【第4話】師弟
俺は目を覚ました、昨夜の出来事が今でも夢ではないのかと思っている。
「ハットリや、買い物に行ってきておくれ。」
ばあちゃんが俺の部屋のドア開け言った。
俺は家を出た。
昨夜、俺は魔剤を飲んだことで魔力を生成できる体になった、だが今のところ体に変化を感じられない。
魔法学校の入試試験は今から約一年後、それまでにはなんとかしなければ…
「魔法ってどうやれば出せるんだ…?」
俺は無意識の内に呟いていた、そしてその瞬間だった。
「はい、片付けェ!」
背後から声が聞こえた、振り向くとそこには眼鏡をかけた中年の男がいた。
「悩んでいるようだな少年。」
俺は何も言えず固まっていた。
「魔法を使えるようになりたいと言っていたな?」
なんだこのおっさん!?いやこれはチャンスかもしれない!!
「俺に魔法の使い方教えてくれるんですか?」
「ああ、教えてやる、ついてこい。」
男は歩き出した。
男についていくと空き地にやってきた。
「ここがお前の特訓場だ、言い忘れていたな俺の名前はマキタ。」
「あ、俺はハットリって言います。」
「ではハットリ、今日から特訓を始める!!」
俺の地獄の特訓が始まった。
「魔力を一点に集中させろ!!」
「具体的にどうやってやるんですか?」
「そんなもん自分で考えろ!!」
えぇ…とりあえずやってみるか。
俺は魔法の出どころである股間に魔力を集中させるイメージを思い浮かべた。
「なんでちんこに力入れてんだ!!」
マキタは声を上げる。
「しょうがないでしょ!!ちんこから魔法出るようになっちゃったんだから!!」
そういえば魔剤の副作用について話していなかった。
「ちんこだけで10kmマラソン!!ほら、ペース落ちてるぞ!!」
「ちんこ取れちゃいそう!!」
「イメージ修行!!丸一日、ちんこいじってろ!!」
「もう気が狂いそうだ。」
「ハットリや、顔色が悪いけど大丈夫かい?」
ばあちゃんが俺の顔を見ながら言う。
「大丈夫だよ、夢のためならいくらでも頑張れる。」
俺は朝食を食べ終え、いつもの空き地に向かうため家を出た。
毎日の特訓はすごいキツイけど、確実に力はついてきている気がする…!!
「あれ?ハットリくん?」
この声は…俺は振り向いた。
「こんなところで何してるの?」
彼女の名前はヨウ・ビィト、俺の幼馴染だ。
魔法を使うことができなかった俺のことを馬鹿にしなかった数少ない人間だ。
「色々あって魔力を生成できるようになったんだ、これから魔法の特訓をしに行くところさ。」
「えっ!おめでとう!!昔からイキリ術師になりたいってかんばってたもんね?」
ビィトは俺がイキリ術師になれることを本気で喜んでくれているようだった。
「ところで、ビィトはどこに?」
「町におつかいに行くの、そろそろ行くね!バイバイ!」
ビィトは町の方向へ歩いて行った。
俺も空き地に行かないとな。
数十分歩き、空き地に着いた…が誰もいない。
そういえば今日は土曜日か。
『土曜日は俺休むから、自主練しとけ。』
俺はマキタ師匠の言葉を思い出した。
じゃあいつものちんこだけで10kmマラソンいきますか…
そう思った瞬間だった。
「ドグオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!」
町の方から爆音、まるでタカと初めて会った日と同じような。
「町にはビィトが…」
俺は走り出した。