「還暦同窓会ラブ・リターンズ」
これはフィクションです。でも、“あれ、の○○に似てる…”と思っても、それはたぶん偶然です。たぶん。
10年ぶりの同窓会。
壇上インタビューで妻との“なれそめ話”を披露して会場を沸かせ、ようやく肩の荷が下りた——そのとき。
司会「さて、特別ゲストがいらっしゃっています!高橋君壇上へどうぞ」
現れたのは、かつて学年一の秀才にして、妻の“元カレ”だった男・高橋。
今や超大手誰もがうらやむ世界的商社”丸菱”のCEO。還暦にして背筋もピン、白髪も渋い。
どうやらわが学年の出世頭として挨拶に呼ばれたようだ。
会場「おお〜!」(でもたしか、高橋って、島田(妻の旧姓)とつきあってなかったか?)ヒソヒソ!
修羅場(?)
高橋「いやあ、祐子さんとは昔、お見合いもしたことがありましてね」
会場「えっ!?」「マジか!」
妻はにこやかに笑っている。
私は心の中で叫ぶ。(今さら掘り返すなよ!)
高橋「でも当時、祐子さんに『どんな人が好み?』って聞いたら、横からアイツが『僕にしとけば?』って……」
会場、大爆笑。さすが世界の丸菱CEO。余裕のしゃれたコメント。
私の額からは冷や汗。
すると妻がマイクを持ち、笑顔で一言。
「でもね、その言葉があったから、私は今でもこうして笑っていられるんです」
会場「おお〜!」
一瞬で空気が温まった。
高橋「いやあ、私も負けましたよ。だって今でもこんなに仲良しですからね」
妻「ふふふ、まあね」
私「……Wi-Fiが切れても、夫婦の通信は切れませんから」
会場また爆笑。
案内状を受け取ったときは気が重かった同窓会。
でも終わってみれば、昔のライバルまで“ネタ”に変えて笑える日になった。
——5年後、また夫婦でここに来られたら。
きっとそのときも、妻はマドンナで、私は根暗なまま、でも一番の幸せ者。
だといいな!
これはフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。




