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第1,057話 「息抜き③」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』第1~4巻が発売中です!


7月21日発売の、最新第4巻はルウとモーラルの表紙です。

第1巻~3巻の既刊共々、お見かけになったら、ぜひお手に取って下さい。


皆様が応援して下されば、更にまた『次』へと進む事が出来ます。

※新刊、既刊、共に店頭にない場合は、恐縮ですが書店様にお問合せ下さいませ。

 ジョルジュは、兄ルウと過ごすと、いつも話が弾み、時間があっという間に経ってしまう。

 今日も、やはり例外ではなかった。

 残念ながら、もうあまり時間がない。

 あと少しで、隣にある、実家ドゥメール邸へ移動しなければならないから。


 書斎の壁に掛かった、趣きのある魔導時計を見て……

 ジョルジュは、とても名残惜しそうな表情をし、ルウへ尋ねる。


「じゃあ、兄上の企画を教えて下さい」


「ああ、男子会さ」


 聞かれたルウは、あっさり答えた。

 しかし、ジョルジュには、全然ピンと来ない。


「男子会?」


 男子会?

 何それ?

 女子会は知っているけど。


 ジョルジュは、不可解だと首を傾げた。

 悩むジョルジュへ、ルウが、補足説明をしてくれた。


「おお、世間には、女子会ってのがあるだろう。それの対極、男だけの会さ」


 ルウの、シンプル過ぎる『補足説明』を聞いても、やはりジョルジュには分からない。


 さすがに、ジョルジュも女子会だけは分かる。

 女子会とは……

 シンプルに言えば、女子だけで行う食事会だ。


 趣味、遊び等の共通項で集まる事が多いらしい。

 仕事仲間という場合もある。

 どの場合も、男子は参加禁止。


 女子だけという、いかにも、華やかで、楽しそうな会なのだが……

 反面、遠慮のない女子の本音は怖い気がする。

 正直、あまり聞きたくないとも、思ってしまう。


 しかし!

 その男性版?

 男だけの飲み会。

 とても気楽そうだが……果たして、どうなのだろうか?


 果たして、楽しいのか?

 と、ジョルジュは思ってしまう。


 なので、ルウにはっきり言ってしまった。


「兄上……気を使わないのは良いですが、野郎同士では、……す、凄く……むさい気がします」


「まあな」


「あの、まあなって……男だけで飯を食うのって、息抜きになりますか? 兄上だって、あんなにリア充状態で、毎日食事していますよ」


 ジョルジュは、ブランデル邸での食事を思い浮かべた。

 ルウと、家令のアルフレッド以外は、全て美しい女性である。

 美女に囲まれ、とても華やかで、楽園に居るような……

 心が浮足立ってくるような食事なのである。


 だが、これから行う食事会は、男子だけ?

 考えただけで、気が重くなる。

 ルウは、その差をしっかり認識しているのだろうか?


 ジョルジュは、疑わしそうな目を、ルウへ向ける。

 究極のジト目攻撃を受けたルウは苦笑し、ジョルジュをなだめた。


「お前の気持ち、そして言う事は良く分かる。少々長くなるが、最後まで俺の話を聞け」


「は、はい……」


 話を聞けと言われたら、ジョルジュは素直に受けるしかない。

 これまで、兄のやる事に間違いはないし、まずは話を聞いた方が良い。

 今回も、ルウはじっくり考えてくれていて、いろいろな意味があるのに違いないだろう。


 と、ジョルジュが、考えていたら……

 まるで心の中を見抜くように、ルウは言う。 


「これから、商家の主になろうとするお前には、ぴったりの企画なのさ」


「…………」


 まるで、ピンと来ないが……

 ルウは、ジョルジュの将来にも関係すると言う。


 気乗りがしない。

 やる気が出ない。


 でもジョルジュには、他に息抜きのアイディアがない。

 しかし息抜きは、必ずしたい……

 このままでは、埒が明かない。

 前進出来ない。

 停滞する。


 葛藤が、ジョルジュを襲う。


 だから、ここは……

 ルウの言う通りに、しなければいけない。

 ジョルジュは黙って、「つらつら」と考えた。


 と、その時。

 ルウはいきなり、話題を変えて来た。


「そういえば、お前……ジョナサンと、仲良くなったよな」


 ジョルジュは、ハッとした。

 またも過ちを犯す所だったから。

 以前、ジョルジュは……

 ルウに、暴漢から助けて貰いながら、礼にも行かず、放置した過去がある。

 その時は、きつく、アデライドから叱られた。


「は、はい! そうだ! お礼を言うのを忘れていました。兄上、ありがとうございました、わざわざ俺とアンナを呼んで頂いて」


 先日……

 キャルヴィン・ライアン伯爵の一子ジョナサン・ライアンと、楓村のエミリー・バッカス、ふたりの婚約披露パーティが英雄亭で行われた。

 このパーティに、ルウは、当初参加する予定のなかった、ジョルジュとアンナを呼んでくれた。

 ジョナサン本人とエミリーには勿論、キャルヴィンとシンディにも了解を得て。

 

 その時、意外な事が起こったのだ。

 ジョルジュが、ジョナサンと、親しい友人になった事である。


 何故、意外なのか?


 そもそもジョルジュは、ジョナサンとは、単に、顔見知り程度の仲。

 年一回、王宮で開かれる、王家主催の晩さん会で、挨拶をするくらいであった。

 ドゥメール家とライアン家が、家族ぐるみの付き合いをしていてもだ。


 実は……ジョルジュは、『騎士』が苦手であった。

 なので、ジョナサンを含めたライアン家に対し、深い付き合いを求めず、ドゥメール家の中で、唯一、一歩引いていたのだ。


 それが……

 ルウに言われ、アンナを伴って、仕方なく、英雄亭へ出向いたところ……

 パーティを存分に楽しむ事が出来た。 

 

 加えて、意外にも!

 ジョルジュは、ジョナサンと少し話してみた所……

 何故か、とても気が合い、ふたりは、じっくりと話し込んでしまったのである。

東導 号作品、愛読者の皆様へ!

別作品も宜しくお願い致します。


☆『隠れ勇者と押しかけエルフ』


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怖ろしい悪魔王に父と一族全員を殺されたダークエルフの姫エリン。穢されそうになったエリンを圧倒的な力で助けたのは謎の魔法使いダン。異世界から召喚された隠れ勇者と呪われたダークエルフ美少女の恋物語が始まる。


☆『縁結び男だって、幸せになりたい! 異世界転生した俺は、宿命の恋に落ちる!』


合コンで他人の世話ばっかりして、自分自身は彼女がずっと居ない。

挙句の果てに異世界へ飛ばされ、その異世界でも合コンして、最後はやっと幸せになる、ハッピーエンドな男子の話です。


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本日10月19日、両作品とも更新しております。

ぜひお楽しみ下さい。

応援宜しくお願い致します!

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