フラグ回収か?
少し頑張りました。
歩きだしてから5時間が過ぎた
「疲れたー!いくらなんでも魔物多すぎじゃない?!「このペースだとお父さんにもらった剣もおれちゃうんじゃない?!」
アーシャルがこう叫ぶのには2つの理由がある。
まず1つ目は本で予習したモンスターの特徴が一致していない(主に大きさ)
2つ目は単純に数が多い事だ。
(あー、ガントレット壊れないかな?そしてこの自分で作った剣も。)
自分が使いやすい武器探すのも手間がかかると思ったアーシャルはクランチェストに鍛治を教えてもらい。前世からの記憶で使って見たいと思っていた武器を作ってもらったのだ。
「この剣に慣れるのには時間がかかるな。剣術なんて立派なもんはこの武器には無いだろうしなぁ、なんせ」
双剣にも、槍にも、大剣にも、太刀にだってなるからである。
全てを使いこなすには絶妙な筋肉のバランスが必要なのだが今の15年間鍛えたアーシャルでさえまともに使えない。
「グギャァァァァ!!」
とぼとぼ歩いていると右方向から全力で疾走して来る狼型の魔物が見えた。
アーシャルはすぐさまで腰に付けている2つの刀身のない柄を接続させてワードを唱えた
「彼の者の栄光を絶たん!」
すると柄の部分が140センチにまで伸び、ハルバードの様な複雑な形をした刀身が生えてきた。
アーシャルは単調な突進を左に避けつつ思いっきり振り抜いた。
「ガァァァァァ!!!」
アーシャルの振り抜いた一撃は確かなダメージを与えたものの致命傷には至らなかったらしい。
(?!、意外と固いんだな、しかも今日初めて見る魔物だ慎重に行かないとな)
狼型の魔物は吠えながら跳躍して噛み付こうとしてきたがアーシャルは刀身を変わった形の槍にして構えその状態から鋭い突きをはなった。放った一撃は魔物の頭に突き刺さり絶命した。
「この死体どうしようかな?ん〜〜〜〜………無理持てん!埋めよう」
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さらに1時間が過ぎた辺りから漸く周りの木が少なくなり舗装されたような道が出てきた。
父親と住んでいた家は山奥という程ではないがそれなりの場所にあったのでこの場所まで出て来るのには時間がかかってしまったのである。
(前世で読んだラノベならここで馬車でも通るのかしらぁ!疲れてきたよまったく!)
「探すしかないね、どれだけかかるのかし…ら?おぉ、丁度森を抜けた感じか?大自然が広がってるじゃないか!いいねぇこの景色。楽しみたいぜ!ここで馬車が通りかかってぇ…」
ガラガラガラガラ
複数の馬車と思わしき音が聞こえてきた。
「まさかフラグ回収か?穏やかにならんのかね?」
そう言いながら左手の方を見てみると3台程の馬車(引っ張っているのは馬ではない)を四足歩行の魔物に乗っている盗賊であろう人達に追いかけられていた。
「逃さねぇぞ!金と女を置いていきやがれ!!」
盗賊らしき男は叫んだ後右手を突き出し何か呟いたかと思えばその手には火の玉と言えるものが浮かんでいたのだ。
「くらいやがれ!ファイアーボール!」
ファイアーボールはビュンという音を立てながら一台の馬車の車輪に当たり馬車の車輪は派手に壊れてしまった。それを見たもう一台の馬車はすぐさまに止まり、中から人が5人出てきて30人はいる集団の中に向かって走っていき盗賊達に応戦した。
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流石に数の暴力には敵わないのか瞬く間にやられてしまった。馬車の中には1人の少女が見える。その少女は体を抱きながら震えていた。
最後の1人となった人物が思いのほか善戦し、盗賊の数を4人にまで減らしていた。
「どうした?お偉い騎士様よぉ?もう終わりか?休んでもいいんだぜ?その代わりその女と金は俺たちが貰うがな!ヒャハハハハハハ!」
「黙れ!お前達こそ後4人しかいるまい、直ぐに私が斬ってくれる!!」
「そのザマでか?ボロボロでちゅねー」
盗賊に言われた通り騎士と呼ばれた青年の体はボロボロだった。先程までは風の如くに動いた体も今はあまり動かせない。その事は青年もしっかりと理解していた。
青年がどうやってこの場を切り抜けるか考えていた所にあどけなさが残る声が聞こえた。
「ねぇ、この人達を動けなくして縛れば馬車に乗せてもらってもいい?」
「も、もちろんいいが。君は?」
「俺?俺は王都に行きたい冒険者志望の男の子ですぅ。」
突然現れた少年とのやり取りは緊張感というものがなく盗賊を怒らせるのには十分だった。
「てめぇ!ぶっ殺してやる!」
1人の盗賊が手に持っていた剣を振りかぶりながら少年に接近していったが、少年はそれを簡単に槍で打ち払いその盗賊を突き殺した。
そこからは少年は槍を双剣に切り替えて残りの3人を瞬殺した。
その光景を唖然とした表情で騎士の青年は見つめていた。
(この強さは憧れるなぁ)
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「大丈夫?もう……盗賊であってる?」
「盗賊であってるよ」
「さっきは勢いで殺してしまったけど良かった?」
「別に構わないよ。殺す殺さない、どちらにしろ助けてもらった身だ文句なんてつけらんさ。それよりこの方が助けてもらったお礼を言いたいと仰っているのだが聞いてはもらえないか?」
そう言った後青年の後ろからは17か、18と思われる少女が出てきた。
「この度は助けてくださってありがとうございます。お礼になるか分かりませんが私達の馬車に乗りませんか?先程の会話を聞く限り王都に行きたいだとか……それでしたら王都に行くついでと言ってはなんですが私の家に来てもらってもいいですか?そこで正式にお礼をしたいのです」
少女はそこまで言い切った後自分の窮地を助けてくれた少年をみた。
「いいんですか?!ありがとうございます!助かります!あ、自分の名前はアーシャルといいます。よろしくお願いします!」
予想以上に元気で可愛い反応に少女は軽く頬を赤く染めながら自己紹介した。
「私の名前はシルフィア・ソーマと申します。こちらの方は付き人兼騎士のトゥリアもいいます。……えと、よろしくお願いします」
シルフィアは頬を少し緩めながらアーシャルに自己紹介をした。
最後の方はアーシャル視点ではないのですが分かりましたか?
感想を貰えると大変嬉しいです!!
(*^ω^*)