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月並みな人生を歩んでいたおっさんがゲーム的な異世界に飛ばされて思慮深く生きつつやっぱり無双したりする話  作者: 次佐 駆人


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2章 城塞都市ロンネスク 10

とりあえずネイミリアを連れて近くの森へ行き、互いの魔法を見せることにした。


森までは走ったが、ネイミリアがしっかりと走りについてこられるのは驚いた。


どうやら風魔法で追い風を作って補助としているらしく、真似をすると走るのが格段に楽になった。


空気抵抗とはかくも侮りがたいものか。


イージーなスキル能力を持っていても、やはり学びは必要である。




「一旦小休止しよう。ああ、その間にスキルを見せてもらっていいかな?」


森の入り口で、少し息を切らせているネイミリアに声をかけた。


「スキルを見る……とはどういうことでしょうか?」


「実は相手の能力を見ることができるスキルを持っているんだ。とはいえ勝手に見るのは申し訳ないからね」


そう言うと、ネイミリアは目を見開いた。


「そっ、それはどのようなスキルなのですか!? 相手の能力を見抜けるなど、聞いた事がありませんが!」


「え? 犯罪者を見抜ける道具はあると聞いたけど……」


「あの魔導具はそこまで汎用性があるものではありません。スキルを見抜ける魔道具なら、人族の王家に伝わっていると聞きますが」


やはり『解析』は激レアスキルだったか。しかし王家にそんな魔道具があるのか。要注意だな。


「なるほど……。ああ、済まないがこのスキルについては説明できない。教えたくないわけじゃなくて、俺にもよく分からないんだ、なぜこんなスキルを持っているのか」


「それはまた面妖な……お話ですね。分かりました、どうぞ御覧になってください」


「それでは……」




-----------------------------


名前:ネイミリア ニルア

種族:エルフ 女

年齢:37歳

職業:ハンター(魔導師) 6級

レベル:35

スキル: 

格闘Lv.2 短剣術Lv.2 杖術Lv.4 

投擲Lv.1 四大属性魔法(火Lv.6 

水Lv.7 風Lv.8 地Lv.7)

生命魔法Lv.3 算術Lv.3 魔力操作Lv.3 

魔力増大Lv.3 魔力回復Lv.3

毒耐性Lv.2 炎耐性Lv.1 衝撃耐性Lv.1 

状態異常耐性Lv.2 言語理解 

気配察知Lv.4 暗視Lv.4 隠密Lv.7 

俊足Lv.2 瞬発力上昇Lv.2 持久力上昇Lv.2 

   

称号: 魔導の才 


-----------------------------




自分のステータスのせいで感覚が若干麻痺している俺が見ても、かなり高いスキル群である。


というか協会の3級ハンターより明らかに上、もしかしたら2級以上がすでに狙えるレベルなのではないだろうか。


年齢はエルフだから見た目とは合わないということなのだろう。


隠密については、初遭遇の時に察知できなかったことを裏付ける高さだ。


それ以外は魔法特化型のスキル構成のようである。


「いや、これ俺から教わる必要あるのか……?」


「もちろんです。最低でも雷魔法はお教えいただかないと森には帰れません」


「そうか……」


直立不動になるネイミリアを促し、俺は森に入っていった。






わざわざ森に入ったのは、魔法を使っているのを他の誰かに見られるのを防ぐためである。


森に入ってまずはネイミリアの魔法を見せてもらったが、スキルレベル通りの威力を持っているようだった。


例えばストーンバレット(エルフでは『岩砕穿(がんさいせん)』と言うらしい)は間違いなくオーガを一撃で倒せる威力がある。


というか、逢魔の森のモンスターも余裕で瞬殺できそうだ。


ウォーターレイ(エルフで言う『水流撃』)は電柱くらいの太さがあり、直撃すればワイバーンでも飛行に困難をきたすレベル。


ファイアーボール(同『火焔弾』)は森が火事になるのでやめておいたが、どうやら直径1メートルくらいの火球を飛ばせるらしい。


それ以外にも四大属性を複合した魔法をいくつか見せてもらうことができ、逆に俺の方が勉強になってしまった。




一方で俺の魔法も一通り見てもらったが、レパートリーは少ないものの威力が桁違いに高いため、ネイミリアはいたく興奮しているようであった。


スキルレベルがそこまで変わらないのに威力が違うのは、恐らく体内の魔力量が違うからだということであった。


あと『魔力圧縮』のスキルの効果もありそうという話をしたら、それもかなり興奮して知りたがっていた。


『魔力圧縮』については自分としては珍しくコツのようなものが分かっていたのでそれを伝えたら、ネイミリアは1時間ほどの修練で身に付けた。


俺みたいなインチキイージー野郎とは違い、この少女は本来の意味で天才であるようだ。


しかしその天才も、さすがに雷魔法はすぐには身につかなかった。


今後に期待である。


森に入って3時間ほど経ったところで、俺たちは一度街に戻ることにした。

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