バール先生の優しいヤンデレ対処教室入門編〜もう命の危険を感じる事はない!!〜
勢いで書きました。
ムシャクシャしてやった、反省はしていない
昨今、ヤンデレは密かに増加し続けている……。原因は多々あるが一番大きな理由は近年問題になってきているフレンドリーな社会の消失であろう。つまり"お節介おばちゃん"の消滅だ。昔、"お節介おばちゃん"はどこにでもいた。買い物に行けばオマケをくれ、家でゴロゴロしているとお裾分けをくれる……そんな"おばちゃん"はどこにでもいたのだ。しかし、この資本主義がもたらした嵐、HUKYOU!!によって財政難に陥ったこの日本で"おばちゃん"達は活動困難になってしまった。
それからである。ヤンデレが増殖し始めたのは……。
ハンカチを拾ってやっただけで執着される。
実妹が彼女が出来た事に激怒し包丁を向けてくる。
そもそも人間では無かった。
これらのヤンデレが増え続けている。
これはそんな世の中に心を痛めたヤンデレ対処術のスペシャリスト、"バール先生"が教える優しいヤンデレ対処術、入門編である。
バール先生が開いた教室は人で満杯であった。いち早くヤンデレからおさらばしたいのだろう。
人々はバール先生の登場を心待ちにしていた。
ガラッ
教室のドアが開く。
「皆さんこんにちは、バール先生です」
入って来たのは女性だった。
この方こそがヤンデレ対処術のスペシャリストである。
自身も過去に数回ヤンデレにストーカーされた経験があり、その経験を生かして現在ヤンデレに苦しむ全ての人々を救うために紛争している。
「ではさっそく今日の講座に入って行きましょう。シミュレーション45ページを開いてください。」
室内にかさこそと紙の擦れる音が響く。人々の顔は真剣そのものでどれほど深刻な状況に立たされているのかがわかる。
「はい、皆さんちゃんとページを開きましたね?それでは私が今から言う事を繰り返し言ってください。言葉は言霊になりますからね。」
「「はい、バール先生!!」」
「よろしい。それではいきます。『無関心を貫け』はい、どうぞ」
「「『無関心を貫け』」」
「はい、よくできました。ここはとても重要な所ですから覚えておいて下さいね。」
バール先生がそう言った瞬間講座の受講者達はマーカーを引っ張ったりメモをとった。
「では何故無関心を貫く必要があるのか?それについて詳しく説明をしていきしょう。皆さんの中にもこのようなヤンデレを見たことがありませんか?自傷行為に突然及んだりわざと奇怪な行動をするヤンデレです。」
会場車の中にも心当たりのある方々が多数いたようでうんうんと頷いているのがチラホラ見えた。
「そのような行為をするヤンデレには実は理由があるのです。ここははっきり言いましょう。行為に及ぶ理由、それは"見られたい"のです。自分が奇怪な行動をするのをヤンデレ対象に見せることで"かまってもらえてる"と感じる、この時だけ相手の視線を独り占めできている、そのような歪んだ愛情が引き起こしてしまった行為なのです。」
受講者達はその説明になるほどという顔で頷いている。
「だからこそ、私たちは"無関心を貫く"ことを守らなければなりません。私たちが構えば構うほど相手は助長します。可哀想とは思ってはいけません。それでは相手の思う壺です。ここは心を鬼にする必要がありますね。」
このバール先生の簡潔ではっきりした答えに受講者達は皆晴れやかな顔をした。
「といっても説明だけでは皆さんも理解し難いでしょう。ここは一つ、この"自傷系ヤンデレ"を撃退したY.N.さんの例をお教え致しましょう。」
《こうして私は撃退したーー自傷系ヤンデレ編ーー》
島根県18歳Y.N.さんの場合
私は島根県の都会ほど華やかではありませんが田舎と言うほどでもない特に不自由しない町で暮らしています。家族も弟が一人いるくらいのいたって普通の家庭で、まさかあんなヤンデレを引き寄せるとは夢にも思いませんでした。
彼と出会ったのは高校二年生の時でした。
