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遥か彼方の浮遊都市  作者: 神羅
【農業都市】
29/186

<不死の一族 ルカ・ヴィーテス・ゼッタ>

「アカ...ツキ?」


突然の乱入にアラタは驚きの声を弱々しく上げる。


「ああ...。随分とぼろぼろじゃねえか」

「ルカと...ナナはどうした」

「大丈夫だ、黒服の奴等に襲われてたから、助けてやったよ」

「そう...か」


# ######


【数十分前】


「はあ...。はあ...。あっちはあんまり走るのは得意じゃないだけどな」


ナナを背負いながら走っている分更に体力を使う為、息を切らしながら走っている。

そんな中ナナは目を覚ます。


「ル...カ?」

「起きたみたいね。ナナ」

「二人とも残ったんだ」


今の状況を確認したナナはか細く悲痛な声で喋る。


「はあ...」

「もう行かないんだ」

「私は足手まといだから、行っても邪魔になるよ...。本当にいつも厄介事ばかりして...。私は...」


ルカの背中に顔を埋めながら、自分の弱さに嘆く。

いつも三人に付いていくだけで、自分から行動しようとしなかった。

昔から自分で考えてた行動すると、必ず悪い方向に向いてしまう。何度も何度も三人には助けられてばっかりで恩返しなんて一回も出来なかった。


「今回も皆で逃げてたら...!!」

「そうだね。皆で逃げてたらこんな事にはならなかった」


ルカは「だけどね」、と言葉を続ける。


「ナナが私達を助けようとしてくれたのはとーっても嬉しい。だからシンもグルキスもあなたを助けに行ったの。ナナはそれでも謝りたいなら、ちゃんと全部終わったら謝りなさい。二人を信じる事くらいはできるでしょ?それにナナは生きてくれていればグルキスもシンも嬉しいと思うよ」

「なんでさ!!!こんな私が生きてて嬉しいはずなんてないよ!!」

「それはナナの勝手な思い込みよ。グルキスから見たらあなたは大事な存在。私達よりもずーっとナナの事が好きなのよ?」


ナナには何故そこまで自分がグルキスにとって大事な存在なのか理解出来ない。

ただの奴隷だった自分を引き取ったのもそうだ。昔からグルキスはナナの事を見ていた。


「どうしてなの?...グルキスの邪魔ばかりしてるのに...」

「ナナには言ってなかったものね。グルキスの妹の話を」

「グルキスに...?」

「そう...。グルキスがあなたを守る理由よ。とても悲しい兄妹のお話」


全てを知った。

たまに見せるグルキスとは違う人格が生まれてしまった理由も。

やっぱり全ての始まりはヴァレクとジューグだった。この壊れた世界を作ったのもジューグの提案した奴隷制度のせい。悲劇ばかり起きたのはヴァレクのせいだった。

長い間会えなかった悲しい兄と妹。三年だけの幸せな時間。

一体妹を失ったグルキスはどれほどこの世界を呪ったのだろう...。

一方的な悪によって死んでしまった妹はどれくらい兄に会いたかったのだろう。

全ての始まりを作ったヴァレクが側にいるのに仇を取れないグルキスの気持ちは誰にも計り知れない。そんなグルキスを支えていたのはナナだった。妹とナナを重ねていたグルキスはナナを無意識の内に守りたいと思っていた。


