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第1,058話 「息抜き④」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』第1~4巻が発売中です!


7月21日発売の、最新第4巻はルウとモーラルの表紙です。

第1巻~3巻の既刊共々、お見かけになったら、ぜひお手に取って下さい。


皆様が応援して下されば、更にまた『次』へと進む事が出来ます。

※新刊、既刊、共に店頭にない場合は、恐縮ですが書店様にお問合せ下さいませ。

 先日、英雄亭で行われた、ライアン伯爵家の婚約披露パーティで……

 主役のひとり、キャルヴィン・ライアン伯爵の一子ジョナサンと気が合い、ジョルジュは、じっくりと話し込んでしまった。

 挙句の果てに……

 お互い、婚約者そっちのけで、盛り上がり……

 それぞれ、アンナとエミリーから、きつ~く叱られるくらいに。


 ルウは、ジョルジュとジョナサンが、叱られる場面も目にしていた。

 だが、アンナとエミリーだって、本気で怒っていたわけではない。

 現に、このふたりも、『想い人と婚約した者』同士という事で盛り上がり、大の親友になってしまったから。


 ルウは、そんな『修羅場』があった事? など、そ知らぬふりで言う。


「……ジョナサンとは、良い友人になれそうだな?」


「はい、ジョナサンは同い年、同じ伯爵の息子。長男というのまで、全く同じ。母上と姉上が親しく付き合っている家の子だから、一応は、知っていました」


「一応は?」


「兄上、俺……父上が騎士だったけれど……実は、騎士って、とても苦手だったんです」


「おお、そうだったのか……」


「はい! でも、父上だけは違いました。唯一、俺が大好きな騎士でした。真っすぐで、おおらかで、細かい事を気にしない。弱者に優しく、義理堅く、面倒見が良い。自分に厳しく、けして威張らない」


「…………」


「でも……父上が死んでから……騎士が嫌いに……いえ、大嫌いになりました。だって、世の殆どの騎士は、不真面目で騎士の精神や道徳など守らない。自分にだけは甘い癖に、すぐ他人へ厳しく怒る。上には、こびへつらう癖に、弱者にはやたらと威張り、自分の武勇を大袈裟に誇りたがる」


「…………」


「だから俺はライアン家も含め、騎士の家とは、必要以上に親しくしようと思わなかった。でも……ジョナサンが、あんなに話しやすく、気持ちの良い奴だとは思いませんでした」


「ははっ、ジョナサンと、友人になれて良かったな」


「はいっ!」


「じゃあ、今回の男子会には、ジョナサンも呼ぼう」


「え? ジョナサンも? それは楽しみです」


 あの、ジョナサンも来る!

 男子会に参加する。

 また、ふたりでじっくり話す事が出来る。

 そう聞いて、ジョルジュは急に男子会が楽しみになって来た。


 実は、その後、ジョナサンとは一回だけ、会って昼飯を食べた。

 その時も、いろいろと、将来について、深く話し込んでしまった……


 ジョルジュが、男子会参加をOKしたと見て、ルウは話を続ける。


「うん、じゃあざっくり、男子会の説明をしよう。実施の日時は来週か、再来週の土曜日を予定、時間は午前11時集合。終了は午後2時予定」


 昼間に行う?

 と聞き、ジョルジュはつい尋ねる。


「え? じゃあ、兄上。男子会はランチ……なのですか?」


「ああ、その方が気軽だから。場所はこの前、お前も行った英雄亭だ」


「はい! 英雄亭ですね」


 ジョルジュにとって、英雄亭は良い店だった。

 

 外観こそ、古ぼけた建物だったが……

 内部は結構広く、ゆったりしていた。

 

 その上、店主の作る料理がとても美味しかったから。

 あれが、『冒険者料理』と聞いて、ジョナサンと盛り上がったのも、楽しい思い出だ。


 記憶を手繰る、ジョルジュへ、ルウは更に話を続けて行く。


「形式は、貸し切り」


「え? 貸し切り?」


「ああ、更に立食パ-ティとする」


「そ、そうですか……」


 英雄亭でたった3人、ランチをするのに

 貸し切り? 立食パーティ?