彼は顔がよく、成績もトップクラス、特に運動部に入っているわけでもないのに体育祭のリレーでアンカーになったりとまさに万能という言葉を体現したような人でした。そんな彼なのでやはりかなりモテていて、二年生で同じクラスになる前から"かっこいい同級生"として私は認識していました。
さて、私は二年生になり彼と同じクラスになると何の因果か彼と私は隣同士になりました。正直に申し上げますと私はその時好きな人がいてその人と前後の席になったことの方が嬉しくて全く彼の事を気にもとめていませんでした。まさかそれが彼が私に興味を持った要因になるとは思いもしませんでした。
それから数ヶ月が経ったある日、私は彼から呼び出されました。
確かに彼とは隣の席で少し話す事もありましたが私は彼とはそこまで仲良くしているとは思っていなかったので何故私は呼び出されたのか本当に不思議でした。
呼び出し場所に着くと彼が優しげな笑みを浮かべて立っていました。
……何でニヤついてるんだろう気持ち悪い
そう思いながら彼に私を呼び出した理由を聞くと、彼は微笑みながら私の事が好きなのだと言ってきました。私は困惑していると彼は恍惚とした表情で私に以下のように語ってきました。
・席が隣になった時彼を全く意識しなかった
・話しかけても態度が全く変わらない
・↑の事をする女子は今まで彼の周りにいなかった
・そんな私こそが彼の求めていた運命の相手!!
などなど彼の長ったらしい話を要約するとそうなったらしいのです。
……ぶっちゃけ言いますとすげえ自意識過剰野郎だなと思いました。というか私以外も彼に関心無い子たくさんいるよと思いました。
お断りしました。
それからです。彼は目に見えて病んでいきました。教室では下を向いてぶつぶつと「何故だ…何故だ…」と呟き続け周りをドン引きさせ、私が帰宅する時には私の後ろに ピタリと付き同様の事を呟いていました。
無視しました。
その後彼は私に手首の自傷画像をL◯NEで送ってきましたが画像を送れる元気があるなら大丈夫だと思い一応高校の方に苦情を入れておきました。
その後も彼は何回か私に自傷画像を送ってきましたが全て私がスルーするので段々と送ってこなくなりました。というか親に自傷が見つかって病院に放り込まれたらしく学校を退学しました。
そりゃあ全身に自傷作ったら親にバレるよ。
その後彼からの接触もなく、念願の好きな人と結ばれて幸せに暮らしています。今度のデートはラーメンデートだ☆
てか俺さぁ…文体整えるために私って一人称使ってるけど男なんだよね。確かに女顔で女友達も多い方だけどれっきとした男だしさ。やっぱホモだったの?アイツ?
追伸:彼女メッチャ可愛い女の子最高
「これがY.N.さんの体験です。皆さんご参考になりましたか?」
バール先生が受講者に語りかけると受講者達はあまりの感動に泣きそうな表情になっていた。
「皆さんもこの体験者のように日々を冷静に過ごす所から始めましょうね。……それでは今回の公演を終了します。最後に、ヤンデレは根深い問題です。その事を少しずつ理解していき、より良い対処をして行きましょうね。それでは皆さん、最後まお付き合いいただきありがとうございました。」
受講者による拍手がバール先生を包みます。
その拍手にバール先生は一礼すると笑みを浮かべて会場から出て行きました。
皆さんはご参考になりましたか?
もしかしてバール先生の授業を受けてみたくなったりしてます??
しかしバール先生の授業は大変人気ですぐに予約で一杯になってしまいます。
そ・こ・で!!
その授業の代わりに『バール先生の優しいヤンデレ対処教室』はいかがですか?
バール先生の過去の授業が収録されているこの一冊があればもうヤンデレは怖くありません!!
お値段は100円の45倍でリーズナブル!!
さぁ!いますぐ書店へGO!!
*これは実在の団体、事件には全く関係のない完全フィクションです!!
↑いやわかるよ。
ここまでこんなに長いものを読んでいただきありがとうございました。
もしよろしければ続編も書きたいので他のヤンデレをリクエストしていただければ幸いです。