<終わりとこれからと>
「大丈夫か?」
「全く...。どうして無茶したんですか」
「まあまあ...。これが終わったら弁明タイムを用意するから」
「でも...。ありがとうございます、アカツキ様」
「様はやめろって...」
大聖堂に響き渡るヴァレクの絶叫が終わると二人は話し出す。
「仕方ないんですよ。これが依存の魔法なんですから」
...数分前
「おっさん、アスタにシラヌイ、オルナズも...。すまねえな」
アカツキは遠くから戦っている場面を見る事しか出来ない。
だが、もう戦う術を持たないアカツキは自分の仕事をするんだ!!と自分に言い聞かせる。
「ばれねえように...と」
あちこちに落ちている瓦礫に身を隠しながらアカツキは少しずつクレアに近寄る。
「ん?」
移動中に異変を感じたアカツキは直ぐ様瓦礫に隠れ、グラフォル達の戦いの様子をを覗く。
「なんじゃありゃ」
ここにいても伝わってくる程の熱気に目がチカチカするくらいの光に大爆発。
その爆音に乗じてアカツキは一気に差を縮める。
「多分結構強い魔法を使ったんだよな?だけど効くのか...?」
またコッソリと覗くと...。
「あぶ...!!」
大声を出そうとした自分の口を間一髪で手で塞ぐ。
油断していたアスタ達の後ろに居たヴァレクを知らせようとするが、それをやってしまっては意味が無くなる。魔法で声を変えている為、アカツキだとバレる事は無いが、自分の場所を知らせてしまったら作戦は終了だ。だからアカツキは目を反らした。後ろから聞こえるグラフォルの声も聞こえない振りをして、進む。
「ごめん...。本当にごめんな」
ただ謝ることしか今のアカツキには出来ない。
「早く終わらせねえと、皆が死んじまう!!」
少し焦り気味な気もするがペースを上げる。
その後は後ろから聞こえる叫び声も無視して、進み続ける。
「着いた...」
色んな事に蓋をして、アカツキはようやくクレアの下にたどり着く。
「クレア」
グラフォル達から聞いた彼女の名前を呼ぶ。
すると機械的な声で返答が帰ってきた。
「あなたが私の主ですか」
「は?」
何を言ってるんだ?
「あなたが私の主ですか」
「依存の魔法...。そういうことか!!」
アズーリの掛けられた依存は三つの物質の摂取。
そして今回の依存対象は人。
ヴァレクは自分に依存させる為に術式を作り出し他者にその者の決定権を委ねる依存の魔法を作り出した。
そうやって手に入れようとしてたのか...。
「あ...ああ。俺の名前は暁空...。いやアカツキだ」
「アカツキ...?」
一瞬だが機械的な表情に変化が有った。
「そうだ...」
だけどこのままで良いのだろうか...?
依存の魔法を解除しないとクレアには本当の自由が得られない。
俺が主になったら依存の魔法は完成してしまう。本当にそれで良いのか?
アカツキは悩みだすが、そこでもうひとつの質問を問い掛けられる。
「私に願いを言ってください。あまたが望むなら私はあなたの物にもなります。私を他の者に託すという事も出来ます。さあ...願いを」
他者に託すか自分のものにするか...。
これでヴァレクは自分に依存させる気だったのか?
しかしどちらにせよ人に依存させてしまっては感情の無いただの人形みたいになってしまうにではないか?という考えが浮かぶ。
「どうすれば....」
「願いは無いのですか?」
「ちょっと待っててくれ!!」
「了解しました」
再びアカツキは考える。
他者に託すか自分に依存させるか...。どの選択がベストなんだ?
くそ...。おっさん達の所に戻らねえといけねえのに...。
何も考えが浮かばない...!!
「さあ...何でも願いを」
「...え?」
聞き間違いか?
今さっきと違う質問をしなかったか?
「何でも...。何でも?」
これがヒントになった。
元々そういう風に設定されていたのか、クレアが助言をしたのか分からないが、確かな方法が見つかった。
「じゃあ願いを言う」
「はい」
「帰ってこい!!クレア」
「....」
駄目か?
