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僕の陰嚢アカデミア  作者: イキリボーイズ
3/6

【第3話】オリジン

夜の10時、俺は約束の場所へやってきた。

少しの間そこで暇をつぶしていると、1つの足音が近づいてきた。

「やあ、待たせたね」

タカだ、タカが本当に来た。

「俺のためにわざわざ来てくれて本当にありがとうございます。」

俺はタカに感謝した。

「別にいいんだ、だけどあんまり長話はしていられない、すぐに本題に移ろう。

まず…君は魔法が使えない体質ってことで間違いないかい?」

「はい、そうです。」

俺がそう答えるとタカは少し悩んだ、だがすぐにまた話し始めた。

「魔法が使えない君でもイキリ術師になる方法が1つだけある。」

タカはそう言うと、小さなビンを俺に見せた、中には透明な水が入っている。

「これは魔剤といってね、魔法が使えない人間でもこれを飲めば魔法を使えるようになる。」

「そんなものがこの世に存在したんですか?!」

俺は驚きのあまり声をあげた、驚きというよりかは喜びだったかもしれない。

「ただ、良いことばかりってわけじゃない。

この薬には、強い副作用がある。君がこれを飲めば何かしらの影響が君の体に及ぶだろう。」

「…その副作用ってなんですか?」

俺は恐る恐る質問した。

「それは、俺にもわからない、飲んでみないとわからないんだ。

体の一部が動かなくなってしまうかもしれないし、もしかしたら死んでしまうかもしれない。」

タカは俺の答えを待っているようだった、魔剤を飲むか、飲まないかを。

どうする?

俺のイキリ術師への想いは偽りではない、ただここで死ぬのは御免だ。

…でも、夢を実現できないまま死ぬくらいなら…


「その魔剤を飲ませてください…お願いします…」

俺は覚悟した。

「うん、君ならそう言うと思った。何の

変哲も無いアンサーだ。」

タカはそう言い、俺の手の上にビンを置いた。

「もしこれで君が死んだら、僕は牢屋に入ることになるかもな。」

タカは笑いながら言った。

…タカ…そこまでして俺の願いを…

「本当にありがとうございます…!!」

俺はビンの中の水を飲んだ。


…何も変化を感じられない。

「…大丈夫かい?」

タカは心配そうに言う。

「は、はい大丈夫です、ただ何も変わったようには思えません。」

俺が答えると、タカは俺に手をかざした。

「何してるんですか?」

「君の体に働いた副作用を確認している。」

「…なるほど、わかったぞ。君の体に働いた副作用…それは

『全ての魔法が陰茎から出る』だ!」

「なんだってええええええええええ!!??…まぁいいか」

俺は副作用の内容に驚いたが、体が動かなくなるよりかはマシだと思った。

「わからないことがあったら何でも聞いてくれ…と言いたいが、これからはあまり会うことができないだろう。」

タカは言う。

タカは東区域最強のイキリ術師、仕事で忙しいのも当たり前だ。

「とりあえず、今日はもうお別れだ!

君の活躍を楽しみにしているよ!」

タカはそう言い、去ろうとしたが俺はまだタカに聞きたいことがあった。

「なんで…他人の俺に、ここまでしてくれるんですか?」

「……君が昔の僕に似ていたからだよ。」

タカは答えた。そして去って行った。

「本当に…!!ありがとうございましたっ!!」

タカは夜の闇に消えて行った。

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