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幼馴染に一万回フラれたので諦めたら急にモテ始めた  作者: 本町かまくら
終章 笑って、泣いて、また笑って
81/90

81 律が好き


 私は律が好き。



 この気持ちは、今も昔も変わらない。

 そして昔よりもずっと、この気持ちは大きくなっている。


 気持ちは雪みたいに積もる。

 解けることなく、風船みたいに膨らんでいく。


 だけど私たちは、数年という長い年月をかけてすれ違ってしまったらしい。


 どうしてこうなってしまったのか。

 原因はきっと私にあるんだと、どこか思う。


 だって私は気持ちを上手く伝えられないし、思ったことと逆のことを言ってしまうし。

 ほんとは甘えたいはずなのに、突き放してしまうし。

 ほんとは愛の言葉を言いたいのに、罵倒してしまう。


 なんて私は恋愛に向いていないんだろう、と思う。


 だからこそ。

 私には律しかいない。


 こんな私を受け入れてくれる、幼馴染の律しかいない。


 純粋で真っすぐな糸がこんなに絡まってしまったのは、私のせいだ。

 私の責任は、私が取る。

 小学生でもわかることを、分かっていながら今までできなかった。


 恥ずかしいとか、私は不器用だからとか。

 そんな御託を並べて自分を守ってた。正当化してた。


 だけどそんなの、もういらない。


 殻を破るときが来た。

 私の思いを伝えるときが来た。


 ――紅葉祭。


 私はここで、思いを伝える。

 そしてすれ違った私たちの恋を、約束を終わらせる。


 律が好き。


 この気持ちに変わりはない。


 私は律と、一緒に居たい。

 律と笑っていたい。

 恋人らしいことをしたい。

 幸せになりたい。


 もう不器用な私はいらない。

 決別の時。


 私は密かに準備を整えた。


 あとは二日目を、迎えるだけ。



「紅葉祭、開催だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」



 体育館が揺れるくらい熱狂する。


 ついに私の、勝負の時がやってきた。



 紅葉の葉はもう、散っている。




今日もう一話投稿あります

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