しかしクレアは一瞬アカツキにも分かる笑顔を見せた。
「了解しました。それでは契約を結びます。私はあなたの為だけに生き、あなたの命令を聞きます」
「はい?」
ちょっと待て!?
願いで主を決めるんじゃ無かったのか!!?
「利き手の薬小指を」
未だに戸惑っているアカツキだがそこで大きな声が響く。
『あがあああああああああああ』
自分の声が自分に届いた。
何とも不思議な体験だが今回は冗談では済まされない。この声はアスタが苦しんでいる事を示している。
「ああ!!くそ!!」
アカツキは左手小指を差し出す。
そこにクレアは自分の小指を入れ指切りげんまんのようになる。
これが儀式となる。約束を守る為の大事な儀式をアカツキとクレアは結んだ。
「さあ主よ。もう一度願いを」
今度は自信を持って堂々と言う。
「クレア、帰ってこい。早く帰ってまたパーティーでもしようぜ」
そう言ってアカツキは笑顔を見せる。
「は...い。アカツキさ...ま」
クレアに表情と感情が戻る。
涙を流しながら、笑顔を見せ、感謝の言葉を言う。
「ありがとうございます。私なんかを....。助けてくれて」
「ああ...」
「私は...。死んでも良かったんです。もう誰も...。止めてはくれないし助けてはくれないと思っていたのに」
アカツキは泣き声混じりのクレアの言葉を否定する。
「よく聞けよ。お前はもう自分を騙さなくていい。誰にも止めてはもらえない?助けてはくれないと思ってた?死んでも良いと思ってたなら屋敷から出た後に死んでも良かったじゃないか?なのにお前はヴァレクの下に戻って依存の魔法を掛けられた。そこで助けてはくれないと思ってたならお前は今頃ヴァレクの忠実な物になってる。だけど現実は違う。お前が少しでも長引かせる為に抵抗してたんだろ?ならお前は心のどこかで助けて欲しかったんだ」
「....」
「全てを諦めんじゃねえよ。人間なんて諦めの悪い奴ばっかだよ。お前も俺も結局は同じ人間だ。だから信じろ。嘘なんか着いてたらどこかで嘘は何倍にもなって帰ってくるぞ。だから...。もう少し本当の事を言えよ」
アカツキがそれを一番知っている。
自分の嘘が多くの人を傷つけ、罪もない人も殺してしまった。
今回の教訓と言ってもいい。その場限りの嘘は後々自分を苦しめる原因になる。
「分かったか!!」
「は...はい!!」
勢いに流されクレアは約束した。
「約束したかんな!!俺もお前には隠し事はしないからお前も俺ぐらいには隠し事をするな!!」
「また勝手な約束を...。でも分かりました!!アカツキ様には隠し事はしません。契約に誓います」
「よろしい!!...なあ?様はやめてくれないか?」
「え....?」
もう一度クレアはアカツキの名前を呼ぶ。
「アカツキ!!さ...ま」
「どうした?」
「駄目です...。何故か様呼びが...?」
「依存の魔法の作用の一つか?」
「多分....」
「まあ良いや。それよりも早くヴァレクに姿を見せんぞ!!」
クレアの腕を引き前に進もうとするが...。
「あの...。せめて上着とかズボンをくれませんか?」
「あ...ああ。悪い」
自分の上着とズボンを貸して俺は黒服奴等が着ていたズボンを履いた。
...そんなこんなで現在に至る訳だが...
「返せ返せ返せ!!」
「だそうだ、クレアさん。どう思いますかね?」
「嫌です」
即断だった。
「お..おう。随分早いご返答で」
「何ですか?私を奪われてもいいんですか?」
「いやいやいや!!」
俺が振っといて何だが俺はなにしてんだ?
