは苦笑し、手を横に振った。
そして、ジェローム達同様、屈託のない笑顔を向けてくれる。
「おいおい、ジョルジュ! 呼び方が堅いぞ、堅い! 後でゆっくり話そうな!」
「気楽に話そう!」と、ケヴィンから誘われ、気持ちが温かくなる……
ジョルジュは、とても嬉しくなり、
「はい! 宜しくお願いします!」
と、元気良く言葉を、返す事が出来たのである。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
別作品も宜しくお願い致します。
☆『隠れ勇者と押しかけエルフ』
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怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。
本日11月12日、更新しております。
ぜひお楽しみ下さい。
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