誘いを受けて
ダーツ関連のコンテンツって少ないなと感じ、試しにやってみようと考えました。拙さが目立ちますがご容赦ください。六割妄想の作品です。楽しんでいただければ幸いです
「ふぅ、また月曜から仕事かぁ・・・」と気怠げに会社に向かう私、小金井八雲。そこそこの大学を卒業後、そこそこの会社に入社して、朝起きて会社に行き夜に家に帰り寝るのを日常にしている根暗コミュ障である。どちらも脱却したいのだが・・・
「おいおい、辛気くさいこと言ってんなぁ~」との声と共に肩を組んでくるのは相良光輝。パリピ勢(だいぶ偏見あり)のナイスガイ。MMORPGで知り合い意気投合、オフ会にしつこく誘われたのを機会に参加したら同じ大学であり、なんやかんやと同じ会社に入社している同僚。何かと暗い私を明るい方へ連れて行ってくれるありがたい存在である。
「離れろ!暑苦しい」私は光輝の脇腹に親指を突き立てて脱出を試みる。
「あいたたた~、この対応どう思うよ、お二人さん?」と悶えながら同行者に話しかける光輝。
「あはは、相変わらず仲良いねぇ~」
「その対応でも許してくれると信用してるからじゃないかな?」
と質問に答えるのは神崎紬、神崎香織。春樹の幼なじみの双子美人。
光輝とMMORPGで固定PTを組んでいた二人であり、後から光輝に引っ張られて入った私にも優しく対応してくれて、私が戸惑わずに話す事が出来るようになった数少ない友人達である。
「平日の朝から余計な体力使わせないで欲しいものだね」と光輝に言うと
「休日でも家から出ないで寝てるだけだろ、お前は」と返された。事実であり、特にこれといった事もしないで気づいたら平日の朝になっている私にとっては手痛いダメージを受ける回答。
「そんな八雲に俺らがやってるゲームを一緒にやろうぜっていうお話だ!」唐突に私に誘いをかける光輝。
「今流行りのVRを使ってやるゲームだよ」と紬が続き「お試しだけでも平気だから、どうかな?」と香織が重ねる。
出社時間が迫り光輝が詳しくは昼休みにでも話そうぜ!と言い、またなと神崎姉妹と別れて共に会社に行く。
そして昼休み。
「よし、朝の続きを話していくぜ!」光輝がテンション高く寄って来た。
「VRを使うゲームって言ってたな」と返すと「まぁ、本来は現実でやる競技をVRにしたって感じだな」と返された。
詳しく聞くと誘っているゲームとはダーツであり、元々は現実でボードに向かい矢を投げるものだが、VRの発展によって体に障害があったり病気で病院から出られない人の為にというのを名目にとある資産家だかグループだかが開発に着手し、現役プロから引退した方々、アマチュアの有志、学者などが集まり現実と遜色ないくらいになったものだという。
ゴーグルと手袋、壁等に貼るスクリーンで構成されていてモーションキャプチャーや矢に触れている感覚になる技術などを盛り込んだ機材で遊ぶものであるらしい。謎技術だ・・・。
「時に八雲よぅ、ダーツについてはどれくらいの認識だ?」光輝が聞いてきたので私は自分の認識を語った。
たまに洋風ゲームやらアニメで見かける程度であり、現実ではバー等の飲み屋、ネットカフェにあり、夜のイメージ。ルールや専門用語は特に知らないと考えつく限りを回答してみた。
「まぁ、そんなもんだよなぁ。何にでも言えるけど、やれば面白さも判ると思うぜ!」
光輝はひとまずやってみないかと誘いをかけてくる。私は不思議思い、何故に私を誘うのかと問うと、光輝や神崎姉妹は現実でもダーツにはまっていているのだが、光輝は神崎姉妹に勝てず練習を行い技術向上を目指しているが一人だと集中が続かず対戦出来る知り合いが欲しいと言った。ダーツの腕はレーティング・RTというレベルで判断できて光輝は10で神崎姉妹は15なのだと事。
RTはざっくりと1~5が初心者、6~12で中級~上級なりかけ、13以上からはプロレベルと分類出来るのだそうだ。
初心者をCフライト・中級者をBフライト・上級者をAフライト・上級の中でも実力のあるものをSAフライトと呼称することで自分の実力を他の人にも理解して貰いやすい指標になるとの事。
確かになんとなくでも基準がある方が判りやすい。
「あとは、三人でやるより四人のほうがやれることの幅が広がるしな。ダブルスとか」ダーツの対戦形式だと1VS1あるいは2VS2が基本であり変則的に1VS2もやれはするがあまり多くはないという。今までは1VS1で対戦して余った方は練習かネット対戦をしていたというが、どうせやるなら一緒に楽しみたいとの気持ちが強くなってきてなぁ・・・と光輝は苦笑する。
「ふむ、正直興味が無いわけではないが、私はその機材やらなにやらを持っていないし、ざっくりと費用的にはいくらかかるんだ?」さすがに貯蓄が潤沢とはいえない現状で出費はあまり出したくない。光輝はあれがこうで~と少し考えてから
「ん~、諸々合わせて約五万ってところかな?」と答えた。
五万はなかなか痛い出費だな・・・。予定外の出費としては躊躇う額である。最新のハードとソフトという意味では妥当なのか?