「ヴァレク、これでお前の作戦も失敗。どうする」
「くふぅぅぅ....!!お前を殺して我がクレアを奪い取る」
「だろうな」
「僕の物だ、我の箱だ!!」
精神がバラバラになっていくヴァレクとツァリパ。
お互い共通しているのはクレアを奪い取る事だ。だがアカツキによって依存の魔法は完成された。
「無理やり上書きすれば問題ない!!我がクレアを貰うんだ」
「大分ご乱心のようで....」
口調が変わっていきながら怒りを露にする。
「ヴァレク!!魔道具兵を動かせ!! 分かってる!!」
お互いのバランスが悪くなってるな...。
もう少し揺さぶればいけるかもしれない。
「起動コード2148!!全魔道具兵はアズーリの屋敷を攻めろ!!」
「まじかよ!!」
こっちに呼ぶんじゃなくて、アズーリ達を人質にする気か!!
「あは....。ははははははは!!さあどうする!!?今箱を渡せば屋敷への攻撃を止めてやる!!さあどうする」
「起動コードがあるなら...!!」
「アカツキ...。停止コードは17956325だ」
傷口を押さえながらアラタは大声を出す。
そう!!当然停止させる為のコードもある!!
けど!!
「どうすれば止められんだよ!!」
「核だ...。魔道具兵に命令を出す核にコードを言えば止められる」
「ありがてえけど!!こっからアズーリのとこまでは時間が足りねえ!!」
今回ばかしはどうにもならないと思っていたアカツキ達に聞き覚えのある大声が聞こえる。
『はははははは!!聞かせてもらいました!!屋敷の防衛担当ドレク様が全部聞かせてもらったぞ!!』
「まじか」
「またあいつかぁ...。シラヌイのポケットに忍ばせていたのか」
「だが...。1万の魔道具兵だぞ?その中からどうやって...」
『党首!!そこも問題ありませんよ!!なんせ天才ドレク様ですから!!魔道具兵の格となれば魔力も当然周りよりも高い!!けど十万も居たら見つけづらい...。という事で発明してやりましたよ!!クセルさんの唾液に毛髪に細胞を組み込んだ魔力センサー。本人以上の魔力探知の性能を誇る大発明!!』
「ねえグラフォル、こんな事言うのもあれだけどアイツって僕たち全部の血液とかも...」
「やめろ...。それ以上はダメだ」
一気に場の空気がどんよりとなる。
しかしそのなかでヴァレクだけは違った。
「だからどうしたと言うのだ!!十万の魔道具兵の中から見つけれたとしてもどうやってたどり着くと言うんだ!!」
『その声はヴァレクか。まあその点も完璧、戦線離脱の際に数体の魔道具兵を回収した。既に術式も変えさせて貰った、これで安全に核に近づける!!こっちは数分耐えるだけで勝利!!』
「無駄だ!!そんな簡単に魔道具兵を倒せるはずが...」
『こっちの戦力を知って言っているのか?メイド長とアスタさんの姉上である副メイド長。アスタさんの姉上は当然魔法の扱いもアスタさんとまではいかないが魔法に長けている。メイド長に至っては巨人族の血を受け継いでいる。とうぜん土がある場所では無敵ですが?』
「化け物ばっかだな」
「そうですね。巨人族と言えば神に選ばれし種族とまで言われています。雷を操り海以外では無敵の陸上生物最強の種族ですよ?」
「会ってみたいなぁ」
完璧に戦況がひっくり返ったようだ。
黒服は軒並み殲滅され、頼りの魔道具兵も直にドレクによって無力化される。
