続章最終話<全てを背負って>
全ての戦いに決着が着いていくなか、この男、クルスタミナだけは何度も立ち上がってはイロアスによる一方的な攻撃を受けては体の大半を吹き飛ばされては再生するを繰り返していた。
バカの一つ覚え、ただ再生しては突撃を繰り返して、返り討ちにあう。何度やっても結果は同じだというのに。
「もう、こんなことはやめよう。君が生きていたということはそれなりの理由がある。いつ終わるかも分からない再生力に頼りきりの突進。もう何も変わらないんだ」
「―――知っている。そんなことはワシが一番知っているのだ!」
クルスタミナは声を荒げて叫ぶ。壊れきった精神に刻み付けられたクルスタミナの思いを、虚ろな目で語っていた。
「長い時間を掛けて成功させた暗殺で、この都市の頂点に立つのはワシのはずだった!お前という、―――イロアス・イスカヌーサなんていう大英勇の子孫が現れなければ!!」
クルスタミナが今まで誰にも打ち明けることのなかった真実、クルスタミナという人間の絶望を、彼は語る。
「何故今なんだ!!どうして、このタイミングで現れたのだ!ワシの努力をことごとく越えていく貴様を見ていて、心底そう思ったさ。―――貴様になれればいいと、どれほど願ったか、お前に分かるかぁ!!」
「君は僕にはなれない。それは他でもない、君が一番知っているはずさ」
「あぁ!お前を見ていて、絶対に越えられない壁があることを知ったよ」
クルスタミナの言葉に、イロアスは反論する。そう簡単に人の限界が決まって良いのかと。
「それは君が勝手にそれを越えられないと決めただけだ。今の僕なら、君は十年修練を積めば超えることが出来ただろう。君が僕を超えるというのは、少し大変だけど、いずれは叶っていたはずだ」
いずれでは駄目なのだ。もう、そんなのはずっと我慢してきた。父親を殺すことでトップに立てたように、この男も消さなければ駄目だと焦る程に実力の差はあった。
「どうすればそうなれる。どうすれば...お前を。越えられるのだ」
「何度も変わるチャンスは与えてきた。悪行を積み重ねていた君に学院都市の副理事長という役割を与えたのが最たるものだ。人の上に立つということがどのようなものか、君に知ってほしかった」
だが、その期待を裏切るようにクルスタミナは汚職の限りを尽くし、罪もない人々に危害を加えていった。共に旅をした友を殺されたと聞いた時には全てを投げ捨てて、この男を殺してしまおうかとさえ思ってし舞う程に。
「僕もとんだ人でなしさ。友人を殺されておきながら、君という何千年に一度の人材がこの都市に必要だと自身に言い聞かせ、怒りを噛み殺した」
イロアスは覚悟を決めたように、クルスタミナを見据えて、はっきりと言い放った。
「もう、我慢の限界だ。君には何を言っても変わらなかった。だけど、そんな君にも感謝していることがあるんだ。―――人の意思は時に、奇跡すら起こす。ってね」
実際そうだろう。この都市で起こった問題は一晩で学院都市が消滅してもおかしくないほどの、出来事が連続して起こったのだ。神のような黒き柱、全てを食らい知識を有する魔獣、人の血の中で眠り続けていた天使の権現、神器による異常融合の果てに産み出された化け物、それをアカツキを筆頭とした、多くの人間が未来を掴みとる為に抗った。
「紡がれる人の意思、過去に君を告発し、この都市に安寧をもたらそうとしていた彼等の意思を継いだその子供達は、多くの活躍をしてくれた」
彼等は終わりゆく運命に異議を申し立て、絶望にも思える巨悪に立ち向かった。その光景を見て、どれほどの人が勇気つけられたか、少年少女の抵抗は決して無駄ではなかった。
死ぬような痛みを味わっても、決して諦めることのない強い意思が、この結果に結び付いたのだ。
