【第6話】ノースヘア魔法学校
「昨日、町で暴れていたリバーズを1人の少年が撃退したようだ。」
師匠は俺に言った。
「そうなんすか。」
俺は昨日のことを師匠に話すべきではないと思った、特訓をサボって町に出向いたことがバレたら何をさせられるか、わかったもんじゃない。
「その少年ってお前だろ、ハットリ。」
「な、なんでわかったんですか?!」
「…なんとなくだ。」
俺は昨日のことを師匠に全て話した、もちろん魔法を使えるようになったことも。
「なるほど、どうやらお前の得意属性は雷属性のようだな。」
「得意属性?なにそれ?」
「そいつが得意としている属性のことだ、得意属性は他の属性よりも高い出力、少ない魔力で発動することができる。」
「じゃあ、タカの得意属性も雷?」
「その通りだ。」
なんと、俺はタカと同じ属性を得意としていたのか。
「今日から魔法の威力を上げる特訓に移る、場所を変えるぞ。」
師匠は歩き出し、俺はその後ろを歩く。
そして師匠と俺は、町外れの山に辿り着いた。
「今日からここで特訓を行う、今までよりもキツイ特訓になるぞ。」
また地獄の特訓が始まった。
そして約一年後…
「今日がついに、入試の日か。」
「ハットリ、いってらっしゃい。」
「うん、いってきます。」
俺は家を出た。
あっという間に目的の場所にたどり着いた。
ここがノースヘア魔法学校…
「受付を開始します、受験生は並んでください。」
俺は受付の職員から「81」と書かれたカードを貰い、校舎へ入った。
そこには何百人もの俺と同じ受験生が集まっていた。
そして受験生全員に紙が配られた。
「試験会場へ移動します、カードに書かれた番号に従い移動してください。」
紙にはカード番号ごとの移動先が書かれていた、81〜90は第8体育館へ移動するようだ。
俺を含めた10人の受験生が第8体育館に向かう。
体育館の中心には巨大なステージが作られていた。
1人の試験官が受験生の前に立つ。
「今から受験生の皆さんには1対1の試合を行ってもらいます、もちろん魔法の使用は許可します。
また、試合に負けたからといって不合格になるというわけではありませんので、最後まで全力で戦うよう頑張ってください。」
周りがざわめき始めた、まさか受験生同士で戦うとは思ってもいなかっただろう。
「では、試験を始めます。」
「受験番号81番ハットリと87番コウヘイヘはステージに上がってください。」
1試合目から俺かよ…
俺は震える足を前に出しステージに上がった。