プロローグ(にしていいのか此処…)
どうも、たこ焼きの神様です。
この小説が初投稿です。しかも人生初の自分で書いた小説(笑)
正直上手くないですが、興味のある方は是非、読んでみてください!!
あ、あと更新遅いのは勘弁!!
「くそっ!ここはもうダメか?」
「だろうな、もう諦めよう、對馬…。」
「でも…もうすぐアイツがっ!!」
ドンッ!
パンッ、パンッ、パンッ!
乾いた銃声が響き渡っている。
そこに広がるのは、生と死の境目。
血と汗が滴る戦場。そのものだった。だが、そこにいる兵はみなゲームをしているような楽しそうな表情。
押されているであろう、白の特攻服を着た兵たちは希望に満ちた表情をしている。
まるで、誰かが来るのを待っているように…。
「おい、沙鬼。空を見ろ、空を!」
見上げた空には、巨大な戦艦。この状況であんなのはもはや絶望的な事態だ。
だが…。彼女は微笑っている。
「フッ、これは、潰し甲斐があるな…。」
「おい、でもあれはさすがにやばくないか?アイツがいつ来るかわかんねぇのに。」
「だが龍斗、アイツはいつも、こんだけ待たせておいて、登場だけは空気を読んでいる。そうだろ?」
「それもそうだな。」
この3人だけじゃない。ここにいる全員が誰かを待っている。
そう、ゲームだ。ゲームでいう、まるで勇者を待つ囚われた姫のように…。
その時だ、この入り組んだビルの谷間に眩い光が走った。
それは、希望の光…。
「やっとか…。勇者ご一行。」
「またせたな、みんな。ここからが本番だぜ!」
勇者と呼ばれた少年が、そう言うと、その場に吹く風は向きを変えた…。
形勢逆転…。まさにぴったりの言葉だ。
ほんの一瞬で、押していたはずの青い甲冑を着込んだ兵たちが引いていく。
本当にゲームのようだ。事が淡々と進むだけ。だったのだが…。
「おい、勇者気取りのアホ剣斗。」
「は、はい?な、な、なんでしょうか、沙鬼さ、ん?」
「かーなり息苦しいんだが…、もういいか?」
「いやいやそこはもう少し粘ろうよ。」
「そうは言ってもな。ほら、對馬なんてもうストレスが限界みたいだぞ?」
名は沙鬼というのであろう少女が指差したほうには、今にも感情を爆発させて暴れだしそうなやつが、必死になって自らの理性と格闘している。
「いや、アイツに関しては期待はしてなかったさ。むしろよく粘ったほうだと思うよアイツにしちゃ。」
「ま、それもそうだな。で、そっちはどうだ龍斗。」
「どうしたんだ、沙鬼。」
と、まじめな顔で切り返すのは、龍斗と呼ばれた少年だ。
「いやいや、どうしたじゃなくて。ていうかもういいんじゃないの?そのキャラ。少し殴りたくなってきた…。」
「それもそうだな、あーあ、疲れた。こりゃ明日かなり精神的にくるな。」
「おいおい、お前らなぁ。もう少しまじめにやろうよ。これ、一年で一番重要なイベントなんでしょ?なあ、龍斗?」
「それはそうだが、剣斗、おまえがいる時点でこっちは勝利確定。もうチート状態なんだぞ。スター取って暴れまわってる状態なんだぞ?」
「でもさぁ…。はぁ…。やっぱいいや。俺ももうメンドクセー。あー。チート兵器一号。もういいからさ、さっさとやっちゃいなよ。」
勇者、剣斗は自分の後ろにいる少女を指差して言った。
「えー。あたしがやるの?お兄ちゃん。」
「ああそうだ。あと、そのお兄ちゃんってのやめろって言ってるだろ。恥ずかしいから。」
「そんなこと言われても、癖になってるんだから仕方ないじゃん。」
「あー、まあそんなことはいいからさ、ドカーンとやってよ。」
「まあいいか。そのかわり、こんど私にアイスおごってよね。」
「ああ、覚えてたらな。」
と、軽く話を済ませてから。勇者は軽々しく言い放つ。
「んじゃ、千穂。青竜の親玉をさっさと殺っちゃって。」
「はーい。ていうか、死なないんだから殺るっておかしいんじゃない?」
「そうか?まあいいや。んじゃ、行ってこーい。」
「はいはーい。」
シュン―――――。
ド―――――――――ン!!!!
シュン―――――。
「ただいまー。」
「お疲れ千穂。」
「疲れてない。」
「あっそ……。」
そう言うと、勇者は、ポケットから携帯を取り出した。誰かに連絡を取るのだろう。
プルルルル。プルルルル。
ガチャ。
「あ、もしもし、俺だけど。そっちはどうなってる?」
「ああ、剣斗か。大丈夫。もう少しで頭を取れる。」
だが、電波が悪いのか
「何?もう少しで何だって?」
「頭が取れる。」
「ああ?カツラが取れる?おまえカツラだったのか…。大変だな…。」
「ちげーよ!頭だ。“か・し・ら”。」
「ああ、頭ね。」
「で、そういうそっちは?」
「ああ、もう親玉から冠球もぎとって終了~。」
「はあ!?目玉から眼球くりとって終了!?」
「馬鹿か、“お・や・だ・ま”から“か・ん・きゅ・う”もぎとって終了。」
もはや漫才だ…。緊張感の欠片もない。
「そうか、そっちの部隊に親玉がいたのか…。」
「ああ。だから、もう冠球は奪ったんだ。お前らはいいんじゃないのか?」
「いや、それじゃあつまらんだろ…。てなわけであと3秒で仕掛けは完了だ。」
「へいへい。さっさと終わらせろよ…。っと、ああそうだった。爆破するなら先に言ってくれよ?耳栓しないと鼓膜がやばいから…」
「了解。」
ガチャ……。
こんなんでいいのだろうか…。
ここは戦場だ…。
戦場のはずだ…。
なのにこの軍の兵は全然涼しい顔をしている。
それも、そろいもそろって皆だ。
兵隊全員が、この戦争を楽しんでいる。
しかし、これは戦争といっても………。
死なない戦争だ…。
武器は本物の銃。痛みも感じる。
だが死なない。死ぬことはない。たとえ死に程痛い思いをしようが関係ない。
しなないのだから…。
「おいみんな!!アイツの爆発が来るぞ、耳ふさげ!!」
わっと、戦場が沸き上がる。
それほど大きいのだろう、その爆音は…。
そして、兵が皆耳を塞いだ直後…。
ド――――――――――ン!!!!!!!!!
と、炸裂した光の後に続いて、爆音が響き渡る…。
いくら死なないって言ってもやり過ぎではなかろうか…。
だが、勇者という設定である剣斗は、なんとなく自分の設定を貫く。
「みんな、青竜は打ち取った!!これで残るは朱雀と玄武のみ!!こっからが本番だぁぁぁ!!!!」
オォ――――!!
と、兵たちの士気は一気に上がる。
ふと勇者は思う。
なんでこのようなめんどくさいことになったのか。
てか、俺ってなんで勇者な訳?
と…。