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第1,020話 「叶わぬ恋に落ちて⑫」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』第4巻の発売日が、

7月21日予定となりました!

各書店様で、予約開始されているようです!


書籍版をまだお読みではない方は、新刊が出るまで、既刊第1巻~3巻を宜しくお願い致します。

皆様が応援して下されば、更にまた『次』へと進む事が出来ます。

※店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

 火の魔法など無効で、不死と……

 女神が豪語したヒュドラは、あっさり瞬殺された。

 火界王パイモンの超絶攻撃魔法で……

 

 倒す標的が、完全に塵となったのを確かめると、パイモンはルウを見て、深く一礼した。


『す、凄い……』


 ルウの腕に乗ったまま、エレナは呆然としていたが、ハッと我に返った。

 

 改めて思う。

 何故自分達は、あらゆる危険や脅威から無事なのかと?

 

 まず、ヒュドラの猛毒と瘴気である。

 これらは近くに来たものを全て腐らせ死に至らしめる……

 防ぐ手立てなど、ない筈なのに……

 その脅威の塊ともいえるヒュドラを、瞬時にただの塵と化してしまった、パイモンの恐るべき火属性攻撃魔法も……

 

 ルウが様々な攻撃魔法と罠を退けていても、このふたつは桁が違っていた。

 何故? というエレナの顔を見て、同じ事をリゼッタも気が付いたようだ。


『どうして……私達は無事なの?』


 ルウが恐るべき力を持つ存在である事は、リゼッタにも分かった。

 自分を解放してくれた解呪魔法(ディスペル)は、とてつもない威力だったからだ。


「あ?」


 思わずリゼッタは、肉声で驚きを発した。

 もし、自分の想像が当たっていたら……とんでもない。

 否、怖ろしいと思ったからだ。


 ……リゼッタが思い出したのは、幻のように見えたルウの『翼』である。

 ルウの背から見えたのは、確か巨大な純白の翼……


 その翼の話を、リゼッタは大神から聞いた事を思い出したのだ……

 この世界における、全ての攻撃を無効化してしまう、唯一の手立てがあると……


 当時のリゼッタは特にどうという事もなく、それは一体何かと尋ねてみた。

 すると大神は、渋い表情をして、首を振ったのである。


 南の神の総帥である自分でさえ、赴く事が出来ない世界に存在すると……

 少し興味が出たリゼッタは、更にその世界の事を聞いてみた。


 大神は苦々しそうに、リゼッタの質問に答えてくれた。

 

 答えは何と!

 冥界……であった。

 それも冥界の最下層、更に最奥のジュデッカであると。


 ジュデッカ!?


 ここまで話が進むと、さすがのリゼッタにも分かった。

 創世神との戦いに敗れ、堕とされた、あの明けの明星、元天使長ルシフェルであると……

 今や大魔王とされるルシフェルが、背に持つ12枚の巨大な純白の翼こそが……

 絶対防御の象徴と言われる、完全な翼ペルフェクトゥスアーラだったのである。


 ここで誰もが思う事がある。

 絶対防御の手立てを持ちながら、何故ルシフェルは敗れたのかという、当たり前の疑問だ。


 伝えられる話では、ルシフェルに代わり天使長となった大天使が……

 創世神から授かった御業、抜き身の剣(ヘレヴシェルファ)で翼を破壊したというのだ。


 結局、矛盾という言葉通り、完全な翼ペルフェクトゥスアーラは、絶対的な防御の技ではなかった……

 というのが、世界の誰もが信じる解釈なのだ。


 だが、何故ルウの背中に完全な翼ペルフェクトゥスアーラがあるのだろうか?

 確かに完全な翼ペルフェクトゥスアーラなら、今迄全ての攻撃を無効化し、ヒュドラの猛毒とパイモンの魔法を退けたのも説明がつく。

 

 更に……最大ともいえる謎がある。

 一体、ルウは何者かという事だ。


 リゼッタは、人間の波動を知っている。

 神とも妖精とも、無論悪魔とも違う。

 全く違うのだ。


 その経験からいえば、ルウの波動は確かに人間である。

 間違いない。


 その謎を知る、唯一の手掛かりは……

 今、ヒュドラを倒した火界王パイモンだろう。

 ルシフェルの側近中の側近と言われる、火界王パイモンなら理由を知っているに違いない。


 しかしリゼッタは、すぐ首を振った。

 

 そんな事、聞けるわけがない。

 あんなに怖ろしい魔法を使うパイモン……

 もし機嫌を損ね、酷く怒らせでもしたら……


 加えて……

 「絶対に聞いてはいけない!」という強い制止を、リゼッタの『勘』が訴えていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


『ルウ様、では失礼致します、またいずれ』


 ヒュドラを倒したパイモンは、淡々としていた。

 勝ちを誇るでなく、魔法の威力を語るでなく……


 ルウに一礼し、出現した時同様、煙のように消えてしまう。


 パイモンの魔法の威力は本当に凄まじかった。

 ヒュドラ本体だけではなく、大広間一杯に満ちていた猛毒と瘴気をも一切消し去っていたのである……


『ルウ様、何故、私達は無事なのでしょう?』


 ずっと不思議に感じていたらしく、エレナは尋ねた。

 例の翼は見ていないらしく、全く口にしない。


 一体、ルウは何と答えるのであろうか?

 同胞のした質問の答えを、リゼッタが興味津々で待っていると…


『ああ、大丈夫だと思ったからな』


 は?

 何、それ?

 その答えは、何っ!


 絶対に、満足出来ない! 

 おかしい!

 ちゃんと答えて!


 そんな感情が、ふつふつと湧いて来る。

 リゼッタの頬は、「ぷくっ」と膨れた。


 しかし、ルウが大好きなエレナにとっては、充分満足な答えのようだ。


『ですよね! 私は、ルウ様を絶対に信じていますからっ!』


 嬉しそうに返す、エレナの同意を聞き、リゼッタは更に腹が立った。

 ますます頬が膨らみ、まるで巣ごもり前の栗鼠であった。


『…………』


 ルウがリゼッタの顔を見て、苦笑する。


『お! どうした? 最終段階は無事に突破したのに、リゼッタは不満か?』


『はい! 凄く不満ですっ!』


 不満か? と聞かれ、

 大きく頷き、即答したリゼッタ。

 意外な反応に、エレナは吃驚してしまう。


『え? リゼッタ!?』


『そう! 駄目です! 最終段階なんかじゃありませんっ! たとえヒュドラを退けても! 囚われたラミアを、ルウ様が幸せにしてくれないと、リゼッタは許せませんっ!』


 呆気に取られる同胞を尻目に……

 リゼッタは、思いっきり絶叫していたのであった。

いつもお読み頂きありがとうございます!

東導の別作品もお願いします。


☆『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』


『人生の分岐点編』連載中!


https://ncode.syosetu.com/n4411ea/


※殺伐とした都会に疲れ、幼い頃に離れた故郷へ帰ろうとした青年ケンは謎の死を遂げる。15歳の少年として未知の異世界へ転生したケンは、出会った美しい少女達と辺境の田舎村で心の拠り所を探し続ける。


※『魔法女子学園の助っ人教師』とは微妙に違う、

ヴァレンタイン王国における、のんびりスローライフな田舎ワールドです。


本日6月18日朝に『更新』予定です。

何卒宜しくお願い致します。

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