「まぁ、結論を急ぐな!こっち都合で誘ってる訳だから、三万は俺が出す。」私の反応にを芳しくないと感じたのか、光輝が半額出すと提案してきた。光輝も準備はしていたようだ。
「急ぐつもりはないが昼休みも終わりそうだからな、結論でないともやもやする事になりそうなんでな。」
とはいえ、そもそもVRにも興味はあったし誘われているゲーム以外にも観光やら海中探索とかもあるだろうから、いつかは手を出していただろうし、ちょうど良い機会だな。
「よし、なら今日の仕事終わりに買いに行こうぜ!!」
「了解した。ならば着替えたら休憩室で待つとしよう」
話しも終わり昼飯を食べ終え、残業にならないように仕事を終わらせる計画をたてる。
仕事を終え、光輝と合流し店へ行き、必要なものを購入。少しゲーム棚を見ると、やはり自分がドローンになって観光地を見て回れるものや、地球に似せた星をかなりの自由度で冒険出来るというゲームもあり、次の給料がでたら買ってみたいものがいくつかあった。
「初期設定とか多少の設定作業はあるけど案内も丁寧だから問題は無いと思うぜ!今日は設定だけして明日やる感じでよろしく」
そういう光輝と別れ自宅に。
休日特にやることがなかったし久しぶりゲームをやるのは楽しみでもある。とりあえず少し時間がかかりながら設定出来ることはして、チュートリアルがあればやっておこうとゲームを立ち上げログインする。
パッケージはDEAPーダーツエンジョイオールピープル
EDAPだと印象悪かったのかな?
椅子やベットに座る等の楽な姿勢での開始を推奨されているのでソファーに座り、ゴーグルを付けて首の方にある留め具を調整して多少の動きではずれないようにする。手袋をはめて,DEAPのアイコンに視線を集中。ログイン画面になりゲーム開始。
半透明なゴーグルが黒塗りになり視界には自宅とは違う部屋が現れる。移動の手段は視線集中、ドアを見てチュートリアル室を選択。バーのカウンターのような場所へ。
「いらっしゃいませ、DEAPへようこそ」The・バーテンダーというようなナイスミドルが話しかけてくる。
「ここに来るのは初めてのようだけど軽い説明は必要かぃ?」
是非に!と口に出し、反応の無さに首を傾げて、現実で言葉にしても意味の無いことに気づいて、少々悶えながらはいを選択。
説明は進み、今いる場所とあるダーツバーをモデルにしている店内で人数制限はチャンネルごとに20人、チャンネルに鍵をつければ知り合いしか入れないようにする事も可能。20人以上のチャンネルは有料で課金が必要。一日~で申請可能。現実と同じようにダーツを楽しむも良し・会話に興じるのも良し、ダーツ談義に熱くなるも良しとのこと。あえて現実と違う事をあげるなら飲食が頼めない所だろうと冗談半分で言われる。
「最後にDEAP独自の仕様を伝えて終わりかな?」
DEAP独自の仕様にスキルがあるという。
スキルは様々なものがあり、自分の有利になるものや相手へ効果を及ぼすもの、あるいはそれらの解除などの効果があり、課金や現実のダーツバーやネットカフェとのコラボ、イベントでの配布などで入手できるらしい。
今回は初回特典として【+1ブル】という使用ラウンドの得点にブルを一度加えるスキルを貰った。スキルにはコストがあり使用制限はゲームルールやハンデなどで変化する。
「あぁ、そうだ。DEAPの移動先にインフォメーションがあるけど、その中にゲームの作者が考えや思い・願いを話すという項目があるのだけど、時間があるときにでも聞いてくれるとこちらとしてはありがたいねぇ。とりあえず簡単な説明は以上になるね。常連になってくれることを期待しているよ」
明日からは光輝に捕まるだろうし、まだ寝るまでには時間があり、興味もあるので、一旦DEAPをやめて飲み物等を用意してから再度起動する。
投稿って結構大変なんだなぁと実感しつつ、自身の文才のなさに絶望しています。
どこまでやれるかは分かりませんが、精一杯精進していこうと思っております。