「人の思いが奇跡を起こした?なんだ、その冗談は。ふざけるな、そんな綺麗事で全てが終わってたまるものか、ワシは...お前を超えるその時まで、決して諦めはせんぞぉ!!!」
クルスタミナが最後の抵抗とばかりに巨大な炎球と、空から降り注ぐ無数の雷を魔法により発動させる。神器メモリアと融合した為に人の持てる魔力の限界を越えて、発動した魔法をイロアスは真正面から打ち砕かんとする。
すると、イロアスの地面に浮かび上がる紋章が光り輝き、空から降り注ぐ雷を地面から伸びた光が相殺し、迫り来る炎球を氷が包み込んだ。
その閃光のあとに残ったのは、わずかに焼けた大地と、晴れ渡った空だった。
それ以外はイロアスと僅かな廃屋を除いて、存在していなかった。
「...あれだけのことを言っておきながら。本当に僕は駄目な人間だな」
クルスタミナの攻撃を光で相殺し、訪れた轟音と光に乗じて姿を消したクルスタミナの魔力の残滓を眺めながらイロアスは呟く。
今度こそ殺そうと思っていた。最早彼に改善の余地もなく、改心するだけの理由も残されていない。
───この期に及んで、躊躇ってしまった。なんともまぁ、中途半端な男だろう。
「ねぇ、アルスミナ。君の息子をまた僕は殺せなかったよ」
かつてこの都市を導き、多くの人の信頼を得ていたクルスタミナの父親の名前をとても懐かしそうに呼んで、イロアスは空を仰ぎ見る。
「君の息子は間違いなく天才だった。君も彼を立派な人格者に育て上げ、理事長の座を譲ろうとしていた」
もしかしたら、こんなことになる前に何かしていれば、彼はこんなことをせずに済んだのだろうか。
「君も僕も、もう少し彼に対して接するべきだったんだ。いつまでも変わることを願うのではなく、時に厳しく指導することすらせずに育ってしまった」
彼の持つ才能はその父親も認めていた。だが、それを言葉にしなかったのだ。心で思っているだけでは伝わらない。言葉として伝えるというのはそれほどまでに大切なこと。
「たくさんのものを失っても尚、まだ切り捨てられなかった僕の甘さも、彼の善性信じていた君の甘さも、この事態を引き起こした大きな要因だ。───だから、僕は償わなければいけない。この都市を治めるものものとして、君の親友として」
逃げ場などこの都市には存在しない。彼が誰にも見つからずひっそりと暮らすことなど出来ないのだ。必ずどこかで見つかり、多くの人々に石を投げつけられ、惨めな最後を遂げるだろう。だから、せめて最後はこの手で───。
「さて、アカツキを連れ帰って...」
そこでイロアスは目を大きく見開く。───居ないのだ。どこにも、彼の姿が見当たらない。
あの傷で動けるはずが無いと、目覚められる訳が無いと思っていた。
アカツキの姿を探すが、最悪の事態が脳裏を掠める。
アカツキは目覚めていたのだ。しかし魔法は確かに発動した。となれば考えられるのはただ一つ。
「まさか、自分の意思で僕の魔法を無力化したのか?」
動くのもままならない程の体を無理矢理動かして、クルスタミナの後を追ったのだとすれば、いくら疲弊しているからとは言っても相手はあのクルスタミナだ。
返り討ちになる可能性は十二分にある。
「くそ...!もっと彼を見張っておくべきだった!」
まさかあの傷で動こうとは心にも思わなかった。何故か、そんなのははっきりしている。
彼は全てにケジメをつけるつもりだ。この最悪の事態を引き起こしてしまった要因、彼を逃がしてしまったが故に学院都市を襲った悪夢の数々、それらの責任は全て自分にあると彼は思っている。
「そんなに離れていないはずなのに、魔力の関知に引っ掛からない...。魔力の関知にも引っ掛からない程、君には魔力が残されていないのか、アカツキ」
イロアスは居ても立ってもいられず、アカツキを探すために走り出そうとするが、何年ぶりかの現実世界に体が対応できないのか、体が悲鳴を上げ始める。
