第1,061話 「息抜き⑦」
愛読者の皆様!
特報です!
『魔法女子学園の助っ人教師』
『第5巻』の発売が決定致しました!
皆様の多大なる応援のお陰です!
本当に、本当にありがとうございます!
発売日等、詳細は未定です。
既刊第1巻~4巻が発売中です。
店頭でぜひお手に取ってくだされば嬉しいです。
既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
この機会に4巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。
皆様の応援が、次の『続刊』につながります。
何卒宜しくお願い致します。
そういえば……
と、ジョルジュは思い出す。
英雄亭で行われたジョナサンの婚約披露パーティに、婚約者エミリーの家族、そして彼女の故郷、楓村の者達が大勢来ていた。
エミリーの祖父で楓村長のアンセルムや、父ランディなどの身内は勿論、ジョナサンは、一般の村民とも、気さくに話をしていたのだ。
確か……
楓村で共に戦い、深い信頼を築き、心には固い絆が芽生えたと聞いた。
身分の差など全く関係なく助け合い、命を懸け、楓村を守り切ったという連帯感……
これが、ジョナサンが変わる事の出来た理由であろう。
その、「ジョナサンと組め」というのは……
少し考えてから、ジョルジュにはピンと来た。
これも……
兄ルウの思い遣りなのだと。
ジョナサンと親しくなって、いろいろ話して分かったが……
かつてジョナサンは、『自分と同じ立ち位置』というだけではなく……
性格や振る舞いもほぼ同じだった。
貴族である自分の身分を鼻にかけ、他者を見下すという傲慢な物言いと態度。
しかしそれは、常に優れた肉親と比べられ……
自分に対して卑下し過ぎる、『自信の無さの裏返し』が原因だった。
ジョルジュは……
自分だって!
ジョナサン同様、大きく変わった!
……そう感じる。
母アデライドからも、姉フランからも、「変わった」と何度も言われた。
しかし自分では……変わったのかどうか、良く分からない。
確信が持てない。
つい悩んでしまう。
ルウはそんなジョルジュの気持ちを察し、即座に対応してくれたのだろう。
ジョナサンを『もうひとりの自分』として捉え、客観的に見させる。
変貌した言動を、間近で見させ聞かせて、改めて手本としてしっかり学ばせる。
そして今回の第一関門として……
まずはバンカラなダレンと、男子会の段取りを通じていろいろな話をさせるのは、ジョルジュにとって最適だといえる。
もしも本気で、商人になるつもりなら、ジョナサン同様……
身分に分け隔てなく、誰とでも話せるようにしなければならないからだ。
それを、しっかり自覚しろ……
ルウは、ジョルジュへ、そう教えたかったに違いない。
そうだ!
「今日は、まだまだやる事がある!」と、ジョルジュは頭を切り替える。
ダレンと挨拶をして、それで終わりではない。
男子会の段取りを、しっかりと詰めなくてはならない。
改めて、予約日時の確認。
同じく、参加人数の確認。
そして、出される料理の確認。
最後にかかる費用の確認……
よくよく考えれば、商人としてやるべき仕事に、いろいろ通じる気がする。
全てが勉強になると。
これがもし、ジョルジュひとりきりなら、彼は大いに不安だっただろう。
でもルウが居れば、いつものように、頼りっきりとなるのは確実である。
それ故、ルウは今日の相棒に、同年齢のジョナサンを選んだのだ。
「共感出来るふたりで助け合って、更に友情を深めるように」という趣旨も含め。
ありがとうございます、兄上。
跡取りという立場を譲り、商人になるという俺の『本気度』を、確かめたかったのですね?
ジョナサンは、心の中で、ルウに礼を言い……
大きく息を吐き、気合を入れた。
「本当に決意を固めた!」というように。
「ダレンさん、宜しいですか?」
「おお、良いぞ」
「来週の、男子会の段取り確認、お願いします」
「おう! 了解だ」
打てば響く! とでもいうように、ダレンからはいろいろと説明があった。
既に、ルウから指示があったようだ。
時間は来週土曜午前11時開始、午後2時終了。
参加人数はルウ、ジョルジュ、ジョナサン以外に5人、都合8人。
出される料理は、より野趣に溢れた豪快な料理。
シークレットイベントがある事。
そして、費用はルウから既に預かっている事など……
最後にダレンから……
当日、『男子会』の給仕をしてくれるスタッフの紹介があった。
当然、ニーナ以下、可愛いメイド服姿の、美少女軍団である。
「ジョルジュ様、ジョナサン様、宜しくお願いしまぁす! ルウ様の会合なら、ばっちりサービスをしますからねぇ。ちなみに当日のコスチュームは、今着ているこれでっすよ」
当然、ジョルジュとジョナサンは、ニーナ達とは会っている。
給仕をしてくれたのは、ニーナ達だったのだから。
しかし、目の前に居るのは、先日会ったニーナ達とは全く違う。
婚約披露パーティ時の清楚なイメージとは、全く違うセクシーな大人の女達がそこにはいた。
目元をしっかりラインで際立たせ、口には真っ赤な口紅が咲いている。
着ているメイド服も、先日とは全く違う。
丈が極端に短く、形の良い、白い生足が眩しく見えていた。
ニーナ達は、行われる男子会が……
『男だけの会』という事を聞き、TPOを考え、メイクと衣裳を一新したのである。
「お、おお!」
「う、わう!」
可愛いだけではなく、コケティッシュな女子達を目の当たりにし、ジョルジュとジョナサンは嬉しい悲鳴をあげた。
そして、ふたりはニーナ達に聞こえないよう、小声でこそこそ話し出した。
「お、おい、ジョ、ジョナサン。この子達が給仕してくれるのさ、エ、エミリーさんに言うのかよ?」
「い、いや、な、内緒ですよ。そんな事、絶対に言えない。じゃ、じゃあ、ジョルジュは? アンナさんに伝えられる?」
「い、言えるわけないだろ、必ず殺されるっ」
と、違う悲鳴をあげるジョルジュは、またも気付いた。
もしかして、まさか!
こ、これも……兄上の気配り?
俺が、可愛い女子の居る店に、行きたいなんて、言ったから?
あ、兄上!
駄目ですよぉ!
やりすぎです!
気遣いし過ぎですっ!
本音は……
凄く嬉しいですけど……もしも、ばれたら!
怒ったアンナが、凄く、もの凄く怖いっ!
ジョルジュの脳裏には、先日喧嘩した際、怒ったアンナの顔が、鮮明に浮かんだ。
幼馴染みの貴族の子は、真面目で清楚、地味なタイプの女子だった。
それでも、あんなに怒ったのに……
こんなに可愛い、いわゆるヤバイ子達と、「うはうは」酒を飲んでいるのが……
もしも!
ばれたりしたら!
そう、アンナだけではない。
姉フランも、「貴方が、ルウをそそのかした」と、鬼のように怒るだろう。
騙された? ルウはともかく……
原因を作ったジョルジュは……ただでは済まない。
アンナと姉から、容赦なく、ぼこぼこにされる!?
嫌だ!
助けてくれぇ!!!
声に出せず、心の中で悲鳴をあげるジョルジュ。
片や、ジョナサンも同じ想像をしているようだ……
こちらは、腕組みをしたエミリーの憤怒の表情を、思い浮かべているに違いない。
艶めかしく微笑むニーナ達へ、ふたりは、強張った笑顔を、ぎこちなく向けていたのであった。
東導 号作品、愛読者の皆様へ!
別作品も宜しくお願い致します。
☆『隠れ勇者と押しかけエルフ』
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怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。
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