残る戦力はヴァレクことツァリパにジューグの二人のみだ。
「ごみどもが!!!この場で全員殺した後にアズーリ達を殺せば問題ない!!それだけだ...。はは...。それだけでヴァレクお前は勝てるじゃないか...」
「狂ってるな」
「ツァリパ!!全員生かしておく必要は無くなった!!ここで殺すぞ!!」
そう言うとヴァレクは再び禍々しい魔力を纏い、臨戦態勢に入る。
「くそ!!まだ戦う気かよ!!」
「そうだ僕は勝てる。僕は勝てる。はは...」
ヴァレクはふらふらしながらアカツキに詰め寄る。
「死ねえええええええぇぇぇぇ!!」
その爪で切り刻もうとするがアカツキの一歩手前で謎の魔法が発動する。
それは白い光を放ち、ツァリパの爪を浄化していく。
「どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!何故裏切ったジューグウゥゥゥゥ!!!」
どうやらこの魔法はクレアに付与されていたらしい。
そしてその魔法を付与したのは仲間であるはずのジューグ。ヴァレクはショックよりも先に怒りが沸いてくる
「全員敵だ!!あいつもお前も!!皆殺しにしてやるうううううう!!!!」
浄化され半分人間の手に戻りつつある左手。
ヴァレクはまだ浄化のされていない右手でアカツキに攻撃を仕掛けるが、今度はアラタによってその攻撃は防がれる。
「グラフォル...。剣を借りるぞ、お前らはグルキスを背負って逃げろ...。数分なら足止めを出来る。オルナズの馬を使えばすぐにアズーリの下に着けるはずだ...」
「そしたらお前はどうすんだよ!!」
「どうせこの傷じゃルカでも治せない。まだグルキスぐらいの傷なら助かる...はずだ」
穴の開いた腹を押さえながら苦しそうにするアラタ。
その傷の深さと出血量がもう助からないという事を物語っている。
「頼むぞ...」
「どうすんだおっさん」
「....行くぞ。アラタが最後に願った事だ、もう俺は止めはしない」
「良いのか」
「うるさい。何年も付き合った仲間の最後の願いだ」
「悪い」
アラタがヴァレクの猛攻に耐えている中アカツキ達は大聖堂を後にする。
「君だけで数分も持つわけが...!!」
「喋ると隙が生まれるぞ」
片手で剣を使っているアラタとヴァレクの実力は意外な事に均衡していた。
最後の命を振り絞って戦うアラタと逆転の連続で上手くツァリパの力を扱えないヴァレク。
「は...はー...」
「どうした!!?息が切れてるじゃないか?その程度の力で僕と戦えるはずがない...だろ!!!」
ヴァレクが放った爪は今度こそアラタの心臓を突き抜ける。
ああ...。
もうこれで終わりだ。この世界での出会いが今の俺だ。
グルキスにルカにグラフォルにシラヌイにオルナズにアスタ、そして...アズーリ。
この世界に来てもう十年は経ったか?
アズーリの為に戻ってきたが、結局は会えず仕舞いか...。
それで良いのか分からないが、やはり悔いは残るな。最後くらい自分の思いを伝えたかった...。
長い間言えなかった本当の思いを。だけどもういい。
仲間を守って死ねるんだ。これで...。これで...。
やっぱり嘘はつけないな。正直心残りで仕方ない。ちゃんとアズーリは生活していけるだろうか?
悲しまないで生きていけるだろうか?
