第8話 ケーキ
新郎新婦の別室から戻ってきて、ウェディングケーキが乗っている台を運んでる。
台にはキャスターみたいな車輪がついていて、押すだけで台は動くようだ。
ケーキは異世界で考えると、すごく高級品だ。それも高さがある。
「ケーキ入刀は刃物が危険なので、先に斬ってありますからご安心を」
アイウエオが言うには、ウェディングケーキは斬ってあるらしい。
長い包丁みたいなのを、この場に持ってこなかったのは評価する。
先にケーキ入刀を終わらせてあるというのは、どういう意味があるんだ?
「お手数ですが、カリン様。ケーキを取りにお願いします。他の方も順番にお呼びします」
アイウエオはケーキを席に持ってってほしいという。
ケーキを食べれるのは嬉しいが、毒とか入ってないよな?
カリンから順番みたいだが、カリンは警戒しながらケーキに近づいた。
「ガシャン!」
カリンがウェディングケーキの前に立った瞬間、カリンの足元から鉄格子のオリが台周辺に出現。
カリンを閉じ込めた。
結婚式が仕組まれているとは思っていたけど。突然の出来事だった。
「簡単に引っかかってくれて助かる。俺のギフトはトラップだ」
ギュウドンのギフトは【トラップ】。
鉄格子のオリは罠で、能力の1つみたいだ。
他にも罠が仕掛けてある可能性が高い。
結婚も、転移者を呼ぶための罠だったということか。
「この!出しなさいよ!」
「無駄だ。貴様の催眠もトラップ内部では発動しない」
カリンは暴れているが、閉じ込められている。
ギュウドンはトラップ内部では、催眠は発動しないと言う。
カリンのギフトは【催眠】らしい。
アイウエオの【探偵】で、カリンのギフトも知っていたのだろう。
ギュウドンは、カリンは王国の人間達を催眠で操って騙したと推理する。
【催眠】でアタシは貴族だということにして、逃亡もせず豪華な家で暮らしてたんじゃないかと聞いた。
カリンはそれを認めたが、生きるためだったという。
「この3年間。どれほど苦しい生活だったか、貴様にはわかるまい。死ね!」
「ドカーン!」
ウェディングケーキは大爆発。
【トラップ】で作った偽物のケーキだったみたい。
カリンは大爆発に巻き込まれて亡くなった。
ギュウドンには楽して生きてたカリンが許さなかったのか。
さっきまで生きていたカリンが亡くなったのは衝撃的だった。
この異世界、いつ死んでもおかしくないとは思ってはいたが、あまりにも残酷だ。
アイウエオは新婚生活の足しになると喜んでいる。
やはり懸賞金目当ての罠だったか。
アイウエオとギュウドンは、【トラップ】で転移者を殺すつもりなのだろう。とんでもない新婚だ。
スタンファイブとミミサイコーは、席でじっとしている。何を考えているかわからないけど、おそらく僕と同じで絶対絶命だと考えていそうだ。
僕は逃げることにした。
この教会にいては危ないと思ったから、後ろの扉を開けようとする。
「あれ?開かない」
扉はびくともしない。押しても引いても開かないので、閉じ込められた。
【エスケープ】で逃げたいが、物理的な壁を飛び越えれる能力ではない。
逃げ道がなければ、意味がない能力だ。
「この教会は俺達が用意した舞台だ。ギフト対策はしてある」
ギュウドンはギフト対策済みだと言った。
アイウエオの【探偵】で、それぞれのギフトをわかっているから封じてあるということか。
スタンファイブとミミサイコーのギフト対策もしてありそうだな。
剣で戦うことはできるが、【トラップ】にやられたら意味がない。
どこに仕掛けてあるかわからないので、動くこともできない。
逃げることができない、大ピンチだ。
【転移者状況】
【男性】
ドーダロ 生存
キュウタ 倒された
スタンファイブ 生存
ギュウドン 生存
【女性】
カリン 倒された
エスティーヌ 不明
ミミサイコー 生存
アイウエオ 生存
残り6人か5人
転波乱(てんはらん/Tenharan)とタイトル略してます。
周回ありサスペンスありの異世界デスゲーム作品です。完結まで構成を用意してから投稿を開始しました!
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※本作は「カクヨム」にも掲載しています。




