トゥリアの想い
※戦闘主体の話で、文字数が少なくなっております
ニーナとの訓練が終わった後、ニーナは他の護衛達と順番をどうするか話し合った。
5分程話し合ってようやくアーシャルと戦う順番が決まった。
「2番目は私です。アーシャルさん、あの時最後にまで残っていた私を助けて下さりありがとうございます。
あの瞬間私は昔抱きながら、今は諦めてしまった夢を思い出してしまった。」
トゥリアは大きく息を吸い込み、吐き出すと想いの丈を叫んだ。
「私は!手を差し出せる英雄になりたい!!
叶う事はないと諦めた夢を思い出させてくれた貴方の力になりたい!だからこそ訓練であろうとも全力で戦わせていただきます!!」
トゥリアはアーシャルに自分は夢を思い出し、その夢をまた追いかけたいという事を告げると自分の腰に差してある二振り剣を抜いた。
「その想いは誰にも真似できる事じゃないと思います。応援させていただきますよ!
そして自分の将来安泰の為に貴方から全て学ばせていただきます!
この身を変えろ!ファンタジア!!」
アーシャルは武器の形を変えるワードを叫び、武器を数回素振りした後構えた。
「双剣ですか……色々な武器を使いますけど扱えますか?」
「一応剣術とその他術は一通り父親から教えてもらいましたけど一般的な剣術は人並み以下にしか出来ませんでした。だけどそれ以外は思ったよりも扱えたんですよ」
「そうですか……。なら楽しめそうですね、5秒後に開始します」
互いに自分の武器を構えて5秒をまった。
5……4……3……2……1……0!!
5秒丁度に2人は思いっきり地面を蹴り戦いが始まった。
トゥリアはアーシャルに近づくと同時に片方の剣を振り下ろした。しかしアーシャルはそれを右の剣でいなすと空いている左手の剣で突きを放った。トゥリアもこの攻撃を空いている方の手で防ぐかと思えたが防がずに体を少しずらして突きを避けてアーシャルに蹴りを見舞った。
トゥリアに蹴られ空いた距離をアーシャルは直ぐに詰め、回転蹴りでトゥリアの手を弾きアーシャルは左の剣でトゥリアを切りつけた。
すんでの所でトゥリアは躱したが、アーシャルの攻撃はトゥリアの左腕を浅く傷をつけた。
トゥリアはアーシャルとの距離を空けて武器を構え息を整えた。
「ふぅ……中々やりますね。確かに人並み以上実力があります。それは自分が保証いたしましょう。
アーシャルさんは親から体術も教えてもらったのですか?」
「そうですね。剣術だけじゃ簡単に負ける、体術と組み合わせてこそ真価を発揮すると言われたので頑張りましたよ」
「手強いです……ね!!」
トゥリアは話し終わるかどうかの所でアーシャルに斬りかかった。
アーシャルはそれに対応しその攻撃を防いだ。
「夢を思い出したと言っていましたね。やっぱり夢は諦められませんよね。僕だってそうですよ!!」
アーシャルはトゥリアの攻撃を弾き蹴りを入れた
「ガハッ!」
「夢を諦めないという強さなら貴方にだって負けませんよ!」
アーシャルは陸上のクラウチングスタートの様に体勢を低く構えた。
その様子から本気で決めに行くと分かったトゥリアは自身も得意の構えをした。
アーシャルはトゥリアが瞬きした瞬間に勢いよく地面蹴って迫ったがトゥリアはそれに騙されずに迎撃の体勢をとった途端にアーシャルは急ブレーキをかけて後方に飛んだ。
トゥリアはそれを見て焦りが生じて前に足を踏み出してしまった。
アーシャルはそれを見逃さずに空中で一回転し、トゥリアの頭に踵落としを決めた。
この瞬間に勝敗は決し、トゥリアとの戦いは終わった。
いかがでしたか?
戦闘シーン主体の話は初めてなので短くなっていますが前話よりかはマシな出来になっているはずです。
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