「詳しい事はグルキスに聞きなさい。ちゃんと全部話してくれるから。....?」

「うん...」


ナナはやっと守られていた理由を知れた。

長い間知らなかったグルキスの秘密。


「じゃあ早く救援を呼ば...」


涙を拭ったナナがルカを見る。

そこにはさっきまで走っていたルカが足を切られ、黒服の男が剣を突き立てていた。


「ルカ!!!!!」

「油断しすぎてたみたい...。早く行きなさい、ナナ」

「今助けるか...」

「行きなさい!!!黒服は全員私が倒すから。....上で待っててね」

「いや...」

『ロングウィンド』


ルカは近づいてきたナナを風で吹き飛ばす。

多少痛いだろうが、気を失うほどの痛みではないだろう。風が止まったらちゃんと逃げてくれるように願い黒服を見る。


「私を殺してもいいの」

「構わん。ジューグ様には生死を問わず連れてこいと仰った。ならば静かな方が良いだろう」

「そっか...」

「心配するなあの小娘も直ぐに殺してやる」

「ナナを?」


感情のない無機質な声でナナは呟く。

それと同時にルカが片方の足で立ち上がり、手を男の胸に置く。


「あがああああああああ!!!!」


突如男の体はぶくぶくと膨れ上がり、血飛沫を巻き上げて爆発する。


「ごめんね。ナナを守らないとあの二人に顔向け出来ないから」


今ルカが行ったのは人体の異常再生。


「大丈夫。痛みなくすぐに逝けたでしょ?」


黒服の男の残骸からルカは通信石を取りだし、大きな声で....


「私の本名はルカ・ヴィーテス・ゼッタ。ヴァレクが追っていた不死の一族最後の生き残り。さあ、捕まえに来なさい。死んでもいい人からね」


そう言って石を砕く。

足は綺麗に繋がっており、さきほどまで切断されていたとは思えない。


「来たみたいね」


数十人の黒服が四方から出現し、間合いを詰める。

短剣や槍などの攻撃を紙一重で避け、三人の黒服に接触する。


「まず三人」


先ほどの男同様シャボン玉のようにパンっと破裂をする。


「こんな人数であっちを殺せるとでも?バカにしてるね」


ルカに触れられれば即座に触られた部分を切り離さなければ四人の黒服達のように破裂してしまう。

ならば遠距離からの攻撃すれば良いと生き残りの黒服達は考える。


「全員フリーズの準備」

「生け捕りなんて甘いことじゃあっちは捕まえられないよ」

「ほざけ」


『『『『フリーズピース』』』』


数人の黒服で発動させた魔法により、ルカの体は分厚い氷で覆われる。

この魔法は一人一人が違う部位を凍らせるため、強力な氷を生み出すことができる。


「ふん、口だけか。不死の一族は最も優しく残虐な一族と聞いていたのだがな」


凍らされたルカを見て男は落胆の声を出す。


「私は失敗作。父の魔法術式を取り込んだだけのただの人間。それ故に両極端な性格になったんだよ」

「な...!!」


頭上から声が聞こえたと思った瞬間に氷の中のルカを確かめる。

そこにはたしかにルカの体が凍らされて...


