第11話:最終決戦
俺が下界に着いた頃には、グニトが血まみれで倒れていた。
「グ、ニト……?おい!グニト!?」
横に佇んでいたリタースを責めそうになる感情を押し殺して尋ねる。
「……何があった」
「それは……」
「答えろリタース!ここで何があったんだあ!?」
リタースは溢れ出る涙を拭いながら告げた。
「……一撃だった。あいつは透明になっていたにも関わらず、『源流狩り《オリジンハンター》』はその透明状態を貫通するかのように腹を貫いたんだ……」
「分かった。もういい」
死んだグニトの両目を優しく閉じて、俺はライトに向けて宣言した。
「"おまえを殺す"」
そんな俺の言葉に呼応するかのように『セカイ』からの声が聞こえてきた。
《報告:仲間の死により源流能力 の一つ『破壊』をライト=アジから獲得しました。これよりこれら全てを統合し、アトランティツ・ミラスティスを獲得可能。実行しますか?》
その問いに、俺は迷わず答える。
「ああ。奴を葬れるだけの力をくれ!」
《本人の認証が完了しました。アトランティツ・ミラスティスを『セカイ』のプログラムへ埋め込みます》
そして俺の中に『透明な何か』が流れ込んでくるのを実感した。
「これが……!」
この力の詳細は今は後回し。これだけの力があれば奴を葬れる。俺はそう確信したのだった。
行間7
《統合完了。これにより『禁忌教典』を獲得可能。獲得しますか?》
これで、全てが終わる。
《本人の認証完了。『禁忌教典』を獲得しました》
「決着をつけようぜ。叶世!!」