そもそも、魔力の濃度が全く違う空間に何年も住んでいたのに、ここまでのことを出来たのは彼だからこそだろう。ジューグを退け、クルスタミナに圧倒的な力の差を見せつけた。
「僕も...まだまだだな...」
体を引きずるようにして歩き出すイロアス、そんな彼と同じようにぬかるんだ大地をアカツキは意識を失わないようにしながら、歩いていた。
「...この先...か?」
辺りを満たした閃光の際に、クルスタミナと思われる影が走り出すのを発見したアカツキはもう一度体を動かす為に闇で細い両足と失った片腕を形作り、走り出した。
最低限の魔力しかないこんな状態でも、動かずには居られなかった。
「あとで...アオバに怒られるな」
両足の欠損に、右腕の損失、こんな満身創痍の状態で無茶をしたとなれば、アオバは心配する以上に怒るはずだ。散々彼には迷惑を掛けてきたのだ、それも当然だろう。
「もう...動かねぇや」
近くの木にもたれ掛かり、歩く気力すら残っていない自身の体に苦笑いするしかない。
「けど...」
それでも立ち上がり、クルスタミナを追わなくてはならない。また、全ての記憶が書き換えられる可能性もある、そんなことにならないためには彼を...。
「―――全く、そんなボロボロの体でアカツキ君はよく頑張りますね」
倒れそうになったアカツキの体を支えたのはイスカヌーサ学院の制服を着た少女、その姿を見てアカツキは驚いた顔でその少女の名前を呼んだ。
「カナスラ.....?カナなのか?」
「そうだよ。あの時は君を支えることは出来なかったけど、今度は支えられる、ほら、私が一緒に歩いたげる、―――行くんでしょ?」
あの時とは、学院都市全土を巻き込んだ記憶の改竄が行われた後に起きたアカツキに出会った時の話だろう。その記憶を持っているということは、彼女は自力で記憶を思い出したことになる。
どうやってなんてことは聞かなくてもいい。ただ、こんなボロボロの体でも役目を果たさせてくれる彼女に感謝せねばならない。
「ありがとうな...。すぐ近くにあいつは居るはずなんだ」
「どうやって分かるの?ここには足跡なんてないけど」
雨によってぬかるんだ土の上には足跡などなく、ただ、木の葉などが落ちているだけだ。それなのにアカツキは近くに居ると言いきった、その自信はどこから来るのだろうとカナスラは疑問に思い聞いてみる。
「...多分、アレットの奴だ。あいつがクルスタミナの音を俺に聞かせてくる。どこに居るのか分からないけど、そう思う」
今も聞こえてくる誰かの足音、隣に居るカナスラに聞こえていないことから、それはアカツキにだけ聞こえていることになる。となれば、そんなことを出来るのは、アレットが自分の意思で音を聞き取ったり、大きくして聞こえるようにすることが出来るといった特別な魔法に違いない。
「でも、アレット君は確か...」
カナスラが何を言いたいのかは分かる、アレットは自身の中にある復讐の炎に飲み込まれ、神器を手にして、クルスタミナの親戚を殺して回っている。
ということは、アレットは遠回しに告げているのだ。―――クルスタミナを殺せと。
「あぁ。それは俺の役目だ。だから、乗ってやる」
「そうすれば、また戻るんだよね」
「ん?」
空を見て、カナスラはポツリと懐かしそうに呟く。
「また、ガルナ君やミクちゃんと一緒に居られるんだよね」
「...そうだな。きっと、戻ってくるさ。いや、取り戻してみせるんだ。あいつが奪った記憶や、平穏を」
......。
「はぁ...。はぁ、」
息を切らしながらもクルスタミナは止まることはせず、森の中を走り回っていた。どこへ向かっているかなんて分からない。しかし、そうしなければ彼らに捕まってしまうから。
「くそ...くそ...くそぉ」
それもあるが、彼にとってはもう一つの大きな問題があった。先程から不自然に起こる発火現象、自然に燃えたとは思えない燃えかたをする樹木など、炎が関係する不可解な現象が多発している。
