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第1,014話 「叶わぬ恋に落ちて⑥」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』第4巻の発売が決定致しました!

詳細は決まり次第お報せ致します。


書籍版をまだお読みではない方は、第1巻~3巻を宜しくお願い致します。

皆様が応援して下されば、更にまた『次』へと進む事が出来ます。

※店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

 木霊《エーコー》のエレナ、呪われしスフィンクスの視線がぶつかり合う。

 お互いに、いっぱいの涙に満たされた美しい瞳から、「切ない!」という激しい思いを籠めて……


 一方、ルウはスフィンクスへ、淡々と告げる。


「では……俺の問いに対し、正解を答えて貰おう」


「正解……」


 スフィンクスは、ルウの言葉を復唱し、口籠った。

 改めて、ルウを「じっ」と見つめる。


 ルウは穏やかな表情を変えず、言葉を戻す。

 

「お前が答えれば、俺も同じ事をしよう……」


「同じ事……」


「言わなくとも、お前には分かっている筈。古《いにしえ》より、スフィンクスは謎掛けを解いた者の命を助ける……それが……約束だろう?」


 スフィンクスは頷くと、巨大な翼を軽く羽ばたかせた。

 そして、


「はい、仰る通りです。そのような取り決めとなっております………確か貴方様のお名前は……」


「ルウで良い……」


「かしこまりました。ではルウ様……ならば、申し上げます。ルウ様は確かこう仰いました。……海に生まれ、泉に生まれ、山に生まれ、森に生まれ、木に生まれ、谷間に生まれる者は誰だと?」


「そうだ」


「ならば、分かります……答えは……ニンフです」


 スフィンクスは、微笑みながら答えた。

 ルウも嬉しそうに微笑み、頷く。


「正解だ」


 ルウの出した、謎掛けの『正答』はニンフであった。

 ニンフは、様々な自然から生まれる妖精なのである。

 妻のひとり、水の妖精(グウレイグ)のアリスと同じだ。


 笑顔のルウは、更に言う。


「俺の謎掛けを解いたお前は、これで呪縛も解かれた……最早、おぞましいスフィンクスなどではない」


「…………」


「大丈夫! 醜い女神の呪いから解放され、美しいニンフに戻ったのだ」


 今度はルウの言葉に対し、スフィンクスは首を横に振った。

 はっきりした、否定の答えである。


「あ、ありがたいお言葉ですが…………戻ってなどいません!」


「戻っていない…………」


「はい! 私はもう! ち、違います。違うのです! み、見て下さい、ルウ様! おぞましい姿を! こ、このように……み、醜く! 変えられてしまいました……」


 だが、今度はルウが首を横に振った。


「いや、お前のその身体は仮初《かりそめ》だ。元の心を完全に取り戻せば、俺はお前との約束を守る事が出来る」


「私が心を取り戻せば? や、約束を? お守りに?」


「ああ、お前次第さ。……先程言っただろう? 助けると!」


 「お前を助ける!」そう言い切ったルウの姿が……眩く輝き始める。

 白光はやがて、ルウの全身を黄金色に染めて行く。


 スフィンクスはあまりの神々しさに圧倒され、息を呑む。

 目の前のルウからは、あの女神など全く問題にならない、巨大な魔力波《オーラ》を感じるのだ。


「ルウ様!」


 思わず呼び掛けたスフィンクスに対し、光体となったルウの声が響き渡る。


「お前自身の、真の名を思い出せ! そしてはっきりと俺に向かって言い放て!」


 力強いルウの声に励まされるように、スフィンクスは凛とした声で言い放つ。


「はい! 私は南の国の妖精(ニンフ)! 深き清き泉に生まれし、ナーイアスのリゼッタでございます!」


「よし! 良くぞ言った、リゼッタ! お前の名、しかと聞いた!」


「はいっ!」


 ルウの放つ光はますます強くなって行く。

 同時に、朗々と言霊が詠唱されて行く。


「汝、解き放たれよ、スフィンクス。元のあるべき姿へ! 清冽な泉の妖精ナーイアスになりて! 我の前に真の姿を見せよ!」


 ルウの詠唱が、終わった瞬間!

 白光が「どっ」と部屋いっぱいに満ちる。


「ああああああっ!!!」「きゃう!」


 何も見えず真っ白になった大広間に、

 スフィンクス、否、ナーイアスのリゼッタ、そしてアルセイスのエレナ……

 

 ふたりのニンフの悲鳴が、同時に響いたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 白光は暫しの間、大広間を満たし、やがて引いて行った……


 目を凝らしたエレナは……

 ようやく周囲が見えて来た。

 ぼんやりと、ふたつの人影が見える。


 ひとりは長身瘦躯で、ルウだとすぐ分かった。


 そしてもうひとりは……

 自分より少し背が高い、女性らしく、華奢なシルエットである。


「ルウ様!」


 エレナがルウを呼ぶと、長身瘦躯のシルエットが大きく手を振り、そしてもうひとりのシルエットが深々とお辞儀をした。


 やがて、白光は完全に収まった。

 ふたりの姿は、エレナに対し完全にさらされた。


 ひとりは、当然ルウ。

 そして、もうひとりは……


「あ、貴女が!?」


 エレナの目の前には……

 黒く長い髪を後ろで束ねた、漆黒の瞳の女性が立っている。


 またも奇跡が起きた。

 自分の時と同じように……

 ルウの強力な解呪魔法《ディスペル》が、女神の忌まわしい呪いを打ち破ったのだ。


「はい! 私が、リゼッタでございます! エレナさん!」


「ああ! 良かったぁ!」


 安堵したエレナは、喜びのあまり顔をくしゃくしゃにし……

 またも大粒の涙を浮かべると……リゼッタに、「ひし!」と抱きついていたのであった。

いつもお読み頂きありがとうございます!

東導の別作品もお願いします。


☆『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』


『アンテナショップとお祭り編』連載中!


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※殺伐とした都会に疲れ、幼い頃に離れた故郷へ帰ろうとした青年ケンは謎の死を遂げる。15歳の少年として未知の異世界へ転生したケンは、出会った美しい少女達と辺境の田舎村で心の拠り所を探し続ける。


※『魔法女子学園の助っ人教師』とは微妙に違う、

ヴァレンタイン王国における、のんびりスローライフな田舎ワールドです。


☆『真☆信長に学べ! 俺の異世界生き残りライフ』


https://ncode.syosetu.com/n4165cd/


※歴史オタクの気弱な中二病少年が異世界転生して、信長に?

※長らくお待たせしました。

連載再開です。

活動報告でお伝えした通り、大幅加筆修正しまして、第1話から差し替えとなっております。

前作がベースとなってはいますが、内容もある程度変わっております。

申し訳ありませんが、ご了解下さい。


両作品とも、本日5月28日朝に『更新』予定です。

何卒宜しくお願い致します。

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