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月並みな人生を歩んでいたおっさんがゲーム的な異世界に飛ばされて思慮深く生きつつやっぱり無双したりする話  作者: 次佐 駆人


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18章 → 19章

―― サヴォイア女王国 首都ラングラン・サヴォイア 

   ラングラン・サヴォイア城   女王執務室


「……そうか、クスノキが『邪龍』をやってくれたか。『使い手』を見つけた上にそのまま討伐まで完遂するとはな」


「彼が『厄災』の中心にいるという陛下の読みが的中した形になりますな。私もこの歳になって初めて神の存在を信じたくなって参りました」


「くっくっ、そうだな、あの男は本当に神の使いなのかもしれん。そうでなければ説明がつかぬことが多すぎる」


「まことに。ところで『聖弓の使い手』なのですが、やはりエルフ族でございました。ネイナル・ニルアという女性だそうです」


「やはりニルア氏族か。あそこの長は女傑として有名ではなかったか?」


「『弓魔(きゅうま)』ユスリンですな。私も『使い手』は彼女かと思っていたのですが、違ったようです」


「ふむ。エルフは皆弓を人並み以上に扱うのであろうから、誰がなってもおかしくはないといったところか」


「そうですな。もっともエイミによればネイナル女史は弓が苦手で、実際に討伐をしたのはほぼクスノキ卿の手腕によるそうですが」


「クスノキに与えねばならない褒賞は増える一方だな。今回のことを公にすれば、あの男を『危険視』する者が一気に増えそうだ」


「この度の『邪龍』騒動は被害が極めて少なく済みましたからな。表面上は大きな褒賞を与えない、という手もあるかと」


「なるほど、実は『邪龍』はそこまで脅威ではなかった、故にクスノキの功績は大きく評価しない、と見せかけるわけか」


「さすれば彼への風当たりは弱くなるでしょう。ただ彼と『使い手』が納得するかどうか」


「クスノキはむしろそれを望むだろうよ。『使い手』もエルフであれば爵位も土地も望むまい。じいの策でいくとしよう。『厄災』を過小評価することになるのは気になるが、クスノキを妨害されるほうが問題が大きい」


「賢明かと。それから彼はどうやら魔王軍の女四天王をも手中に収めているようでして、どうやらそろそろ魔王軍が動き出すとの情報がもたらされたようです」


「……情報の出所については不問に付すとして、その情報は確かなのか?」


「それは彼に直接お聞きになったほうがよろしいでしょう。実はすでに勇者パーティを連れて首都に入っております」


「まったく、そういうことは最初に言うものだ。ならばすぐにクスノキを呼べ。今後の予定はキャンセルもしくは先送りだ。早めに側室候補をこれ以上増やさぬように申しつけておかねばな」


「陛下のその冗談も、そろそろ本気かどうか判断がつかなくなりそうですな」

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