それが意味するのは...。
「アレット...スタンデェ...!!」
本当ならこんなどこかも分からない森に入る必要はないのだ。彼が持つ血縁関係者との連絡に用いる通信石に誰一人として反応せず、たまに聞こえてくる炎が燃えているような音、アレット・スタンデによってクルスタミナが頼れる人間は例外なく殺されたのだ。
尚も止まり続けることをせずに走るクルスタミナの前に絶望的な光景が広がる。
パチパチと燃えている枝が跳ね、炭のように焦げた草木、森の一部だというのに、森とは思えない光景、それにその焼け焦げた大地の中心に置かれた大柄な男の焼死体。
「あぁ...あ、ァァァァァァァァァァァ!!!」
そこで死んでいる男の名前はカルタッタ、自身を神のように崇めていたにも関わらず、使えない道具と切り捨て、自ら記憶を改竄させた男の名前だ。
「―――彼、お前にとって要らない存在なんだろ。だから殺してやったよ」
音を消して近づいていたアレット、その姿は活発的な少年のものではなく、茶髪よりも大半を占める白髪と、憎しみの炎で赤く光る瞳、ところどころ焼け焦げた服を着ながら、復讐鬼は立っていた。
「苦労したよ。お前の血縁関係、男女問わず片っ端から殺して回るのは。それこそ骨の折れるような仕事だったけど、お前に対する復讐心が薪となり、やっとさっき全部終わったところだ」
クルスタミナが起こした混乱に乗じて、最後の仕上げを済ませたアレット。
―――あぁ。確かにここまで自分を追い詰めたのは人の思いだ。
守るという意思とは対極的な意思である、殺すという大きな復讐心と、学院都市を救うという、正義の意志が、クルスタミナに詰みの盤面を作り上げた。
「それじゃあ、再生することが出来なくなるくらいに―――殺してやる」
クルスタミナの悲鳴もアレットの操る魔法によって、どこにも届かないまま、完膚なきまでの、破壊を受け続けた。
「俺も、同じような体だからさ。お前をどれくらい殺せば、再生が出来なくなるか分かるんだ」
脳をドロドロに溶かされ、眼球の水分を飛ばされ、耐えようのない苦しみと絶望がクルスタミナを満たしていった。
アレットには再生の魔法を打ち消す術を持たない。だからこそ、彼の復讐はここに完成される。打ち消すことが出来ないからこそ、彼の不死性が途切れるその時まで、殺し続けることが出来るのだから。
「母さん達の、―――苦しみを知れ!!」
死ねないというのは、やはりクルスタミナにとって絶望でしかない。終わらないのではなく、終われない。それゆえに彼は何度も死に続ける。
幾度も繰り返される死と、次第に感覚を失っていく体、その空っぽになった体を悲しませないように絶望が満たしていく。
あぁ、いつになったら死ねるのだろう。
あぁ、ワシは何故、こんなに苦しまなければいけないのだろう。
思考が緩やかに停止していく。考えるのも出来ないくらいに続く生と死、やがて目が覚めると、四肢を焼け焦がされたまま、再生することなく、地面に投げ捨てられていた。
アレットの姿はいつの間にか無くなっており、それと入れ替わるように死神の足音が森の中に響き渡る。
次第にその足音は近づいてきており、自身の前で、それは止まった。
「アカ...ツキか?」
「あぁ。逆に聞くけど、お前はクルスタミナだよな?」
四肢は何かに燃やされたように断面が焦げており、体は不自然なくらいにアンバランスだ。顔も目を焼き焦がされ、口だけが正常に機能するように残されている。それ以外はおよそヒトとは思えないのだ。
「やっ...と。死ねる...の...か?」
「カナ、あとは大丈夫だから。見守っていてくれないか」
クルスタミナの悲痛な言葉を聞きながらアカツキは自身を支えていてくれたカナスラに一人で立たせてくれと言う。
「...うん」
