第10話:進展
俺は『情報閲覧』を行使して、『創造主』の棺桶まで辿り着いた。
そして俺はゆっくり開ける。
そしてやはりと言うべきか。人の遺体は入っていなかった。
だがその代わりに、
「これは、日記帳か?」
片手サイズの白い日記帳が添えられていた。
俺が日記を取ると──
《報告:神無月叶世が『創造主』の日記を手に入れました》
という『セカイ』の声が聞こえた。
「……もしかして」
俺は日記をパラパラと捲り、白紙の中に1ヶ所だけおかしな点を見つけた。
「これは……」
ページの端が少し切れていたのだ。
「俺はこの切れた切れ端から生まれた存在。だとしたら」
心臓の鼓動が速くなる。俺は再び奴の目的について考えた。
「"奴が『源流狩り』をしていたのは単なるパーツ集め。この『セカイ』の核となる能力全てを1つにして『セカイ』に穴を開けること。『セカイ』に穴を開けられれば『創造主』が創り出したこの『セカイ』の『プログラム』に綻びが生じる。その一瞬をついてた奴は自殺しようとしているのか"」
俺は急いでグニトとリタースに連絡を入れる。
「グニト、リタース!今すぐ『神界』まで来てくれ!」
「どうした?何があった?」
「リタースか!?説明は後だ、今はグニトを連れて速く!!」
「分かった今そっちに向かう!」
電話を切り、猛ダッシュで『神界』から降りる。