「体...?違う!!皮だと!!」


そこには皮に衣服を着せた偽物が凍らされていた。


「正解」


頭を押さえられている感覚と共に体中を血液が駆け抜けるような感覚も感じる。

体を確認すると右手からぶくぶくと膨れ上がり始めていた。


「があああああああああ!!!??」


パンッ!!!!と勢いよく体が風船のように広がった後に体が弾け飛ぶ。


「服だけでも借りるよ」


飛び散った肉片から黒い服を取る。

人体模型のような皮のないルカは黒い服を羽織ると手に噛みつく。

すると見る間に再生が始まり、数秒で元の状態に戻る。


「怠惰なルカは優しいルカ。今の私は神に歯向かった再生魔法を取り込んだ悪魔の種族最後の生き残りのルカ・ヴィーテス・ゼッタ。さあ...。もっと血を頂戴?」


とてつもない恐怖が黒服達を包み込む。

動くことすら出来ない圧倒的な魔力の量と絶望感。


「こんなのが六人も要るのか....。駄目だ早く逃げ....」


しかし体が言うことを聞かない。


「動け!!動け!!やだあああああああああ!!!!!」


頬に冷たい手が置かれる。


「安心して...。痛くないから」

「あ....!!!!!」


逃げる事も出来ず、ただ見ることしか出来ない黒服達は呆然と仲間が死んでいくのを眺めるだけ。

一人ずつ死んでいく中で思う事はどうか自分を最後に殺してくださいという生への執着心のみ。


「あなたで最後」

「やだ...!!お願いしますぅ...!!私は殺さな...!!」

「却下」


冷たく言い放される。

この場の全ての決定権はルカが決める。そのルカが殺すと決めたのだ。


「キャアアアアアアアアア!!!!!!」

「ばいばい」


黒服の女は叫びながら膨れ上がり破裂した。


「どうかこの場の全員が次は人間に生まれ変わらないように」


そう神に祈るルカ。


「とんだ皮肉だねルカ・ヴィーテス・ゼッタ。神に歯向かった君が神に祈るなど」


いつからそこに居たのか、この惨状を見ても動じずに立っていた男がいた。


「あなたは?」


着ていた衣服は黒服ではなく私服だろうか。

一般人のような服装に容姿の整った青年。ルカはその姿にどこか見覚えがある。


「全く...。友人の元に来てみれば...。この騒動はなにかな?ヴァレクも見当たらないしさぁ...」

「どうして...?」

「...? ああ!!そういうことか、君の魔法が僕に何で効いてないか?と思ってるんだね。残念ながら君の特性を利用した恐怖感による束縛の魔法は聞かないんだよ。なんせ人間の体じゃないもんでね」


そう言うと目に指を入れ目玉をえぐり出し始める。


「ほらね」


目を取り出すとその正体が明らかになる。

血のような赤い液体が流れてはいるが人間ではない、目の奥にあったのは機械のパーツ。

一定の速度で赤い光を発している。


「なかなか上手く出来てるでしょ?この赤い光で視覚、耳にあるこの小さいパーツが聴覚の役割を果たしているんだ」


耳の中から管を引っ張り出しその先端に付いていた丸いパーツを見せる。


「それでこの赤い液体はオイルでした~。人間に似せる為に赤くしてるけどね」


淡々と体の一部を解説し続ける機械の青年。


「機械の...?そんな...!!」

「当たり。機械都市総取り締まり役の...。いや、ここでは機械都市No.1ナゼッタ・カルナイサ。ヴァレクの友人でーす」


ピースサインをするナゼッタに即座に詰め寄り体に触れる。


「それも残念。機械だから異常再生は効かないよ」

「私をなめないで。そんなの分かりきっているわ」


『インフェルノ』


ルカは至近距離で炎を出し、自分もろとも爆発と熱気に包まれる。


「超至近距離の魔法だったら壊せると思ったのかな?残念ながら魔法物理耐性も備えているんだ」


体の半分を吹き飛ばされているルカとは対称的にナゼッタは傷一つ付いていない。


「じゃあ次はこっちから」


『O型搭載装置 第弐型細胞破壊衝撃』


再生しきっていないルカにナゼッタの放った細胞を破壊する衝撃が襲いかかる。

何度も衝撃がルカに浴びせられ、その度に再生が鈍くなっていく。


「ごめんねルドル。お姉ちゃんもう戻れそうにないや」


十発目の衝撃が当たる直前にルカの体が今までとは比べほどない速度で再生される。

再生したルカは衝撃を吹き飛ばす。


「見えない衝撃を一時的に物質化させて弾くなんて...。本当に理に背いてるね」

「あまり体が持たないからやりたくなかったんだけどね。少しでも時間稼ぎぐらいはさせてもらうから」

「仕方ない『O型搭載装置 異物質放射型特別銃』」


背中から銃が二丁出現し、ルカに照準を合わせる。


「そんなの効くわけないでしょ」

「それはどうかな?」


銃から放射された液体をルカは手で弾こうとするが、理に背いた状態のルカであれば物質化するはずの液体はルカの手に触れても液体のままで在り続けた。


「どういう...」


その瞬間に液体に触れていた右腕に熱を覚える。

ルカの右腕の衣服に穴が空いており、手を見ると大きな火傷の痕が残っていた。


「この程度の傷で...。私を殺せるはずがない...?」


しかし腕の火傷はルカの再生が効いていないようで、火傷の痕が全く消えていない。


「たしかここではない世界では硫酸?だったかな。まあ取り敢えずこの世界には存在しない液体の一つだよ。かつて君の種族を滅ぼす際に使ったのはまた別の物質だけどね。それは放置しれば衣服は溶け、火傷する。全く別の世界からもたらされた物質に対して君の種族は耐性はなく、お得意の再生も相当時間がかかるよ」