 それって……

  

 ……ジョルジュには、すぐに、イメージがわかない。

 思わず口籠ると、ルウは指示を出して来た。


「段取りだが、俺がまずジョナサンに連絡を入れておく。多分、参加を断らないと思う」


「だと、良いですよね。何だったら、俺からも、ジョナサンを誘います」


「そうだな、ジョルジュ。お前からも、ぜひ来いと、誘えば良い」


「はい!」


「ジョナサンは、エミリーと婚約して、英雄亭のダレンさんとは親戚になっただろう? 彼が居れば、英雄亭側との話は進めやすい筈だ。お前はジョナサンを訪ね、ふたりで幹事として動け。主に英雄亭でのセッティングをするんだ」


「え? 幹事って……俺がやるのですか?」


「おお、そうさ。世界を股にかけ、商売をする、ブシェ商会の主になろうとする者が、小さなパーティの幹事くらい臆していてどうする」


「そ、それは……」


「ジョナサンとふたりで、男子会の段取りを組んでみろ……趣旨を話して店主のダレンさんに相談すれば、上手く対応してくれる筈だ」


 ルウの檄を聞いて、ジョルジュは思う。

 確かにルウの言う通りだと。

 

 それに、アンナの父も言っていた。

 たとえ商人でも……

 騎士に負けない大胆さが、または何事にも動じない度胸が必要だと……


 なので、ジョルジュは、改めて気合を入れた。


「は、はい! 兄上、俺、やります!」


「おお、良い返事だ。フォローはしっかりしてやる。それに、今回の参加メンバーだが、ジョナサン以外、他にも呼ぶ」


「他にも?」

 

「ああ、英雄亭の貸し切りだぞ。3人だけじゃ勿体ない。呼ぶのは、年齢、職業、そして身分は千差万別。彼等への申し入れと、返事を貰う事、スケジュール調整は俺がやろう」


「ありがとうございます。それは、助かりますが……呼ぶのは、一体、どのような方なのですか?」


「うん! 俺がフランと王都に来て、知り合い、親しい友となった者達さ」


「兄上と……親しい友と……なった」


 ルウの友人って……

 一体、どんな人達なのだろう。


 数人は、心当たりがある。

 

 多分、その中のひとりは、ジゼルの兄ジェローム・カルパンティエだ……

 と、ジョルジュは思った。

 ジェロームは常々、ルウの友を言明しているから……

 

 でも……騎士は……やはり、苦手だ。

 ジョナサンは、たまたま自分と話が合ったけど、例外中の例外だろう。

 あまり話した事はないが……

 ジェロームは……『典型的な』騎士だろうから……


 身体中に拒否反応を感じ、ジョルジュは、つい顔をしかめてしまった。

 と、そこへ、ルウが言う。


「ああ、ジョルジュ、お前もそうだぞ」


「え? 俺が? 兄上の友人なのですか?」


「ああ、お前は愛する弟であり、信頼すべき友だ」


「あ、兄上! ありがとうございますっ!」 


 愛する弟、信頼すべき友……大好きなルウから言われると……凄く嬉しい!


 ジョルジュは、思わず感極まって、再び大声で、ルウに礼を告げたのであった。

東導 号作品、愛読者の皆様へ!

別作品も宜しくお願い致します。


☆『隠れ勇者と押しかけエルフ』


https://ncode.syosetu.com/n2876dv/


怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。


☆『縁結び男だって、幸せになりたい! 異世界転生した俺は、宿命の恋に落ちる!』


合コンで他人の世話ばっかりして、自分自身は彼女がずっと居ない。

挙句の果てに異世界へ飛ばされ、その異世界でも合コンして、最後はやっと幸せになる、ハッピーエンドな男子の話です。


https://ncode.syosetu.com/n2344fb/


本日10月22日、両作品とも更新しております。

ぜひお楽しみ下さい。

応援宜しくお願い致します!

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