ファイトぉ一発!!
町内で有名な健康マニア、権藤じいさん(82)は、
毎朝ラジオ体操と青汁、夜は酢納豆とヨガが日課。
さらに最近は、毎日リ〇ビタンDを一本きっちり飲んでいる。
「これがワシのエネル源じゃ」
と、胸を張るじいさん。
だがある日、孫のタケル(高校生)が冷蔵庫を開けて目を丸くした。
「じいちゃん、これ……“デカ〇タC”じゃん!!」
「ん?なにが違うんじゃ?」
「いやいやいや、ラベル見てよ!“ファイト一発”じゃなくて“ゴクゴク元気!”って書いてあるし!」
「……ああ、確かにちょっとフルーティーじゃの」
「いや、成分の話!」
どうやら、じいさんはラベルの“色”と“瓶の形”だけで判断していたらしい。
しかも最近は、近所のドラッグストアが特売で類似品を大量入荷したせいで、
冷蔵庫の中には、
謎のオリジナルドリンク軍団がズラリと並んでいた。
「どれが本物なんだ……」
孫は頭を抱えた。
翌朝。
じいさんは元気に叫んだ。
「タケル! 今日のワシは“ビタバリン・ブラック”で気合いじゃ!」
「それ、カフェイン3倍って書いてある!エナジードリンクかよ!」
でもその日の午後、じいさんは町内の運動会で、平均年齢を60歳下回るリレー選手を全員ぶっちぎった。
「じいさん、なに飲んでんの!?」
「……よくわからんが、黒いやつ!」
町内で、黒ビタンのじいさん”として語り継がれることとなった。