俺の事を最後まで...愛してくれるだろうか。こんなバカな俺を....。
「あはは..はは!!殺してやった!!後は逃げた奴等を全員殺すだけで...」
『やっと見つけた』
「....まさか!!どうしてだ!!なんでここに居るんだ!!」
それは世界で最も聞き慣れた声。
誰よりも聞いてきた彼女の声。
「アラタ...。やっと見つけた」
「アズーリ...か?」
隣に立っている女性に問いかける。
「もう僕の声を忘れちゃった?いや...」
「私の声を忘れたの?」
聞き間違えるはずがない。
この人を守るために生きてきたとも言える。
だからこそ...。来てほしくなかった。
「に...げ...ろ」
「大丈夫。すぐに終わらせるから」
「危...険だ..ぞ」
途切れ途切れのか細い声で警告をするが、アズーリは逃げる事をしない。
「ヴァレク...」
「どうやってここまで来た」
「言えないよ。それが彼女との契約だ」
「そうか...。なら死ね」
兄妹とは思えない会話だ。
ヴァレクは黒い槍を生み出し、照準を定める。
「邪魔な遺伝子はここで排除してやる」
「やってみなよ」
「どこまでも....!!いつまでも自分が上だと思うなよ!!今の僕は悪夢の体現者!!もう誰にも負けない力を持った神に近い男だ!!」
「愚かだね。そうやって欲しい物を手に入れるだけで君は何かを作ろうとはあまりしない。唯一認めるのは依存の魔法。これだけは認めるけど、それ以外は他人の知識から奪ったものだ。それなのに勝てると思ってるのかな?」
ヴァレクは怒りが限界を超える。
今の自分の魔力量と姿を見てなお余裕ぶっているこの女が許せない。こいつのせいで全てを台無しにされた。だけど今回は違う。今回の主導権は自分が握っている。
「さっさと消え失せろ!!!!くそ女がああああああ!!!」
「真正面からの単純攻撃...。進歩してないね」
「今のお前にはどうにも出来まい!!この力を打ち消す魔法など...」
『ホーリーカプセル』
「な...!!」
『ホーリープロテクト』
二重の結界でヴァレクを封じ込める。
「僕がなんの対策もなしにくるはずがない。自分の力を過信しすぎたね」
『ヘブンスフィア』
ヴァレクの体を光の最上級魔法で封じ込め、天に続く光の道を作り出す。
「研究の末に完成した魔法だよ」
「やだ...!!やだ!!」
「君の奪った神の悪夢を直接返してくるといい」
「我!!僕は!!こんなとこで!!」
少しずつ上昇していく光の球体に背を向けアズーリはアラタに近寄る。
この光の道の先には女神が待っている。
ヴァレクはそこで己の罪を罰せられ、悪夢を返還し、ただの人間として現世に戻ってくるだろう。そして捕まえた後は会議によって全てを決めるだろう。過去の暴動に関わっていた事や親殺しの罪をこちらの世界でも罰せられる。それがこれからの彼の人生だ。
「アラタ、遅れてごめんね」
「ど..うして...来た..!!」
「あなたを助けるため、女神との取引で得た知識を基に作り上げた再生魔法」
「取...引?」
「そう、アカツキを使い無理やり空間の歪みを作り上げ、この世界に干渉出来るようにするため。私は多くの犠牲を払い、ここまで来たの。その傷を治す為には大きい代償が必要」
そこでアラタは一つの魔法に思い付く。
寿命と引き換えに他者を復活させる魔法。それを使えば術者は死に至る。
「やめろ!!」
「大丈夫今回の魔法は私の寿命の半分をアラタに注ぎ込むように改良したから」
そんな事をアラタは望んではいない。アズーリには長い間生きて欲しい
今までずっと苦しんできた。農業都市のNo.1となるはずだったのに逆に奴隷にまで落ちていった。
そこから這い上がりここまで来たのだろう。アズーリが苦しんでいる間に近くに居てやる事すら出来なかった自分なんかの為に命を削るなんてことは絶対にしてほしくない。
「やめろ...。アズーリ」
「駄目。貴方は私の戦わないでって言ったのに連絡すらせずに居なくなった。だから今度は私が勝手にやらせてもらうんだ」
アズーリは身動きの取れないアラタの上に乗り、唇を近づける。
「ごめんね、アラタ」
唇を重ねあった後、アズーリは口の中を噛み血を注ぎ込む。
『エナジー』
小さく魔法を呟くとアラタの体を緑色の光が優しく包み込んでいく。
緑色の光は辺りを楽しそうに駆け回った後、アラタの腹に開いた大穴に吸い込まれていく。
すると異常なスピードで肉が盛り上がっていき、拳ほどのサイズで盛り上がると止まり、元の体に治していくように腫れが引いていく。
「お帰り...。アラタ」
アズーリが初めて心の底から笑顔を見せる。
遂に長かった暴動編も終了!!
後は旅路の物語とかを3話くらい書いたら二章へ!!
当初の目的の20話を大幅に越えてしまった...。
一つの都市の話が長くなりすぎると色々と大変なので話をまとめる力もつけないと...!!