戦術核の一撃
「ああああああぁぁぁぁ!!!」
開幕早々アーシャルはクランチェストに唯一教えてもらった魔力の使い方を実践した。
魔力を、足先に集中させる、そうする事によって地面を蹴る力を数倍〜数十倍に引き上げる事が出来る。
アーシャルは自分の全力の魔力を集中させて地面を思いっきり踏み込んだ。その瞬間しっかりと整備している筈の地面が砕けた。
バキャッ!
一瞬で先生に肉薄し槍を一閃。
しかし先生はその攻撃を余裕を持って防いだ。
自分の渾身の一撃を防がれた事に動揺したが直ぐに切り替え突きを放った。
しかしそれすらも防がれたアーシャルは一旦距離を置いた。
「もの凄い良い一撃だったじゃないか。誰に教えてもらった。?」
「父親と知り合いに少々、後は独学ですね」
「たったそれだけでここまでとは恐れ入った。手強いな」
「嘘つかないで下さい。かなり余裕そうじゃないですか」
「なら、本気にさせてみろ!!」
今度は先生の方から仕掛けた。
先生の持っている武器は両刃剣。間合いはこちらの方があるが一撃の威力で言えばあちらの方が高い。
アーシャルはそんな先生の一撃を槍でいなしてそのままの流れで槍の柄で顔を叩こうと腕に力を込めた。
それを寸での所で避けた所を見ると何か武術を嗜んでいるらしい。中々様になっていた。
「うぉらぁぁぁぁ!!!!」
足とガントレットに全魔力を流しアーシャルは本気を出した。
ガントレットは金色の光を放つと少しだけ形を変えた。全体的なシルエットが細くなり指先が鋭く、そして20㎝程だが肘のあたりから剣先が出て来た。
「これが俺の本気です。自分の知り合いにも一度も見せた事がありません。先生が初めてです」
「嬉しいな初めての本気を見る事が出来るとは」
「なら喜んで負けて下さい!!」
アーシャルはもう一度初撃を放った時のように地面を踏み込み先生に肉薄し同じ一撃を放った。先生はなんとか防いだが、移動のスピードは初撃が遅く感じる程速く、一撃の重さは先程よりも数段重かった。
「ぅぐっっ!」
そこからアーシャルは得意の体術と槍術を組み合わせた戦い方で立ち向かった。
しばらくアーシャルは積極的過ぎるほど積極的に攻めた。
先生はアーシャルの攻撃をギリギリで避けると言う展開が続いた。
「凄えアイツ、"戦術核の一撃"と呼ばれるニュークリア・ブロット先生を追い詰めてる……!!」
「いや、先生はまだ本気じゃないはずだ」
「どうして分かる?」
「聞いた話だが先生の放った本気の一撃は学園の敷地面積全て含めて破壊出来るらしい」
「嘘だろ?!どんな攻撃範囲だよ!!」
「聞いた話だぞ?」
「だとしたら本当に手を抜いてるのか先生は?そこんとこどうなんだメガネ君」
「おいコラ誰がメガネだ」
「いやだってーー」
「容赦せん!」
アーシャルの初撃から3分が経過した。
お互いそろそろ決着をつけようと思っていた。
「やるな……負けそうだ」
「ハァハァ……そんなこと言ってハァハァ…俺の本気……ハァ…全部捌いてるじゃないですか」
「ま、先生だからな」
「本気出してくれませんか?」
ニュークリア・ブロットはニヤリと笑い
「良いぜ」
"全魔力"を解放した
「うっ…」
「喰らえ」
自分の魔力をアーシャルの体にぶつけた途端
アーシャルの魔力が消えた。
「………え」
「残念だがここからは何もさせん」
「それはどーー」
ニュークリアの姿が掻き消えた。
次の瞬間アーシャルの腹部をとてつもない衝撃が襲った。
「ゴハッ!!」
吹き飛ばされ地面転がったアーシャルは襲いくる闇に抗えず気絶した。
気絶する瞬間アーシャルはシルフィアと途中で出会った男が試験に合格出来るか心配した。
「お前は合格だ………オイそこの馬鹿騒ぎしてる2人学園内にある保健室に運んでくれ」
「「ふぁぇ?」」
「運べ」
「「ふぁひ!!」」
アーシャルの決闘試験は合格し、筆記試験もパスする事が出来た。
どうだったでしょうか!
自分の中では一番よく書けていたと思います!
感想など貰えたら最っっっ高に喜びますww