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4日目

《昨日、○○区○○市の○○中学校で少年2名の遺体が発見され...》

朝、テレビからは昨日の出来事がニュースで放映されている


克樹は気に掛けることをせず、テレビの電源を消し

学校へ行く支度をする

「今日はどうなるか・・・楽しみだな」

克樹はボソリと呟き、玄関に向かう


ボロボロになった運動靴を履き

学校へ向かう


学校までは10分徒歩

それ程時間は掛からない


街中には、たくさん能面姿の少年を見て

驚く輩、不思議そうに見つめる輩が

交互に目の前を過ぎ去る


その時、一瞬

克樹と同じ様に、面を被った少年を見た


「・・・・・・・・!?」

振り向いた頃にはもういなかった

一体何だったのだろう

幻覚か?それとも・・・


「僕と同じ・・・面を被った・・・」

そう、能面を被った少年が

もう一人...


何故だろう

もう一人の自分を見た様な気がしたのは

気のせいだろうか?


胸が熱くなる

焼けるように熱い

何故・・・


あれは・・・もう一人の自分?

そんな事はないと信じる

あれはただの幻覚だ

そう思う事にした


-----------


学校へ着く

下駄箱で上履きに履き替えようとする

上履きの中を覗き込むといくつもの画鋲が

仕込まれていた


克樹は上履きの中の画鋲を

全て取り出し、教室のゴミ箱に

捨てる事にした


これはイジメだ・・・

おそらく昨日の桜庭と林の遺体が発見された途端、

犯人は克樹だと決められてしまったのだろう


克樹は、桜庭と林の遺体を運ぶ際に

二人に能面をつけた

能面をつけている生徒など克樹以外にいない


それで生徒らには克樹が犯人だと

断定されてしまったのだろう


とりあえず教室に向かう

前の黒板には、藤村を否定する

汚らわしい言葉がいくつも書かれていた


克樹は大急ぎで黒板消しを手に取り

黒板に書かれた文字も消していく


黒板の文字を消している藤村を見て

ニヤニヤと笑う生徒らが多かった

それは当然、みんなの恨み、

桜庭と林を殺した恨みが

裏目に出たのだろう


文字は黒板だけでなかった

藤村の席には黒板同様

藤村を否定する、罵倒する

汚らわしい言葉が机に彫られていた


もうとっくに藤村があの二人を殺したことは

広まっていた


直しようのない机には

さすがの克樹も諦めた


と、思いきや

克樹の机には大量のローションが注がれており

鞄を置いた瞬間、鞄はローションでヌルヌルになって

しまった。


「・・・・・・酷い」

そう呟くと一人の生徒が

「酷い?桜庭や林を殺したお前に言われたくねぇよなァ?

人の生死に比べりゃこんなもんどうってことないだろ?」

そう言われると藤村は無理やり能面をはがされ、

頭にローションを大量に垂らされた


「うわああああああああああああああああああああ」

藤村は顔を押さえ込み、必死に顔を見られないように隠す


「アッハッハッハ!お前おもしれぇなぁ

そのローション自分で全部飲んで始末しろよな」

まわりの生徒らもクスクスと笑い出す

助けてくれる生徒なんて一人もいない


能面をとられた藤村は

火傷の痕を覆った顔を隠すので精一杯だった


藤村はもう顔を隠しながら教室を飛び出して

どこかへ消え去った



何故にローションw

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