たった一つのマリオネット
作者は尖角となっております。
それでは、よろしくお願いいたします。
月の光に闇が終わる頃、君を呼ぶために雄叫びを上げる。
“―――――僕は初めから一人だった―――――”
そんな程度のことは、すでに知っていた事実。
きっと、他に相手がいるんだろうね。 それが、一体誰であるのか?
『関係ないでしょ?』 そうやって、君は僕を向こうに押しやる。
それでも、時々願いを告げる心。
僕の心を見てくれる人が、君であればよかったのに・・・。
心は僕に終わりを告げようとする。
冷たくなった視線に、君を見るためだけにある両目。
僕は悲しみに打ちひしがれる無意味なマリオネット。
涙は流れることはなく、永遠にそこに立ち尽くしている。
『もっと冷たくならなくちゃ』
そうやって、自分で自分に言い聞かせてみても、君に近づくことすらできない。
だけど、時々想いを伝えようとする心。
僕だけを見てくれるのが、君であればよかったのに・・・・。
心は僕にサヨナラを告げようとしている。
冷たくなった身体に、君を抱くためだけにあった肉体。
僕は愛を忘れることなく、永遠に君の傍に居続ける。
『もっと大事にしなくちゃ』
そうやって、自分に自分で言い聞かせてみると、君は僕に振り向いてくれる。
君は僕を夢見る、 悲しげなマリオネット。
誰でもない、 たった一人だけの僕を夢見て眠るマリオネット。
いつだって寂しくて怖いのに、僕は君だけを求めていた。
そっと、僕のところに近づいてきてくれよ。
冷たくなった僕は、君を操るたった一人の人形師。