「こんなもので...殺せるはずがないでしょ!!」


火傷した腕を引きちぎり投げ捨てる。


「いい判断だね」

「はあ...はあ...。これでまた元通り」


硫酸によって蝕まれた腕を離したことにより、腕は元通りに再生する。


「じゃあとっておきをあげようか。長い時間をかけて体内で増え続ける呪いの塊、耐えられるかなー?」


そう言うと今まで間合いを取っていたナゼッタは接近戦に持ち込む。

右からの素早い蹴りの後に左肘から出した火炎放射器で視界を遮る。


「あつ...!!」

「はい。僕の勝ち『バインドループ』」


炎によって視界を遮られた一瞬でナゼッタはバインドループを唱えた。

赤い紐が何本も手から放つと...


『アスファ』


地面から十字架を作り出し、首、右腕、左腕、両足を十字架に縛り付ける。


「束縛完了っと」

「こんなもので捕らえた気になってたら、あっちは殺せないよ」

「まあ簡単に破壊出来ないように細工してあるから」


十字架から更に十字架が出現しルカの体を簡単に突き破る。


「再生に時間を使えば君がいくら理を捨てようと、強靭な身体能力を持っても本質には逆らえない。君達にとっての最優先は生きる事。だから再生の時間が最も無防備になる。今回は右腕に三ヶ所同様に左腕にも三ヶ所、足は二ヶ所、首も貫いたし心臓も貫いた。まずは心臓の再生を優先、その後は首の再生だろう?致命傷から治すのも君たちの特性だ」


ルカは首を貫かれているため呼吸も出来ず喋る事も出来ない。ナゼッタの言うように大規模な再生の間は能力が一時的に低下する。皮を捨てた時は使用できた異常再生を引き起こす特異な技も使えないしそもそもナゼッタには効かない。


「首の再生が終わったら飲ませてあげるよ。この呪いというものは微量でも摂取すれば猛毒が即座に身体中を駆け巡り死に至らしめる。でもそんなものでは死なないだろうね、それを利用させてもらうよ。この物質を摂取した後は近い将来、治しようにない病気になる。時間を掛けてじっくり殺させてもらうよ。君は不死の一族のなり損ない。病気には逆らえないだろう?」


既に心臓は修復され、今は首の再生が始まっている。

その様子を観察しながら、ナゼッタは一人で話し続ける。


「ああ、僕がこう推測したのは今の君の状態だよ。正統な不死の一族だったなら理を捨てた位では死なないしこのような状態には陥らない。だけど今の君はどうだ?体の再生は鈍り、なにより...」


『僕は君の名前を覚えていない』


「理の外側に長くいるほど存在があやふやになる。実に面白い現象だ。君が戻れないと言っていたのはそういう事だろう?君は勝負に負けたら死んでしまう。仮に勝てたとしても誰の記憶からも忘れ去られる。そういう選択を君は選んだ」


ナゼッタに言っている事は全て正しい。

ルカはただの人間が不死の一族の持つ術式を取り込んだ半分人間、半分不死の一族のなり損ない。

父親が不死の一族の長であり、母親は人間。その中で生まれたのがルカとルドルの二人だ。

ルカとルドルの父親は一族の反対を押しきって結婚したのだ。

その理由の中で一番問題視されたのが跡取りだ。不死の一族は名の通り長い年月を生き延びる事が出来る種族である。

強靭な肉体に再生力を持つ恐ろしい種族。しかし不死の一族も死んでしまう事はある。再生出来なくなるまで体を焼き尽くされたりすれば再生は出来なくなるのだ。

しかも異界の人間がもたらした物質のせいで更に駆逐が進んでいた。一族の長である父親はより強い子孫を残さなくてはいけない。しかし人間との間に生まれたのは再生力の無い多少強靭な肉体を持っただけの普通の人間だった。


