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異世界人外救済譚 2

だからなんだ?罪もない者を召喚したのは同じだろう。そう言葉にする前に骸骨?はこう言った。

「勇者様一行の召喚術の転移先を私の術式によってこちらに誘導させていただきました。」

…………。

「なるほど、僕達が協力するとしてどんな事をすれば良いですか?」

「勇者様方には術式の扱い方法と術力の扱い方を徹底的に教えさせていただきます。」

「…右に同意、でも俺は術力の扱いだけでいい。」

「えっと、なぜでしょうか?」

「………いいから。」

心の中でため息を吐きながらも伝える、現状は受け入れ難いが目の前の光景は夢ではないと受け入れてしまっている。ならばこちらの情報を渡すのは最低限にしようと考えての発言だ。

「術式や術力というのはどうやって扱えば良いのでしょうか?」

隣にいる親友はそう問いかけている。

「世界へと祈るのです、そうすれば祝福として術式が授けられるんです!」

骸骨は祈る方法をお見せしますね。と言い奥の部屋へと移動する、ついてこいという意味なのかもしれない。

「俺は残る、後で聞かせてくれ。」

着いて行った場合何か食われる可能性がある、この発言を聞いても周りの骨達は何も言わないので口頭でも問題ないだろうと判断する。

「こなくていいのかって聞いても無駄だよね。」

やれやれとポーズを見せながら「行ってくるよ」とこの場を去る。

そうすると壁側にいる骨格が大きい骸骨がゆっくりと口を開ける。

「…………あんた、"わかってる"な。」

「…何が?」

警戒していることは察せられているだろう、それが殺意となっていないことも。

おそらくは襲われないということを理解した上で警戒している態度のことだろう、と考えながら誤魔化すために口を開く、若干間が空いてしまったが少し驚いた表情をして誤魔化す。


しばし無言の時間が流れる。

それも1分と経たないうちに二つの足音によって破られた。

「戻ってきたよ。」

親友は微笑みながら話しかけてくる、見た感じの異変はなく声や立ち振る舞いも大きな変化がない。ただ今まで感じなかった謎の圧力を感じるようになった、これが術力なのか?

「こほん、もう片方の勇者様には後で教えさせていただきます。

術力の扱い方は移動しながら教えさせていただきますね。」

(おそらくは)微笑みながらこちらに顔を向けつつゆっくりと伝えてくる。この骸骨の存在が動いている現実を受け入れつつある自分に嫌気がさしながら大人しく従うことにした。


数分歩いた先で外に出る、崖側の洞窟に隠れていたようで冷たい風が頬を撫でる。

「術力とは人間で例えると体の中に流れる血という液体と同じものであり、ありとあらゆる物体に流れています。

これを意識して抑えたり肉体に纏わせたりすることで様々なことができるんですよ。」

2人の護衛に前後を挟まれながら暗い夜道を歩く。

「僕の術式は術力を光に変える能力、光を物質化させることもできるみたいなんだ」

親友はそう言いながら体を淡く発光させている、まだ手に入れたばかりなのにもう光量を調節できるようで指の先をチカチカと照らしながら森の地面を小さく照らしている。

「光の物質化?」

「有名なのだとライトニングセーバーだね」

「なるほど」

前後で挟まれているせいで思うように会話ができない、面倒だが防衛されている限りはある程度は問題ないのだろう。

歩く道中は見たこともない地形に翻弄されながらも親友に術式をどうやって手に入れたかを聞いていく。

本当に世界に対して祈るだけ、正確には聖者もしくは悪魔による許可が必要らしいが目の前の骸骨がどうやら姫であり聖者のようでそこは問題がないようだ。

心の中で“元の世界"に対して祈りながら歩いていると唐突に目の前が真っ暗になる。

「…はっ?」

考え事をしていたせいだ、反応が遅れてしまい周囲を警戒しながら武術としての構えを取る。周囲にあった親友や骸骨、森の気配は一切ない。

頭に突如として理解不能な言語、そして意味不明な単語の羅列と映像が頭に流れていては意識を失う。




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