16章 → 17章
―― とある双子の会話
「わたしたち『光の巫女』っていうのになったけど、これからどうなるのかな? セラフィは何かお父様から聞いてる?」
「ううん。私は『光の巫女』になったのはシルフィより後だから……。でもこれから話があるでしょうね」
「またあの変な……『暗示』とかいうのかけられるのかな」
「それはないみたい。クスノキ様に一回解いてもらったら、もうかからないって言ってたわ」
「そうなの? それならいいけど……。でも、やっぱり『闇の皇子』っていうのとまた会わないといけないんだよね、きっと」
「そうね。そういえばシルフィは会ったのよね。怖かったでしょう?」
「すごく怖かった。けどクスノキ様がいてくれたから。初めて会った人なのに、なんかすごく安心できたの」
「それは分かるわ。『暗示』を解いてくれた人だからかもしれないけど、一緒にいると安心できる人よね」
「1日しか会ってないのに不思議。あ、もしかしてこれって、物語にでてくる運命の出会い……かも」
「それは……っ、ちょっと違うと思う……けど……」
「違う? じゃあセラフィはそうなのかも。でもわたしは運命の出会いだと思っていいよね。だって戦ってるところすごく格好良かったし」
「それは関係ないと思……、えっ、シルフィはクスノキ様が戦っているところを見たの!?」
「うん。手から赤い光を出してバーッてやっつけちゃったの。それから白い光も出してドカーンって『闇の皇子』を吹き飛ばしちゃったよ」
「ううっ、ずるいっ。私は気を失ってて見られなかったのに……。次に会う時は見られるといいな」
「でもわたしの運命の相手だからね?」
「だからそれは違うから。出会ったのは私の方が先なんだし……」
「それは関係ないと思う。次会った時に聞いてみるね」
「ええっ!? それは相手に聞くことじゃないからダメよ。でもまた会えるといいわね。それまで二人で頑張りましょう」
「うん。『光の巫女』とかもよく分からないけど……今度は自分が何をしてるのかよく知らないとだめだし……」
「そうね。お父様が何を考えていらっしゃるのかも知らないと。こんな時、お母様がいらっしゃってくれれば……」




