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第1,029話 「後を託して①」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』第4巻の発売が、いよいよ!

明日【7月21日】と迫りました。

確約は出来ませんが、既に、店頭へ出していらっしゃる書店様もあるかも? 


ルウとモーラルの、涼し気な表紙をお見かけになったら、ぜひお手に取って下さい。


皆様が応援して下されば、更にまた『次』へと進む事が出来ます。

※店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さいませ。

 ヴァレンタイン王立魔法女子学園の中でも、一番長い歴史を誇り、名門と称される部活がある。

 学園内外で、誰もが知る魔法武道部だ。

 その魔法武道部の練習であるが、夏季休暇中の7月に関しては全休であった。


 8月に入って以降は、始業式の前日まで午前9時から、昼を挟んで午後2時の予定が組まれていた。

 自分の故郷に帰っている生徒以外は、任意で参加という形で練習している。

 何か別に用事があって、そちらの優先順位が高い場合は届け出さえすれば、休んでも何の問題もない。

 その為、ジゼルも堂々と魔法鑑定士の試験を受ける事が出来た。


 このようにスケジュールと方式が変わったのは、今年からである。

 以前は、夏期休暇を通して否応なく全員が強制参加。

 冠婚葬祭、病気などの理由以外に不参加は許されず……

 更に自宅組も学生寮に泊まり込む、合宿方式の超スパルタ訓練であった。


 代々の部員から地獄の訓練と謳われた夏期訓練であったが……

 部長のジゼルが、ルウと相談。

 顧問のシンディ、そしてコーチのカサンドラの了解も取り、スケジュールの変更を提案したのである。


 提案は通り、全てが一新された。

 

 効果は……てきめんであった。

 王都に居る生徒達はどうしても外せない用事がない限り、自主的にほぼ毎回出席していたから。

 それも去年までとは一変、生徒達の意気込みが全く違っていた。

 志を同じとする先輩、同輩、後輩に毎日会えるのが楽しいと、誰もが言った。


 クラン方式の練習試合が生徒達の間の絆を深め、連帯感を増していた。

 また、練習方法の変更も大きい。

 騎士を目指す画一的な練習から、個々の個性、適性を見極めて長所を伸ばすように変えたのだ。

 その結果、単なる練習でも毎日、己の成長を感じ取る事が出来たのである。 

  

 休暇が明け……新学期が始まり……魔法武道部の練習時間は通常に戻った。

 平日は午後3時30分開始、午後5時終了。

 土曜日は午前9時からお昼休みを挟んで午後3時までと……


 とある土曜日の練習後……

 ジゼルとシモーヌは部員達を帰した後、部室でふたり話し合っていた。


 9月いっぱいで、規定によりジゼル達3年生は『引退』となる。

 魔法武道部の恒例行事、追い出し(エクスプルシオ)と呼ばれる『卒業試合』を部内で行い、後輩へ後を託すのだ。


 そして追い出しを行う当日に、次の新たな部長と副部長が指名される事となる。

 この指名は、全ての事を鑑みて現部長と副部長が決定、顧問が形式的に了承する形をとっていた。


 そして次の部長と副部長を誰にするか、もうジゼル達は決めていたのだ。

 

 来週、その追い出しが行われる予定となっていた。

 その為、今日がジゼルとシモーヌ最後の打合せである。

 大筋が決まっているので、もうすり合わせレベルである。


「シモーヌ、改めて確認するが……部長はミシェル、副部長はオルガで問題ないな」


「ああ、文句なしだ。そして新設の役職として、副部長補佐をイネスとフルールにする事もな」


 どうやら……

 相談の結果、新部長はミシェル・エストレ、新副部長はオルガ・フラヴィニーに決まったようである。

 そして従来なかった役職も決めた。

 何と!

 残りふたりの2年生を差し置き、1年生のイネスとフルールが抜擢されるらしい。


「うむ! もうシンディ先生、旦那様、カサンドラ先生のOKも貰っている。来年は新入部員も一気に増えそうだし、3人で部長のミシェルを助けて上手くやってくれるだろう」


 このような場合、ジゼルは抜かりがない。

 顧問だけではなく、部の監督者全員に了解をとったようだ。


 ……かつては独特のスパルタ主義で、退部者が続出……

 存続さえ危ぶまれ、魔法武道部は下手をすると廃部になりかねなかった。

 

 現にジゼルやシモーヌと同時に入部した生徒は合計15人……

 それが今や4人しか残っていない。

 ミシェル達2年生の世代も同様だ。


 しかし……

 イネス達1年生世代は15人入部して、退部者は居ない。

 ゼロである。

 全員、明るく前向きに取り組んでいた。


 更に、来年度の見通しも明るい。

 朗報が入っていた。

 早くも新入部員入部の見込みが立ったのである。


 夏季休暇中に行われた、魔法女子学園オープンキャンパスの際……

 試験に合格し、入学した後という条件付きにはなるが、魔法武道部の説明会にたくさんの入部希望者が訪れたのだ。


 魔法使いとイメージが相反する、魔法武道部へ入部希望者が多かったのは……

 王国では、比較的安全と言われる王都内でさえも、最近何かと物騒である。

 だから、女子でも護身術を身につけたい。

 というのが主な理由であった。


 加えて、いかにも武人というジゼルやシモーヌのような? 部員以外にも……

 体格が華奢なイネス、そして一見武道とは縁遠いタイプ? のフルールが対応した事もあり……

 入部と継続へのハードルが、けして高くはないと、受け止められたようなのだ。

 

 結果、「ぜひ入部したい!」という、入学希望者の声が多く出たのであった。

いつもお読み頂きありがとうございます!

書籍版第4巻の発売を記念して、明日7月21日、明後日7月22日と特別閑話をお送り致します。

通常版は7月23日に更新しますので、4日間連続更新となります。

ぜひお楽しみ下さいませ。


なお、本日20日も


『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』


https://ncode.syosetu.com/n4411ea/


『子供達と旅に出よう編』を更新しております。

こちらもぜひお楽しみ下さい!


応援宜しくお願い致します!

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