それでも父親は二人を愛した。

普通の人間の様に育て、戦いとは無縁の環境で母親と共に育て上げた。

しかし仮にも一族の長である為、父親は1ヶ月に一度程しか会うことが出来なかった。

一族の間では人間を捨てる事も出来ない軟弱者だと罵られようと、一族のため戦い続けた。人間達には恐怖の象徴であっても、家庭では優しい父親、戦っている事を知ることの無かった二人には優しくて、悪いことをした時には怒る普通の父親だった。


しかし長く続いた戦いは父親の死によって幕を閉じた。

一族最強の父親が死んだのはルカ達の為だった。最強の化け物に家庭があることを突き止めた人間は何の罪もないルカ達に襲いかかった。母親は人間に凌辱され死んでいった。二人にも人間達の凶刃が迫り来る中、父親は一族を捨て一人で二人を救出し、ルカに自分の持つ不死の能力を分け与えルドルと共に逃げさせた。

力をほとんど失った状態で、二人を救うために人間に立ち向かい死んでいった。


不死の一族の里もルカの父親が死んだ後に滅ぼされた。

二人も逃げていたところで奴隷商人に騙され、農業都市に売り飛ばされた。

そこで会ったのがアラタだった。

ルカも母親に似て容姿の整った綺麗な女性だった。その為に多くの醜い人間どもにたかられていた。

十八の時遂に逆らうことの出来ない状況に陥り、一方的な悪意に凌辱させられそうになった時に、屋敷に盗みに入っていたアラタとグルキスにより助けられた。

その後七人の反逆者となったのだ。


「よって君は寿命も人間並みであり、病気には逆らえないってわけだ」

「....流石ね」

「長く喋り過ぎたみたいだ。だけどその様子じゃ君はまだ身動きも取れないね」


ナゼッタは手からカプセルを取り出すと無理やりルカの口にねじ込む。


「んぐ....!!!」


ゴクン...。


「はいおしまい。後は経過を見届けるだ...」


その瞬間にナゼッタ目掛けて氷の槍が飛んでくる。


「危ないなー?」

「当たり前だよ。狙ったんだから」


氷の槍が飛んできた方向には気を失っているナナを背負ったシラヌイに、グラフォル、オルナズ、アスタにアカツキが立っていた。


「君がアカツキだね?いやいやこれは運が良いね。まさか神の回し者に会えるなんて」

「もしかして俺って人気者だったりするのか?」

「僕とヴァレク達が詳しいだけだよ。他の都市の人は知らないよ」

「そうか。じゃあ後もう一つ。さっさとその人から離れろ」

「アカツキ...!!」


怒りを露にするアカツキにアスタは小声で叱責する。


「すまねえ...。ちょっとミスった」

「一瞬だけど膨大な魔力を感じたね。やっぱりアカツキ、君は面白いよ」

「そりゃどうも」

「もっと話していたいけど、今回は流石に不利だから、また今度」


そう言ってマイペースに歩き出し、アカツキ達の横を通っていく。

そこを攻撃しようとしたアカツキをグラフォルが止める。


「今はやめとけ。あいつよりも優先しなくちゃいけねえ奴がいるだろ」

「くそ....」

「そいつはどうだ?」


オルナズが兎の人形を使い、十字架からルカを卸す。


「熱があるみたい。お馬さんに頼んで屋敷に送ってあげていい?」

「ああ、そうしてくれ」


兎が馬にルカを固定し、連れていく。

それを見届けながら...


「早く行こう。色々とやばい気がする」

「俺もアスタに賛成だ。上にいた空間固定の魔法を使う黒服が居たところ見るとこの中に四人がいるのはたしかだしな」

「アカツキは?」

「ああ...。早く行こう」

ルカの一族のベースは言わずもがな吸血鬼です。


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