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悪魔は指輪から

「おいっ!うるせえ…………ぞ……」


 汚れた黒い服を着た男、いやあれは俺を騙したやつだ。

 男は固まったまま動かない。

 俺も見たときはびっくりしたもんこの体。


「ばっ、化け物だ!!!!!!!!!!」


 ちょっと待った!追加で人来られたらたまったもんじゃない。

 俺は男を止めようと肩をつかんだ。のだが……。


「うあああああああああああああ、いっ、いてええええええええええよよよ!!」


「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


 男の腕が取れてしまい、一緒になって叫んでしまった。

 ど……どうしようこれ。


「なんだ、どうした?」


 もう一人の男も来てしまった。


「こっ……これは……‼」

「くそがあああ!!!」


 剣をとってきた男に対し『こっちに来るな』と手を仰ぐ!

 すると手から出た衝撃波が男をぶつ切りにした。


「きああああああああああああああああ」


 大量の鮮血が飛び散り部屋中が真っ赤になる。

 俺は震えた手を胸に当てて思う。

 どうやらとんでもない力を持ってしまったらしいと。


「こりゃあ派手にやったな」

「えっ⁉」


 誰だどこからか女性の声がする。


「ここよ、ここ!」


 俺は先ほどの人の骨に耳を傾ける。


「ちっがうわよ!あんたが指に着けてるものよ!」


「あっここ⁉」


 声の発生源は指輪からだった。


「やっと気づいたか」


 指輪が独りでに話している。

 どういうこと?


「あのだれなんですか?」


 気になった俺は指輪に問う。


「私は封印されていた悪魔よ!無礼な人間め、解いたからには代償を払ってもらおうかしら」


「もしかしてこの姿になったのってお前のせいか!」


「そうよ。助かったことに感謝しなさい!」


 なんかこいつ妙の上から目線だな。

 普通解いた人に礼くらいするだろ。

 俺はそっと指輪を取ろうとした。


「あー‼待って待って取らないで、外したらまた消えちゃうから!」


 どうやら封印が解けたというよりも付けている時だけ話せるようだ。


「っで俺のこの姿どうしたら元に戻るんだよ」


「そ、そんなの知らないわ」


 なんか怪しいぞ。

 俺は指輪を取る振りをした。


「わかったわよ!言うわよ!指輪を外すだけで元に戻るわ」


 あーよかった、一生このままかと思った。


「あんたこの世界の人じゃないわね」


 何でわかった⁉


「どうしてわかったんだよ!」


 俺は驚きながらに訊く。


「だってあんたにかかった呪いもう死んでてもおかしくないもの」


 はーーいいいいいいいいいいい???


「じゃあ何俺は後わずかで死にそうな危機一髪の状況ってこと?」


 ヤバい……。超不安になってきたんだが。


「そうじゃないわ。この呪いはね、生まれてすぐに取り付いてしまうものなの」

「だからあんたの年齢になるまでにはとっくにお亡くなりになっていてもおかしくないっていうこと」


 なるほど……。


「まぁ、そんなこと私には関係ない事だけど」


 こいつ!自分のことじゃないからって!

「どうしよっかなー。指輪とって後で川にでも落としておこうかなー」


「あーもう!すみませんでしたー!なにが望みよ」


 やっと話が進めそうだ。

 ――俺は彼女?に事の経緯をすべて話した。


「へーそんなことが」


「だからさ、俺の呪いを一緒に解いてくれよ」


「……いいわ。暇だし」


「本当か!」


 やったー!これで死なずに済む道ができる。


「だが、それと並行して私の封印も解くこと。いいわね?」


「わかったよ」


 しょうがないこんな状況だ。

 頼れるものなんて誰もいない。

 俺はその条件をのむことにした。


「それでまずは何から始めるのよ?」


「そうだなー」


 何も考えていなかった俺は取り合えずこの世界のことを訊くことにした。


「この世界って剣や魔法の世界なんだろ?」


「それがどうしたっていうの?」


「こう、自分の力が一目で分かるものってないのか。俺はこの世界でどのくらいの強さなのか知っておきたいんだ」


 なるべく早めにこういうことは知っておきたい。この力がすごい事なのは理解できたが先ほどの相手が雑魚だったていうこともあるしな。


「……あーそれはステバーね」


 彼女は少しの間悩んだ末に答えた。

 ステバーってステータスバーの略か。なんだかゲームみたいだ。

 剣と魔法がある時点でゲームか。


「それで?」


「ステバーにはいくつか項目があるの。



レベル      センス

体力       硬さ (いろいろ)

持久力      信仰度

筋肉量      暗記力


 レベルはそのまんまね。そいつの単純な強さを示すわ。体力はHPヒットポイントを持久力はス タミナ、筋肉量は力量、センスは技術、硬さは強固さ、信仰度は神への崇拝度、暗 記力は記憶力と思ってもらっていいわよ」


「もう一つ契約宗教ってのがあるのだけど今は特に考えなくていいわ」


 なるほど色々気になるところがある。

 暗記力って何?低いとバカなの?

 硬さ(いろいろ)ってなんだよ。


「っで、そのステバーってどうやって開くんだ?」


「ある程度慣れた人はやる必要ないのだけど、それまでは『いでよステバー!』っていえば出すことができるわ」


 なんかダサいな……。

 恥ずかしいがやってみるしかない。


「いでよステバー‼」


 ……………………………………。


「おいっ!なんも起きないぞ!」


「あれーおかしいわね。……あっ、あんた教会に行って登録してないでしょ?」


 登録?初耳なのだが……。


「ステバーを出すにはまず申請が必要よ」


 面倒草……。ああいうのって時間かかるんだよなー。

 結局教会には行くことになるのか。


 ――俺は他にもこの世界がどんなところなのか、彼女が何百年も前に指輪に封印されて記憶があまりないなど様々なことを訊いた。


「取り合えず教会に行くか」


 こうして俺たちは教会にステバーの獲得と更なる情報を求め進むこととなった


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