平和な世界
久々の更新...
こんにちは世界。
っと、あいつはなんだったんだ。
あんなヤバいやつはほとんど見ない。そんなことを考えながら状況を整理する。どうやら、わたしは駅のホームにいるようだ。
「一番線に電車が参ります...」
駅のアナウンスが聞こえる。なるほど。とりあえず電車に乗ってみよう。どうやら朝の通勤ラッシュのような時間帯だ。それでも人が少ない方なのだろうか。
見慣れない景色が窓の外を通る。そろそろ次の駅に着く。そのとき——
「ひったくりだ!」
大声が響く。
私はその意味を理解すると同時に走る。しかし私は運がいいのだろうか。電車はちょうど駅に着いたところだった。
いや、運が良ければ電車にひったくりが出てくることも、私がひったくりだと思われることもなかっただろう。
...そんなことを考えるよりまずは逃走に集中しよう。追ってきているのは数人、全力で走れば撒けるだろう。次の問題はこの体だ。私はこの体に入ってきた。この体の能力はあまりわかっていない。
もううんざりだ。こんなことばかり。私はただ平穏に、何も変わらず生きていきたいだけなのに。
そんなとき、頭の中に声が響く。
「あなたは、□□ですね。」
私は気づくと真っ白な何もない空間にいて、目の前には□□がいたんだ。
あれ、思い出せないな。□□ってなんだっけ?
まあいいや。それで、私は前世が□□□だからと、次のチャンスをくれた。いわゆる転生だ。死ねば何度でも次の世界にいける。それとそのときにチートなスキルの代わりに、このナイフを貰ったんだ。
正直このナイフを選んだ理由は覚えていない。もっといいのがあっただろうと思うが、後の祭りだ。昔のことを考えるのは良くない。
それはそうと、このナイフはなんなのだろうか。私も使いこなせていないのだが、とりあえず分かっていることを整理しよう。
このナイフは私の手...まあ、今回の手と同じくらい。まあ刃渡は15cmちょっとといったところか。そして、なんか黒い禍々しいオーラを纏っている。
次に、このナイフは自分にしか見えず、自分にしか使用できない。また、このナイフは自動で謎の世界に収納できる。(もちろんナイフ以外は収納できない)まあ、だから前回...前の世界での使用法に落ち着くわけだが。
ここらで一旦状況確認。うん、もう後ろに追ってきている人はいない。駅のホームは強行突破したし。にしてもこの体はかなり強いな。何か運動でもやっていたのだろうか。
この世界は安全そうだし、しばらく暮らしてみてもいいかもしれない。何回か転生を繰り返したが、こんな風に平和そうな世界は初めてかもしれない。
いきなりひったくり扱いされてるって?
まあ、前々回は殺人犯扱いされて必死の逃亡も虚しく世界に来てから3日で死刑になってさようならしてしまったからなんとも言えない。
さあ、生きるのには衣食住が必要だ。この体の持ち主は学生だろうし、家はどこなのだろうか。
っと、着信。
『あなたは電車で強盗をして、その相手に怪我を負わせたそうですね。その相手は骨折して、全治二ヶ月だそうです。もうあなたはなぜそう問題を起こすのでしょうか。もう家には帰ってこないでください。』
おいおいマジかよ...ひったくりの被害者(一番の被害者は私だが)は「あいつが犯人だ!」と言いながら走ろうとして、そのまま転んで頭ぶつけてたあいつだぞ!?なんでそんな奴のせいで家から追い出されなきゃならんのだ。というかそもそも親がそんなんで大丈夫か?
まあいいや。明日からどう生きていくかを考えよう。
また明日。