なんの職業??
おそるおそる水晶に手をかざす北海道先輩。
水晶が赤く淡く光りだした。
「これは!?見たことない職業ですね。みゅ...しゃん...みゅ.....?」
「みゅぅってぇ・・・・なんなのぉ・・・・職業コミュ障・・・・なのぉかなぁ・・・?」
「ええと、みゅーじ...しゃん...みゅーじしゃん...あなたの職業は「音楽術師」です....」
「ええぇ・・・・僕ぅ・・・歌えないよぉ・・・・」
なんと北海道先輩は「音楽術師」になった。
聞いたこともないしどんな効果があるんだ?
しかしまぁ強くなさそうだな。
「これはぁ・・・・伝説のぉ職業・・・ですかぁ?」
「ええと...うん....えぇ...歴史上類をみない職業ですね。「音楽家」はいるのですが....」
すごいぞ!北海道先輩!
この世で初めての職業を得ている。
どんな職業かはともかくすごいことだ。
「次はぁ・・・綾野氏のぉ・・・番だよぉ・・・・」
「お、おう。頑張るさ.....」
良い職業が得られないかもしれない。
それでも覚悟をきめなきゃいけない。
ええい!何が出ても落ち込まないからな!
深呼吸して水晶に触れる。
「ええと....あなたは「詠唱王」です...なんですか....この職業は??」
一切、具体性がない。
「魔法使い」とかではなく「詠唱王」なのだ。
地球で言う詠唱発明家みたいなものなのか?
「次は勇斗だろ?いってこい」
「...............」
勇斗緊張しているのか?
まぁ人前だもんな。しかたがない。
勇斗が震える手で水晶に触れる。
「あなたの職業は「忍者」です!!異世界召喚者だけのとても希少な職業ですよ!!!」
「........っ.........たぁああああ!」
いつも影が薄いだけあるな。
「忍者」いいな。かっこいいな。俺もそれがいい....
よくわからない職業は北海道と同類みたいで嫌なもんだ。
しかしよく考えると三人とも無職のような不遇職ではない。
本当に不遇でなくてよかった。
そのまま能力測定は続き、全員が測定し終わった。
目立ったところで言うと、委員長が「大魔道士」。
学年で一番頭のいい前田くんが「賢者」。
僕ら同様クラスで気味悪がられてる冨安蒼平の「死霊術師」だ。
勇者だからなのか不遇職という不遇職が一切なかった。
そして全員に金属でできたプレートが渡される。
これはなにに使うものなんだ?
番号札か?整理券か?
「これはステータスカードです」
これは異世界の定番だな!
ただプレートなのが残念だ。
すぐに無くしてしまいそうだ。
「能力測定によって、水晶とプレートが共有されます。能力についても詳しく見れるのです」
巨乳ちゃんそれすごい技術だよ。
やはり魔法は偉大なのだ。
「プレートを持って「ステータス」とつぶやいてみてください」
自分の「詠唱王」がどんな職業なのか。
調べなければ始まらない。
もしかしたらすごい職業かもしれないぞ!
「ステータス!!」