第11話 闘技場
2人は城の中に入る。
大きなエントランスで正面にある扉の先が、王様が殺害された部屋だ。
転移したときのことを、思い出す。
エントランスの左右には2階につながる階段があり、ミミサイコーの案内で2階に行くことになった。
長い廊下を進む。
扉もたくさんあり、城というだけあって、部屋は多そうだ。
城の中は静かで、スタンファイブが留守番しているという。
廊下の途中に開かずの間と書かれた部屋を見つける。
扉に窓はあるが、暗くてよく見えなくて扉は開かない。
スタンファイブがいる部屋にたどり着く。
ここまで来る予定じゃなかったのに、ミミサイコーに脅されて来てしまった。
「クックック、買い物ご苦労。ドーダロも一緒か。ちょうどいい、魔王を倒せば元の世界に帰れることが判明したぞ」
変な笑い声が魔王っぽく感じさせる。
部屋は書斎で、スタンファイブは調べ物をしていたようだ。
スタンファイブの話だと、魔王を倒せば元の世界に帰れるという。元の世界には帰りたいが、魔王を倒せる気がしない。
王様は演説のとき、元の世界に帰れると思うなと言っていたが、実は知っていたのか?
帰れる方法があったのは嬉しいことだが。
「オイラはドーダロ、お前が魔王だと思ってる。闘技場用意したからオイラと一騎打ちだ!」
スタンファイブは僕が魔王だと思っているようだ。
スタンファイブからしたら、ミミサイコーは相棒でエスティーヌは行方不明。
消去法で、僕が魔王という考えになるのか。
スタンファイブと一騎打ちなんて、【二刀流】に【エスケープ】が勝てるわけない。
闘技場なんて逃げ道ないじゃないか。
ほんのちょっと前まで、ミミサイコーと買い物してたのが嘘のようだ。
後ろには扉を閉めてミミサイコーが逃さないようにしている。
【エスケープ】で逃げるタイミングを見つけたい。書斎を出てから闘技場に行くまでが勝負だ。
廊下をダッシュしてエントランスから城を出れば逃げきれる。
「闘技場は城の地下にあるのだが、書斎のベランダに避難ハシゴがある。地下には一直線でいけるぞ」
逃げ道なくて終わった。
なんでそんな道が存在するんだよ!
書斎の扉出たら【エスケープ】で逃げようとしているのに、2階のベランダから飛び降りれないよ。
避難ハシゴってあれか?
マンションにあるやつが、異世界の城にも存在するのかよ。
2人の誘導で闘技場にたどり着いてしまった。
入口は閉まって、大きな円形の中に閉じ込められる。
闘技場といっても、巨大な建物ではなく城より小さい。大きな訓練所とも言えるかも。
スタンファイブと一騎打ちか。
剣は持っているが、相手は【二刀流】だ。
ミミサイコーの合図で、試合は始まった。僕はさっそく壁側まで逃げる。
スタンファイブは追いかけてくる。意外と足が速い。
【二刀流】は素早く攻撃できるように、速さあるのか?
僕の【エスケープ】の方が速いが、曲がるときに追いつかれる。
スタンファイブは両手の剣を振り回している。とても危ない。
円形のステージだから、中心から離れた壁側近くを走る僕の方が不利だ。
スタンファイブは、あえて中心から離れすぎないように、追いかけて機会を狙っている。
「痛い!」
肩に剣が当たってしまった。かすり傷だが、このままだと本当にやばい。
一騎打ちというか、処刑場じゃないかこれ?
スタンファイブも魔王退治とかじゃなくて、僕の懸賞金目当ての可能性もある。
「2人ともファイト!」
ミミサイコーはお菓子食べながら観戦している。
ファイトじゃないんだよ!
一方的に僕がやられてんだよ!
よそ見している余裕もないが、腹立つ。
僕が【エスケープ】なのを知っていたから、オモチャにされたんだと今さら気づいた。
スタンファイブはまだスタミナあるようだ。【二刀流】のみの攻撃でワンパターンではあるが、強い。
もし魔王だったら、別の攻撃もしてくるんじゃないのか?
色々考えるが、僕のスタミナはそろそろ限界だ。
「助けに来ました!」
絶対絶命のとき、聞き覚えがある声がする。
エスティーヌだ。生きてたんだ。
どうして来たのかわからないが、闘技場にエスティーヌが乱入する。
エスティーヌにはバリア付与されていて、高いところから降りたが落下ダメージがないみたい。
闘技場の中で1年ぶりの再会だ。
味方でいいんだよな?
助けに来たって、僕のことだよな?
【転移者状況】
【男性】
ドーダロ 生存
キュウタ 倒された
スタンファイブ 生存
ギュウドン 倒された
【女性】
カリン 倒された
エスティーヌ 生存
ミミサイコー 生存
アイウエオ 倒された
残り4人
転波乱(てんはらん/Tenharan)とタイトル略してます。
周回ありサスペンスありの異世界デスゲーム作品です。完結まで構成を用意してから投稿を開始しました!
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※本作は「カクヨム」にも掲載しています。