アカツキの言葉に従い、カナスラはアカツキを離し、最低限、何かあった時の為に手を伸ばせる距離まで離れる。
「クルスタミナ、お前は絶対に許されないようなことをしてきた。それは分かるな?」
「......」
頭が僅かに動き、アカツキの言葉を肯定する。
「お前の屋敷に居たお姉さん達や、学校に通っていた生徒達、何の罪もない人達にお前は最低で最悪なことを何度と行ってきた。なんなら、それで自殺した人達だって居たくらいだ」
クルスタミナの悪事を調べている内に、記憶の改竄が中途半端だったが故に、ある日突然、クルスタミナの慰みものにされていたことを思い出した人達が遺書を残して死んでいったことが分かった。
その遺書を呼んだ人や、家族もその後不自然な死を遂げたことも。
「それだけじゃない。アレットの家族、ガルナやガブィナの両親、たくさんの人がお前に殺された!」
「...そう...だ」
「残された奴がどんだけ辛くて、苦しかったか分かるか。人の一生を狂わせた、お前の罪がどれだけのものか...!」
過去に起こったことは一重にクルスタミナだけの所為。
───だが、今回の事件が起きたのはクルスタミナのせいだけではなかった。
「過去にお前がしてきた悪行と、俺がお前を逃がしてしまったせいで起きた多くの人の死、その全てをお前は精算しなけりゃならない」
「あぁ...。だ...から。...殺し...て。くれ」
アカツキは腰に掛けていた剣の柄を握り、引き抜く。燃え付くされた森林の上から煌々と降り注ぐ太陽の光を反射して輝く刃、それをクルスタミナの胸元に突き立てる。
「今回起きたことは俺のせいでもある。だから、せめて。―――俺は背負って生きていこう」
白い刃がクルスタミナの胸を突き抜け、嫌な感触と共に、クルスタミナは吐血する。
「か...!あ...ぁ...ァァ」
瞬間、クルスタミナの頭のなかで、多くの記憶が走馬灯のように駆け抜けていく。
幸せに暮らす一人の子供、父親に憧れていた頃の自分の姿だ。何かと比べられることを知らない、哀れな少年。
いいや―――それは違う。
知らなくて良かったのだ。この世界には同じ人間など居ない。自分は自分である以上、誰かにはなれないのだ。
たとえ誰に比べられようとも、自身が誰でもないクルスタミナであると声を大きくして言えれば、こんな醜い怪物にならずに済んだのだ。
『クルスタミナ、お前は私の自慢の息子だからな。元気に育って、父さんを超えるくらい強くなるんだぞ』
『―――うん!ぼくもお父さんと同じくらい強くなって、たくさんの人を導けるようになるんだ!』
...あぁ。なんだ。
そんなことだったのか。
「―――ワ...シは。認めて.....も..ら....い、たか......った、のか」
「───なんだよ。くそ......。んなこと、―――言わねぇと分からないだろ」
クルスタミナの最後を見届けたアカツキは力なく崩れ落ち、その体をカナスラが倒れないように支える。
「重いね。本当に、たくさんの思いを背負ってるんだ」
たった17才の子供が背負うにはあまりにも重すぎる。彼はそれを一生抱えて生きていくつもりなのだろう。
「帰ろう。アカツキ君」
クルスタミナの死によって、神器の中に保管され、クルスタミナの肉体の中に移されていた人々の記憶が空を駆け巡る。その幻想的にも思える光景を背にして、カナスラはアカツキが帰る場所へと歩いていく。
学院都市全土を揺るがした前代未聞の出来事は、多くの人間活躍により、今度こそ幕を閉じる。
約100話近い学院都市編、一先ずはここで完結です。一年ちょっと続いたお話でした。あとは少しだけ学院都市での復興と、ようやく掴みとったアカツキの日常の物語を書いて終了となります。
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!