属性検査2
順々に進みワルーラ家のやつになった。神官と補佐の二人で属性検査は行うらしい。ワルーラは右手の人差し指をだす。神官はナイフで傷を作り、補佐が用意した紙に血をたらす。神官が鑑定(属性検査などに用いる魔法。神官は必ず取得している。)をしている間に補佐は傷に治癒魔法をかける。
「わざわざ魔法を…。」
「属性検査は貴族が多い。少しでも神官と貴族に争いの種を産まないように徹底しているんだ。」
「治癒魔法って補助魔法だよね?」
「うん。」
魔法には大きく主魔法と補助魔法がある。主魔法は火などの属性魔法のことで、補助魔法はヒールなどの回復系や速度アップの魔法など。主魔法は属性によって使えないものがあるが、補助魔法は誰でも取得できる。ただ簡単に取得できる補助魔法はあまり役に立たない。役にたつ補助魔法を取得するにはもともとの才能や適性があるか、努力するか。補助魔法に適性があるものは属性を持っていてもあまり力がない。
ゲームの世界でいうと、属性魔法をバンバン使うのが攻撃型魔法使いや剣士で補助魔法を使うのは賢者…みたいな?
お互いの足りないところを補充して過ごしているらしい。
「利き手の人差し指を出してください。」
ついにウィルのところにきた。ウィルの右手の人差し指から血が流れ紙に落ちる。血は紙に吸い取られていった。神官は紙に手を置き『鑑定』とつぶやくと紙に文字が浮かび上がった。神官は少し目を見開いたあとウィルに返した。次は俺の番だ。
「利き手の人差し指をだしてください。」
出すとナイフで軽くきられる。紙が俺の血を吸うのを軽く眺めた。
「自信あるのですか?」
神官に見られる。…話しかけてくるとは思わなかったな。
「それは魔王の子供だから…聞いたのですか?」
「まぁ、そうですね。」
「自信はないです。ただ興味はありますね。自分の力を知れる機会ですから。」
そういうと折りたたんだ紙を渡し隣の人を鑑定し始めた。紙はまだ見ない。ウィルにも見ないように言っていたため折りたたまれたまま。
全員の鑑定が終わる。
紙は持ったまま…はもちろん危ないため貴族は現代でいう指紋認証のようなシステム、魔法が使われた道具入れを持っている。
ウィルにも従者として持たせている。…見られるのは危険だから。
「ノア様!どうでしたか?俺は風でした!」
周りのやつも聞き耳を立てる。やはり、魔王の子供の属性は知りたいんだろうな。けど。
「申し訳ない。うちの家系、従者は決まりで屋敷に帰ってから見る決まりがありまして。」
そういえば、残念そうな顔をした。まだ何かを言おうとするワノールをバレないように遮り、会場から出た。
「お待ちしておりました。お入りくださいませ。」
もう、爺やは来ていて中に乗り込む。店まではまず馬車で移動する。第一に跡をつけられないため。
そして第二に。
「では、行きましょうか。」
そこにいるのは商人の身なりをしたお爺さんと、商人の息子の格好をした子供が2人。
そう、つまり変装である、